老後資金準備に向けて抑えるポイント
加入している制度を確認し、老後の生活費として不足する分をどういうもので補うかを考えていくことが重要です。
老後資金準備にとりかかる前に、日本の年金制度全体像を把握しておきましょう。公的年金はもちろんですが、私的年金と呼ばれる企業年金や個人年金についてもその位置づけを確認しておきましょう。社会保障制度のひとつで社会全体の支え合いから成り立つ公的年金は、老後の収入面では土台となります。
そして公的年金の上乗せとなるのが私的年金です。これは任意の加入ですので、人によって入っている制度が異なるでしょう。私的年金には、まず、企業が福利厚生の一環として行う企業年金があります。会社が従業員の退職金や老後の上乗せ年金となるよう実施する制度です。代表的なものに、確定給付企業年金や確定拠出年金があります。企業によって導入しているかどうかが分かれますし、導入している場合はどういう制度を実施しているのかも異なりますので、自分でも確認する必要があります。
そして、私的年金にはもうひとつ、個人が任意で加入する個人年金があります。これには、国民年金基金やiDeCo（個人型確定拠出年金）のように、法律で定められている制度としての個人年金と、民間の保険会社等で販売されている商品としての個人年金保険があります。いずれにせよ、個人で自分の老後の年金のために、任意に加入するのが個人年金です。
老後資金準備を始める前に、自分がすでに加入している年金制度は何か、どういうものかを確認し、そのうえで、老後の生活費として不足する分をどういうもので補うかを考えていくことが重要です。
老後資金準備の前におさえておくこと
【２】ライフイベント表で支出を確認する
老後の時期を迎えるときに特に問題がないといえるよう、たくさんある自由な時間をどう過ごすか、そのために生きがいといえるものを何か見つけておくことや、もちろん健康や体力を維持しておくこと、さらには、生きがいや健康を充実させるためにも経済的にも備えをしておくことが重要です。
長生きすることは大変喜ばしいことです。しかしながら、それは老後の生活費を必要とする期間が長期化することも意味しています。そのため、最近では経済的にみて、長生きを1つのリスクと捉え、長生きリスクに備えた老後資金準備の必要性が謳われています。つまり、長生きすることがリスクにならないように備えておくことが今後ますます重要となるのです。
そのためにはまず、将来やりたいことや夢、ライフイベントなどを自由に書いてみるとよいでしょう。書式にはこだわらず、また定期的に見直しをしていけばよいので、まずは、思いつく範囲で自由に入れてみましょう。その際、それぞれのライフイベントにかかるおおよそのお金も入れてみるとよいでしょう。
ライフイベント表
【３】早めに準備をスタートさせる
老後に向けた資金準備については、早めにスタートさせることがポイントです。これは、資金準備の期間が長い方が毎年あるいは毎月に積み立てる額が少なくてすむからです。極端な例をいえば、2,000万円を5年で準備するのと、30年かけて準備するのでは、1年あたりの積立額が異なります。ある程度の期間をとれるように、計画的に少しずつは早めに準備することがポイントです。
特に、自営業者やフリーランスの場合は、事業によっても事情は異なりますが、公的年金が国民年金のみなので、自分で準備しなければならない老後資金準備の目標額が高くなるケースが多くなります。自分の老後に向けて、自分にあった老後資金準備方法で、早めに準備をスタートさせるとよいでしょう。その際、厚生年金同様、終身で支給され、将来の給付も決まっていて、さらに掛金については税制優遇措置もある国民年金基金を検討してみるのもよいでしょう。
※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。
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