破壊工程は完璧に
HDD破壊装置による穴の形がゆがんでいるのは、なぜでしょうか。東京エコリサイクルで採用する油圧式の破壊装置で処理すると、HDD表面に穴があきます。さらに、内部に複数枚ある記録ディスク(プラッタ)に強い圧力がかかって穴やくぼみができ、プラッタそのものも大きくゆがみます。
こうなると、読み取りはまったく不可能になります。破壊されたHDDの内部を確認したのが、以下の画像です。
プラッタがゆがむので、データの読み取りは不可能 |
HDDは通常、2枚のプラッタが一定間隔をあけて重なっており、その上を読み取り装置が移動する仕組みになっています。
しかし、もし単に鋭いドリルで穴を開けるだけなら、プラッタはゆがみません。これでは、穴のあいた部分以外に記録されているデータを読むことは可能です。
このように、HDD破壊装置は油圧を使うことで、データが読み出せないような破壊を行っていることがわかります。なお、東京エコリサイクルでは作業場からのデータ漏れがないよう、持ち込まれたHDDはその日のうちに破壊することを原則としています。
このような穴があくだけでは、データは完全には破壊できない |
破壊処理されたHDDは、この後、基板を取りはずすなどして回収工程に回ります。
メディアも完全に破壊
東京エコリサイクルでは、FDやCD-ROM、MOなど、ビデオカセット(VHSサイズ)までの大きさのメディアも破壊処理を実施しています。
メディアを穴から投じると破砕される |
オンサイトでの破砕処理は、1箱あたり3,150円(東京23区、10箱以上)です。最近めっきり使わないのに、どんなファイルが入っているか怖くて捨てられない、FDなどの処分に最適です。
完全に破砕され、データの読み出しはできない |
東京エコリサイクルでも、家電製品の分解現場に派遣社員を採用しています。しかし、より安全性・機密性が要求されるPC分解室で作業にあたる人は、すべて同社の正社員です。こうした点が、日立など大手各社が出資しているということと併せ、東京エコリサイクルの信頼性を高めているといえるでしょう。
いらなくなったPCがどうなるか、興味がわいてきたのではないでしょうか。地球環境保護とPCからのデータ漏えい防止に注目が集まるいま、東京エコリサイクルのようなリサイクル事業が、これからも発展していくことを願います。
リサイクル法スタート(2003年9月)
関連サイト
●東京エコリサイクル●パソコン3R推進センター
Page1:PCもリサイクルされる
Page2:分解室に積まれたPC
Page3:PCをパーツに分解
Page4:HDD破壊でデータ漏れ防止
Page5:メディア類も破砕する