両家顔合わせとは。結納との違いは?
結納(ゆいのう)とは、両家の婚約の契りを「結」び、そのしるしとして贈り物を「納」め合う儀式です。結婚が決まったら、まず結納を交わして……というのが昔の結婚の流れでしたが、最近は堅苦しい儀式的な部分は省いて、代わりに両家顔合わせをするケースも増えてきました。
両家顔合わせといっても内容はさまざまです。カップルが両家を招いて料亭やレストランで食事会をする、どちらかの実家に両家が集まってご飯を食べる手作りの食事会をする、堅苦しいのは苦手だけれどセレモニー色を出したいからとエンゲージリングなど婚約記念品を席上で交換する、または、伝統的な結納と食事会の中間で結納品の交換を行う、男性側が結納品と結納金を用意して女性側に渡すいわゆる「略式結納」に近い形にする……など、実にバラエティに富んでいます。
どの形にするにしても、これから親戚になる家族同士を初めて正式に引き合わせるタイミングになるわけです。この段階でもめることのないよう、きちんと準備をして仕切っていきましょう。ただし忘れてはいけないことは、今後はふたりの意志だけでなく、両家の考え方も重要になってきます。
する、しない? 結納・両家の顔合わせの実施状況
2017年のゼクシィブライダル総研調べによる結納・両家の顔合わせの実施状況は、全体に対して、結納・両家の顔合わせの実施状況を尋ねたところ、「両方行った」という人は8%、「結納のみ行った」という人は4%、「両家の顔合わせのみ行った」という人は83%でした。しかし、地方のしきたりや家によって、結納の重視度はまったく違います。首都圏では結納と顔合わせを両方おこなったのは7.6%ですが、最も割合が多い九州では26.0%もいます。
つまり、若い自分たちや、自分の実家は気にしないから略式や両家顔合わせ食事会でOKだと思っても、相手の実家や地域では「結納がないなんて失礼だ」と思われることもあるのです。親世代は地域によって結納や両家顔合わせの重視度が違うことをよく知っているので、相手の家の考えをとても気にします。
そのため、両家顔合わせを実施するかどうか決めるのは、「2人で」が79%で最も高いのですが、自分たちがどうしたいかだけでなく、両家の意思を聞きながら進めていくことが大事です。
▼参考記事
結納・略式結納・両家顔合わせ
両家の顔合わせ食事会、準備から当日の流れとは?
結納よりも、顔合わせ食事会!
▼参考サイト
2017年のゼクシィブライダル総研調べ
場所は料亭それともレストラン? 予算はどれくらい?
結納式の実施場所や予算についてのアンケートの集計では、「料亭」が33%、「ホテル」30%で同様に高く、「妻の家」12%、「レストラン」11%。結納当日の食事会の場合、「料亭」が41%、次いで「ホテル」が33%、「レストラン」が13%。両家顔合わせの食事会の場合、「料亭」が41%、次いで「レストラン」が29%、「ホテル」が19%でした。
料亭とは、一般的に、本格的な日本料理が食べられて、板の間や庭がある落ち着いた雰囲気の個室が用意されているようなお店です。レストランは西洋料理店全般を指しますが、ここでは、コース料理や個室~半個室のある雰囲気のお店を指します。婚約記念品の交換などを行うのであれば、個室を予約できるところがベストでしょう。
食事会にかける費用で一番多いのが「5~10万円未満」 が46%です。「5万円未満」が27%、「10~15万円未満」が19%と続き、平均は7.1万円でした。
▼参考記事
両家顔合わせ 段取りや費用の分担は?
両家顔合わせ食事会のベストタイミングは、結婚式の7~8カ月前
結婚式の準備を円滑に進めるためにも、両家の顔合わせはなるべく早いタイミングで行っていた方がいいでしょう。結納の実施時期は「挙式の6ヵ月前」が19%、 「7ヵ月前」が15%、「2ヵ月前」が11%、「13ヵ月以上前」と「5ヵ月前」がともに10%。平均は挙式の 7.0ヵ月前でした。また、両家の顔合わせの実施時期も「挙式の6ヵ月前」が14% で最も高く、「13ヵ月以上前」が13%、「7ヵ月前」が11%となり、平均は挙式の8.4ヵ月前となりました。
多くのカップルが、遅くても挙式の7~8ヵ月前までには結納や食事会を実施しています。
▼参考記事
2018年 結納・両家食事会におすすめの日取り
日取りの決め方は?
顔合わせの日取りの決め方ですが、これは特に両家のご両親がもめない日取りを決めることが重要です。通常の生活ではカレンダーの六輝(六曜)をあまり気にすることがありませんが、お祝い事となると別。若い世代でも「仏滅よりは大安がいい」と考えますが、特に親世代や祖父母の世代になればなおさらです。両家の家族が不安を持たずに参加できるように、結納・食事会の日取りも最初からこの点を考慮しておくとよいと思います。
そして家族や2人の仕事の都合などを考えると、やはり土日祝日がスタンダードだと言えます。お祝い事は午前中に行うものだという考えの人もいますので、特別な事情がない限り、大安などの土日祝日の昼食が日取りの設定としては、間違いのない日程となります。
▼参考記事
2018年 結納・両家食事会におすすめの日取り
両家食事会の服装はどうする?
食事会では両家で服装の格を揃える、つまり両家のバランスが大事です。そのためには花嫁花婿が両家の意向を確認しつつ、事前に当日の装いを事前に相談しておきましょう。花嫁の服装は「振袖」「ワンピース」「ツーピース」などが一般的。カジュアルな食事会でもワンピースなど、キレイめスタイルを心掛けましょう。花婿は「ブラックスーツ」「ダークスーツ」が食事会の定番です。ノータイの場合であっても、ジャケットや襟付きのシャツにするなど、清潔感と誠実さが感じられる装いを心掛けてください。
両家の親同士の服装も“格”を揃えましょう。母親同士は洋装なら洋装、和装を着るなら両家母とも和装、といったようにある程度、装いスタイルも揃えたほうが良いでしょう。もちろん必ずしも和装・洋装を揃える必要はありませんが、最後に両家揃っての写真を撮影するカップルも多いので、両家の服装が揃っているとまとまりが出るでしょう。
▼参考記事
両家顔合わせ食事会の服装、どこまで崩してOK?
両家顔合わせ食事会の席順マナー。どうやって決める?
当日の席順はふたりが中心に座り、親がその周りを囲むようにすると会話が弾みます。マナーとしては、入口から最も遠い上座に男性側の父親が座り、入口に最も近い下座に女性本人が座るのが基本。その上で、女性の隣に男性が座り、父親と本人の間に母親が座ると考えればいいでしょう。四角卓の場合は、ふたりが下座で向き合い、上座に父親、真ん中に母親という配置になります。入り口から離れた上座に男性側の家族が案内されることが多いですが、絶対ではありません。女性側の親の方が年配で、相手に勧められた場合は、逆でも大丈夫です。
▼参考サイト
ゼクシィ 顔合わせ食事会 ~準備&進め方~
両家からの手土産は必要? 失礼にならない品物は?
手土産を用意するかどうかは自由です。顔合わせ食事会自体にルールがないので、手土産にも決まりはありません。ただ事前に両家で話し合って、持参するかどうかを決めておくことが必要です。
定番の品物といえば菓子折りですが、バウムクーヘン(「年輪」のようで、末永い幸せを感じさせる)、もなかやどらやき(2枚の生地が『合わさって』できているので『両家の結びつき』につながる)のように縁起の良いものも喜ばれます。他にも地元が離れている場合は地元の特産品、あとは糖分や塩分を気にしている方にはお茶もいいですね。
手土産の相場は3000~5000円ですが、ここも両家で認識を揃えておきたいところ。
また、お土産を渡すタイミングは、始まりの挨拶と家族紹介が終わったあたりがいいでしょう。お店へ入る前に渡すのはマナー違反なので、ちゃんと中へ入って、挨拶を済ませてからにしましょう。
▼参考サイト
結婚STYLE Magazine 花嫁ラジオ
両家顔合わせの流れは? 進行は誰がする?
形式張らない顔合わせの食事会ですが、せっかく両家が一堂に会するのですから、両家が仲良くなれるようなアイデアを盛り込み、楽しい会合にしたいものですよね。
両家顔合わせ食事会の場合、新郎新婦が進行するケースが圧倒的に多いようです。そのためには事前にふたりである程度のプログラムを考え、準備しておくのが望ましいでしょう。
【まずは始めの挨拶&両家の家族紹介】
ふたりが両親を招くという形なので、新郎が食事会の趣旨などを説明し、挨拶をするといいでしょう。その後、新郎新婦がお互いの両家家族の紹介をします。
【結納品や婚約記念品の交換】
結納品や婚約記念品を交換するなら、食事が始まる前がベストです。婚約指輪を贈るのであれば、実際に男性から女性の指にはめると、セレモニー感が高まるかもしれません。手土産を持参した場合も、このタイミングが良いでしょう。
【和やかに会話をしながら、会食スタート】
会食中は、ふたりが率先して話題を提供するように努めましょう。事前にどんな話を振ったらいいか、お互いに相談しておくといいでしょう。緊張を和らげ、和やかな雰囲気にするのが大切です。
【終わりの挨拶】
食事が終わってのんびりしたところを見計らって、最後は2人揃ってご両家に挨拶しましょう。今日のお礼から始まり、日頃の両親に対する感謝の気持ちを述べ、結婚式準備についてのサポートをお願いする旨を話す……という流れがいいと思います。感謝の気持ちを表す、ささやかなプレゼントを渡すのもいいでしょう。
【記念撮影】
せっかく両家が初めて集まったので、ぜひ全員で記念撮影をしておきたいもの。お酒が入と顔が赤くなってしまうと心配な場合は、食事前にも1枚撮影しておくとよいかもしれません。ホテルなら写真室でカメラマンを手配して撮影する手もありますが、料亭やレストランなら会場スタッフに頼んで撮影してもらいましょう。この時の写真を、結婚式でのプロフィール紹介、思い出の動画内でスライドショーとして使うカップルも多いようです。
▼参考記事
両家の顔合わせ食事会、準備から当日の流れとは?
費用は誰が負担する? 両家で折半し、新郎が支払う
事前に費用分担をどうするのか、誰が支払うのかも決めておきましょう。
両家顔合わせ食事会の費用は両家がそれぞれ折半で出し合うことにしておき、当日は新郎がまとめて支払うのが一般的なようです。あるいは、ふたりが親を招待するという形をとり、費用もふたりが負担するというケースも。これも両家で話しあい、納得のいく方法を選びましょう。
レストランや料亭などで行う場合は、頭割りで費用を折半します。当日だれが支払いをするのかも決めておくとスマートです。事前に会場側に支払い方法(使用できるクレジットカードの種類など)も確認し、準備をしておくとよいでしょう。
どちらかのおうちで行う場合は、基本的には招いた家がもてなすという形をとることが多いようです。その場合、招かれた側は少しお金を包んで持っていく、または、お土産を持参するのがよいでしょう。
いずれも、両家の住まいと会場の場所による交通費や宿泊代、結納金や結納品のアリナシによって、それぞれの負担額がちがいます。お互いの負担額のバランスを考え、納得いくように相談して決めておくのがよいでしょう。
▼参考記事
両家顔合わせ 段取りや費用の分担は?
結納よりも、顔合わせ食事会!
両家の顔合わせ食事会、準備から当日の流れとは?(P.02)
以上、両家顔合わせ食事会についてまとめてみました。
結納でも食事会でも、これから家族になる両家が初めて顔合わせをする大切な機会になります。あとから後悔しないためにも、事前の準備はなるべく余裕を持てるスケジュールで、両家に相談や報告をしながら話を進めていくようにしましょう。そして当日は堅苦しい雰囲気になりすぎないように、ふたりで場を盛り上げながら進行していけるといいですね。