組み立てが必要な Poseidon WCL-02 90Cu |
話題の水冷システムを導入する
前回は、PC 静音化の第一段階として、電源の交換にチャレンジしました。今回は、水冷システムを導入することで、さらなる静音化をはかります。その前に、水冷システムについて簡単に述べてみます。CPU など PC の部品は起動するだけで高い熱を発します。負荷のかかる処理(ゲームや3Dグラフィックスなど)を行えば、さらに高熱化します。CPU が一定温度以上に高熱化すると、PC は不具合を頻発するようになり、場合によっては二度と起動できなくなってしまいます。そのため、CPU などのパーツが高熱化しすぎないよう、絶えず冷却することが必要になるわけです。
通常、PC の冷却には「空冷」方式が使われます。各熱源に小型の扇風機(ファン)を取りつけ、風を送り込んで冷やすのです。
これに対し「水冷」とは、その名の通り、水(蒸留水)を使って PC の熱源を冷やすというものです。水冷式の多くは、CPU に接した金属板を水で冷却し、温まった水をポンプとホースで循環させ、ファンによる風で再度冷やすという仕組みを採用しています。そのため、水冷式といえども、ファン(空冷方式)と完全に無縁なわけではありません。つまり、ファンの回転による騒音(ノイズ)は、ある程度は避けられないということです。前記事で「『水冷式=静音』とは限らない」と述べたのは、このためです。
水冷システムの多くは、ファンを PC の外部に設置したり、ファンの回転数を調整することで、静音化に努めています。
Poseidon WCL-02 90Cu の付属パーツ |
水冷システムを選ぶ
水冷システムは、各社からいくつかの製品が販売されています。中でも人気があるのは、3R SYSTEM による Poseidon WCL シリーズです。ラインナップには、ユーザーによる組み立てが必要な「02」、組み立て済みの「03」、さらに、ファンの大きさで「90Cu」「120Cu」の計4種類がラインナップされています。また、チップセット冷却用ジャケット、VGA(ビデオカードのチップ)冷却用ジャケットなど、別売りのオプションパーツが多いことも特徴です。<Poseidon WCL シリーズのラインナップ>
ファンサイズと組み立ての有無で4種類を揃える |
筆者の環境では、CPU、M/B(マザーボード)上のチップセット、VGA の3つのファンがあるため、これをすべて水冷式に交換することにします。
このため、以降はオプションパーツが利用でき、組み立てが必要でファンサイズ 90mm の WCL-02 90Cu を使って検証します(ファンサイズはケースの大きさで選択)。しかし、自作未経験のユーザーには、組み立て済みの WCL-03 90Cu をお薦めします。
なお、AMD の CPU、Athlon64 搭載の PC には別売りのクリップが必須です。
前回の電源と同様ですが、同製品はすべての PC に対応しているわけではありません。とくに、ラジエーターとファンのサイズ(90mm)以上のケース厚がなければならないことに留意してください。
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CONTENTS
Page1:水冷システムを選ぶ
Page2:システムを組み立てる
Page3:静音化の効果は?
Page4:対策前からの変化をまとめる