2つの次世代DVD規格
現在のDVDの後継である、次世代DVDの規格をめぐるニュースが相次いでいます。次世代DVD規格の候補は、ソニーや松下電器が推すBlu-ray Disc(ブルーレイ・ディスク、以下BD)と、NECや東芝が提案するHD DVD(以下HD)が有力です。BDとHDの両者とも、現行DVDが2層式で最大9.4GBまでしかない記憶容量を、大幅に拡大したことが最大の特徴です。これにより、High Definition(ハイ・ディフィニション、HD DVDはこれから命名された)と呼ばれる高解像度映像を1枚のディスクに保存できます。両規格の主な違いは、以下のようなものです。
<BDとHDの主な違い>
Blu-ray Disc | HD DVD | |
記憶容量 | 27GB(2層・54GB) | 20GB(2層・40GB) |
現行DVDとの互換性 | 低い | 高い |
カートリッジ | あり | なし |
ユーザーからすれば、店頭でDVDを買おうとしたときに、規格の違いを気にしなければならないことは困ったことです。そのため、これまでも次世代DVD規格の一本化が望まれてきましたが、なかなか歩み寄れていません。
ビデオのときのような混乱を避け、「いいとこ取りをして一本化すればいい」と思うのは当然ですが、この両規格は物理的な構造がまるで違うため、技術的な統合はかなり難しいのです。
ビデオテープは当初、VHSとベータマックスという2つの規格のものが販売されていました。現在、一般ユーザー向けに市販されているのはVHS規格のみです。
両陣営とも、自陣営に賛同企業を集めて規格競争に勝とうと必死ですが、勝敗がどうなるかはまだわかりません。
今回は、「戦争」ともいえる次世代DVDをめぐる競争について、支持獲得のためのいくつかの「戦場」という視点から考えてみます。
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CONTENTS
Page1:次世代DVD規格競争
Page2:第1、第2の戦場
Page3:第3、第4の戦場