世界中の子どもを夢中にさせる『YouTube』

Youtuberは現代の子どもにとって憧れの職業

YouTuberは現代の子どもにとって憧れの職業

一昔前は、「子どもがテレビを観すぎる」と頭を抱えていた親も、昨今は、「子どもがYouTubeを見続けてしまう」と悩むようになっています。街中でも、スマホを手にYouTubeにくぎ付けの小学生を見かけることがありませんか。

格安スマホなどを提供する『ビッグローブ』が、2017年に発表した「子どものスマホ動画視聴に関する調査」によると、小学生の半数以上がYouTubeを視聴しているといいます。また、『ソニー生命』の「中高生が思い描く将来についての意識調査2017」によると、男子中学生の「将来なりたい職業」の第3位に、そして女子中学生の第10位にYouTuberがあげられています。

こうした現象は、日本だけでみられることではありません。イギリスを拠点とする旅行会社『First Choice』が、2017年に発表した小学生から高校生1000人を対象とした調査でも、「なりたい職業」の第1位に、YouTuberがあげられているのです。

世界中の子どもたちの間でYouTubeが大人気となる中、世界中の家庭で、どう対応したものかと頭を抱える親御さんが増えています。はたしてYouTubeとは、子どもにどんな影響を与えているのでしょうか?
 

『YouTube』の子どもへのポジティブな影響

■様々な視点から興味を深められる
例えば、「昆虫」について興味を持つ子がYouTubeを検索するなら、世界各地の昆虫の生態から、日本の子どもが昆虫を採集する様子まで、様々な側面から、「昆虫」に関わる動画に触れることができるでしょう。YouTubeは、こうして子どもの興味に、広がりをもたらしてくれます。

■「自分にもできるかな」と能動的な意欲を掻き立ててくれる
自分と同じような環境に暮らす等身大の人物が、身近な周りの様子を動画として発表する姿に、多くの子どもが「自分にもできるかもしれない」と思うかもしれません。こうして、テレビのように受け身的に観るだけではなく、自分も「作る側に回りたい」という、より能動的な意欲が育つこともあるでしょう。

米国では、小学生のYouTuberが動画を作成することで、年に億単位の金銭を稼いでいるという事実もあります。それらを視聴する子どもたちも、自分も同じように有名なお金持ちになれるかもしれないと、夢も膨らむかもしれません。

■創造力や表現力が磨かれる
実際に「作ってみたい」と思うことで、想像力や創造性、また表現力が磨かれます。そして、お友達と共に計画を立てるならば、チームで一緒に目的を達成する協働力も培われるでしょう。
 

『YouTube』の子どもへのネガティブな影響

■他の動画への誘導が巧みなため依存を促しやすい
動画をひとつ見終わっても、次から次へと関連する動画が現れ、区切りをつけるのが難しくなります。

■悪質な内容の動画へと誘導される危険性がある
「他の動画」への誘導は、時に、子供には適切でなく、度を越して性的であったり暴力的であったりする「悪質な内容」(『エルサゲート』等)も含まれるかもしれません。

■安易な批判や悪意ある評価にさらされる場合がある
動画につけられるコメントには、時に子どもには不適切な罵倒なども含まれるかもしれません。また、目にする動画に感化され、「自分も作ってみたい!」と制作した動画をインターネットに載せるならば、自ら悪意あるコメントにさられたり、また悪用される危険性もあるでしょう。
 
 

子どものYouTubeとの付き合い方
親として実行したい5つのこと

1.乳幼児へのYouTube視聴は最低限とする

YouTubeと子ども

 乳幼児へのスクリーンはメリットよりデメリットの方が大きいです

スマホなどのタッチスクリーンに触れている乳幼児は、51%というイギリスの調査もあります。(*1) とはいえ、これまでのテレビについての研究も示しているように、2歳以下にスクリーンを観せたところで、興味を深めるどころか何の学び効果もなく、かえって言葉の発達を遅らせてしまうと分かっています。(*2 )  また、乳幼児の発達にとって最も重要な「睡眠時間」が短くなってしまうという研究もあります。(*1) 

親として、どうしても乳幼児に静かにしてほしい場合に、やむを得ず動画を観せることもあるものです。それでも、長時間の視聴とならないよう、乳幼児には、なるべくスクリーン以外の玩具や絵本などを楽しめるよう用意してあげたいです。

2.テレビの視聴以上に計画する

『YouTube』動画は、上にあげたように、区切りをつけるのが難しいものです。ですからテレビ以上に、子どもと一緒に、視聴する時間を計画する必要があります。『YouTube』の良い面と悪い面について話い合い、「1日30分まで」など、子どもと一緒に決めましょう。

子どもは、親が決めたことを与えられるより、自分で決めたことは、より守ろうとするものです。子ども本人が決めた時間が来たら、スマホやタブレットといった機器自体を、目の届かないところにしまってしまうのも方法です。

これからを生きる子どもたちは、こうした機器やサービスにますます囲まれることになるでしょう。子どもが主体的に計画を立て遂行する学びの過程として、YouTubeを活用していきたいですね。


3.フィルターを用いたり、親の傍以外で観ないようにする
子どもが危険なサイトや動画に触れることを防ぐため、フィルターを活用しましょう。とはいえ、フィルターの網を通りぬける悪質な動画もあるかもしれません。ですから、「YouTubeの動画視聴は、親が傍にいるときのみ」と、子どもと同意しておくのも大切です。


4.インターネットに掲載するよりまずは親族や友人間で楽しむ
インターネットに載せる画像は、一生残る可能性もあり、悪用される場合もあると話し合いましょう。子どもがYouTubeを観て、「作ってみたい!」と感化されたのならば、まずは全世界に向けて放つより、家族や親戚や親しい友人向けに動画を制作して楽しむことを、励ましてあげましょう。


5.スクリーン以外の楽しみを整える
メディアとの付き合い方の基本は、「観てはダメ!」と迫るより、他に楽しみを作ることです。工作やスポーツや漫画や読書や公園遊びや家族でのお出かけなど、スクリーン以外の喜びをたくさん体験することで、スクリーンに向かう時間を、「多くある楽しみのひとつ」にしましょう。

YouTubeと子ども

 スクリーン以外の楽しみを体験する機会を整えてあげましょう

YouTubeとの付き合い方を工夫することで、子どもたちが、これからの世界へと健やかに羽ばたいていけるよう、サポートしてあげたいですね。

 

参考資料:
(*1 ) Celeste H. M. Cheung, Rachael Bedford, Irati R. Saez De Urabain, Annette Karmiloff-Smith & Tim J. Smith ’Daily touchscreen use in infants and toddlers is associated with reduced sleep and delayed sleep onset
(*2 )'Handheld screen time linked with speech delays in young children' ScienceDaily, 4 May 2017. 

 

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。