明月院には、アジサイをはじめ魅力がいっぱい
梅雨時、鎌倉へしっとりアジサイ散歩……一面の青い花々に囲まれて、和のたたずまいのお寺を歩けたら、素敵ですよね。そんなアジサイのイメージで知られ、「あじさい寺」とも呼ばれている明月院(めいげついん)ですが、アジサイ以外にも、素敵な魅力がいっぱい! アジサイのことはもちろん、境内の見どころや季節の花、明月院ゆかりのうさぎのお守りや御朱印帳のことなども、ご紹介しましょう。
<目次>
- 明月院の歴史
- 明月院のみどころ
- 悟りの窓
- 明月院ゆかりのうさぎ
- うさぎやアジサイのお守りも
- うさぎがモチーフの御朱印帳
- 境内のお茶処「月笑軒」
- アジサイの開花や見頃はいつ?明月院ブルーって?
- 明月院の混雑時期 アジサイ・紅葉
- 混雑を避けるなら…穴場のおすすめ時期
- アクセス、拝観時間、拝観料など
明月院の歴史
明月院は、1160年に創建された明月庵が起源。その後、鎌倉幕府五代執権の北条時頼が、この地に最明寺を建てました。のちに、八代執権の北条時宗が、最明寺を前身として禅興寺を創建。その塔頭として明月院と改められました。明治初頭に禅興寺は廃絶し、塔頭の明月院だけが残ったものです。明月院のみどころ
アジサイや有名な丸窓のほかにも、境内には見どころがたくさん。本堂前の枯山水の庭園や竹林、茅葺き屋根の開山堂も、趣があります。北条時頼の墓、鎌倉十井の1つである「瓶(つるべ)の井」、鎌倉最大級のやぐら(岩壁に横穴を掘ってつくられた中世の武士や僧侶のお墓)である、「明月院やぐら」などもあります。悟りの窓~心をうつす窓ともいわれる丸窓
明月院のアジサイ咲く石段を登りきると、ご本堂の方丈へ……。方丈の丸窓は「悟りの窓」ともいわれ、奥に望む庭園の、季節の情緒が味わえます。丸窓の手前にあしらわれた、季節の生け花も素敵。 円は、禅宗では悟りや仏性、宇宙などを表し、円窓は、自分の心をうつす窓ともいわれます。明月院らしく、月をイメージするようにも見えますね。アジサイや紅葉のハイシーズンには、この丸窓の写真を撮る人で、行列ができます。並ばずに丸窓の写真を撮りたいなら、オフシーズンに行くのがおすすめです。明月院ゆかりの「うさぎ」
明月院には、石段と本堂の間の脇に、うさぎが飼われている小屋があります。明月院のパンフレット表紙も、ここのうさぎがモデルになっているんですよ。 明「月」院の月の字にちなみ、連想される月うさぎから、うさぎにゆかりのあるお寺となったよう。境内にはうさぎのオブジェも点在しています。散策しながら、探してみるのも楽しいですね。うさぎやアジサイのお守りも
「うさぎは とんではねはね つきをよぶ」……月うさぎをイメージした「うさぎおまもり」をはじめ、明月院には、いろいろなお守りがあります。 「あなたの体も小宇宙」と、透明の小さなケースにうさぎが入った、「宇宙まもり」も。月うさぎのイメージが膨らみます。そのほか、アジサイの描かれた鈴をかたどる開運のお守りや、ショウブの花をモチーフにした「勝負守」なども。丸窓横の寺務所で、頒布されています。
うさぎがモチーフの御朱印帳
明月院では、ご本尊「聖観世音菩薩」の御朱印がいただけます。 御朱印帳にはいくつか種類があり、かわいらしいうさぎが描かれた御朱印帳もあるんですよ。ピンクのほかに色違いや、シンプルな無地の御朱印帳もあります。 明月院では御朱印も、御朱印と同じく、丸窓横の事務所でいただくことができます。境内のお茶処「月笑軒」
明月院には、お茶処があります。境内のお庭の雰囲気を楽しみながら、お抹茶や和菓子をいただくのもいいですね。 紅葉の時期には、窓の外のモミジもきれいに色づきます。オフシーズンや平日にうかがうと、ゆったり、和の雰囲気を味わえます。アジサイの開花や見頃はいつ?明月院ブルーって?
鎌倉へアジサイを見に……といったら、明月院は、真っ先に思い浮かぶお寺の1つですよね。アジサイ寺ともいわれる明月院は、梅雨時、境内が、青いアジサイの花で埋め尽くされます。アジサイの開花は、6月初めごろから。例年、2~3週ごろに見ごろを迎えます。 明月院に植えられているのは、ほぼ、青い花のアジサイ。梅雨時、境内一面がしっとりと青い花に染まる様子は幻想的で、明月院ブルーとも呼ばれます。明月院に植えられているのはヒメアジサイといい、日本古来のアジサイです。やさしい青さ、その端正なたたずまいもまた、和の趣を醸し出しているようです。混雑時期は? アジサイの6月、紅葉の12月
6月2~3週のアジサイシーズンの明月院は、大混雑。美しいアジサイを一目見ようと大勢の人が訪れ、駅から明月院まで、ずっと行列が続き、境内の有名なアジサイの石段も、行列しながら歩いていく感じになります。あまり混雑しないときに、ゆったりアジサイを観賞したいと思ったら、色づき始めの6月初め・平日の朝早くに訪れるのがおすすめです。 6月には、奥庭園が開放され(有料)、白や紫のハナショウブの花を愛でることができます。広々とした谷戸あいの庭園一面に咲くハナショウブ、心ものびやかになる景色です。紅葉が美しい12月1週ごろは、奥庭園で紅葉を愛でることもでき(有料)、明月院はまたにぎやかになります。
静かな明月院を味わえる、こんな季節はいかが
明月院は、つい有名なアジサイの時期に訪れたくなりますが、混雑していると、静かな情緒を味わいきれないことも……。そう感じたら、ぜひ、季節を変えて、訪れてみましょう。ロウバイの花に新春の風情を味わえる1月下旬から2月ごろ。 しだれ桜が美しく咲く、3月終わりごろ。 竹林の涼やシュウカイドウに秋の風情を味わえる9月ごろなども、趣があります。
以上、明月院の魅力をお伝えしてきました。アジサイや丸窓のほかにも、竹林や庭園・うさぎとの出会い、紅葉など、四季折々、素敵な情緒が味わえます。どうぞ季節を変えて、明月院の知られざる魅力に、会いに行ってみてくださいね。
明月院のアクセス、拝観時間、拝観料など
<DATA>■明月院
住所:鎌倉市山ノ内189
TEL:0467-24-3437
拝観料:500円[本堂後庭園:別途500円 6月公開菖蒲園・12月ごろ紅葉時期]
拝観時間:[6月]8:30~17:00 [その他]9:00~16:00
アクセス:JR北鎌倉駅より徒歩10分
御朱印:300円
御朱印帳 花兎桃:1800円 無地:1000円
■月笑軒
住所・アクセス:明月院境内
TEL:0467-24-3437
営業時間:10:00~15:00