日本ではあまり知られていない通好みの料理ベスト5
世界中の料理が集まり、フランス料理のレストランも多い日本ですが、まだ日本でそれほど知られていないだけで実はとても美味しい食材や料理がたくさんあります。そんな通好みの料理ベスト5をご紹介します。
■タルタル
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肉のフレッシュさとハーブ、スパイスがほどよくマッチ |
タルタルとは、生の牛肉を細かく切って、ハーブやスパイス、玉ねぎ、生の卵黄などを混ぜ合わせた料理のこと。生の牛肉を食べるという点では、韓国料理のユッケに似ていますね。タルタルといえば牛肉が基本ですが、タルタル・ド・ソモンといって、サーモンの生の切身を細かくしたものもあり、こちらのほうがこってりとしています。タルタルの生の牛肉のフレッシュな味わいは、身のしまった赤身の魚の刺身を食べているよう。さっぱりとした肉料理を食べたい時には是非これを。こちらではかなり人気の高いメニューとなっています。
■ジェジエ(鴨の砂肝)
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南西サラダ、左側の角切りになっているのがジェジエ |
砂肝というと焼き鳥屋さんで食べる鶏の砂肝を想像し、コリコリした食感を思い浮かべるかもしれません。しかし鶏と違って、鴨の砂肝は適度な歯ごたえのある肉で、身がギッシリと詰まり脂ものっていますが、贓物系特有の臭みが全くありません。このジェジエを味わいたかったら、食事系カフェなどでよく出されるサラダ・シュド・ウエスト(南西サラダ)をオーダーして下さい。トマトやレタス、ボテトなどの野菜に加え、鴨の胸肉とともにジェジエが入っており、鴨好きにはたまらないサラダです。
■ロニョン・ド・ヴォー(子牛の腎臓)
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プルプルした食感と存在感のある味 |
贓物系が続きますが、こちらはジェジエと違い、贓物特有のクセを持つ子牛の腎臓です。贓物系が苦手な人には少々難しいかもしれませんが、モツ鍋が好きな人にはおすすめです。一見マッシュルームのような形をしたロニョンは、赤ワインを使った濃厚なソースで煮込まれたものが多く、弾力のあるプルンとした食感がたまらない。一度食べたらまた食べたくなる、そんな後をひく美味しさがあります。
■リエット(豚肉のペースト)
パリとブルターニュ地方のちょうど真ん中あたりに位置する、耐久レースで有名な町ル・マン。ここの名物で、豚肉をほぐし、豚の脂とともに煮込みペースト状にしたものがリエットです。「ル・マンの町に入るとこのリエットの匂いがしてくる!」と言う人もいるほど。ツナをもっとこってりとさせたような食感で、豚肉から出る出汁と脂がなんとも言えず香ばしい。バゲットのパンにつけて食べるだけで、幸せな気分になります。
■ピジョン(ハト)
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鶏とはまた違った旨味があるハト |
日本でハトというと、どうしても公園に群がっているあの鳥さんたちを思い浮かべてしまい、尻込みしてしまいがち(ちなみにあの鳥さんたちはフランスにもたくさんいます)。料理に使われるハトは食用に飼育されているもので、そこらへんにいるハトをつかまえて食べるわけではないのでご安心を。しかも、他の家禽と比べて繁殖が大変難しい鳥なので、フランスでは希少価値のある高級食材として扱われています。
鶏よりも身が引き締まっているので噛みごたえがあり、野生の味が感じられるハトは、オーブンでシンプルに焼くローストがその旨味を最大限に引き出します。高級食材ですので、中級以上のレストランで出されることが多く、夏の終わりあたりのハトがよく太っていて美味です。