注目の新型CR-V、日本での受注開始
ホンダが新型CR-Vの受注を開始した。御存知の通り、初代CR-Vは圧倒的な人気車になり、それまで三菱 パジェロやトヨタ ランドクルーザーのようなヘビーデューティーなクロスカントリーより、少し都会派の「SUV」というジャンルを作り出した。クロスカントリーを登山靴とするなら、SUVは毎日履けるトレッキングシューズ。
そのまま順調に売れ続ければよかったのだけれど、日本よりヒットしたアメリカ市場からの強いリクエストにより、フルモデルチェンジするたびにボディを拡大。排気量の大きいエンジンを搭載したこともあり価格も上昇した。そのため、売れ行きは極端に落ち込んでしまった。先代モデルの最後は日本での販売を止め、新型も販売する予定がなかった。
一方、今や日本でもマツダ CX-5や日産 エクストトレイルなど、CR-VクラスのSUVが売れ筋になっており、国内販売で苦戦するホンダとしては(今や売れ行きの半分は軽自動車)、ぜひとも欲しい商品なのだろう。そんな流れで、前述の通り日本発売を予定してなかった新型CR-Vを、アメリカ発売に遅れること2年で投入することにした次第である。
2タイプのパワーユニットを採用
では、クルマはどうか? 以前、ガイドは雪道など限られた条件ながら試乗しており、その時の感触からは良いクルマだと思う。日本仕様に搭載されるパワーユニットは、ターボなしだと2400cc程度の排気量のパワーを出す190馬力の1500ccターボと、ステップワゴンなどに搭載されている燃費の良い2000ccの2モーター式ハイブリッドの2タイプだ。CR-Vの価格は?競合車種と比較
新型CR-Vは売れるだろうか? 競合車種と同じくらいの価格設定なら十分イケると思うのだけれど、信じられないほど高価なのだ。日本で真正面からブツかるだろうCX-5の場合、2500ccエンジンを搭載した最上級グレード『25S Lパッケージ』で298万6200円。同等の装備内容だと思われるCR-Vの場合、323万円もする!
CR-VとCX-5はボディサイズに代表される“車格”が全く同じ。世界どの国でも全く同じクラスのライバルとされている。さらに自動ブレーキ性能や4WD車の駆動性能など細かいスペックを比べると、全ての点でCX-5の方が上回っているのだった。同じクラスの競合車でこれほど価格差を付けてくることなど聞いたことない。
もちろん、スバル フォレスターの2500ccや日本の道路環境を考えれば、必要にして十分の2000ccエンジンを搭載する日産 エクストレイルと比べても圧倒的に高価。もしかすると一回り大きいトヨタ ハリアーと同じ価格設定にしたのかもしれないが、だとすれば無謀だ。クルマの仕上がりなど、どの評価基準を持ってしてもハリアーに届かない。
2000ccのハイブリッドを搭載するCR-Vも一番安いグレードが378万円。同じくらいの燃料コストで済むCX-5のディーゼルは最上級グレードで329万9400円。1500cターボより一段と割高になってしまう。こうなると、超人気のボルボ XC40あたりの方がずっと魅力的だ。
また、3列シートモデルをラインナップするが、居住性はマツダ CX-8のほうが圧倒的に優勢だ。価格もハイブリッドとCX-8のディーゼルを比べればCR-Vのほうが高価である。その他、優れたリセールバリューで知られるトヨタ ランドクルーザープラドの3列シートとも価格でバッティングする。ランドクルーザープラドは、魅力的だ。
最近のホンダは強気な価格設定が目立つ。昨年発売されたシビックの場合、同等の装備内容を持つボルボ V40と同等という業界びっくりの価格を付けてきた(当然ながら計画台数に届かず)。先日発表したクラリティPHEVなどアメリカより180万円高い価格だ。CR-Vも良いクルマなので適正な価格なら売れると思う。
CR-V 参考価格
◆1500ccターボ<EX>
FF:5人乗り 323万280円、7人乗り 342万1440円
4WD:5人乗り 344万6280円、7人乗り 363万7440円
<EXマスターピース>
FF:5人乗り 359万1000円、7人乗り 381万4550円
4WD:5人乗り 380万7000円、7人乗り 403万560円
◆CR-Vハイブリッド
<EX>
FF:5人乗り 378万4320円
4WD:5人乗り 400万320円
<EXマスターピース>
FF:5人乗り 414万5040円
4WD:5人乗り 436万1040円