人生100年時代の生活設計と老後資産形成についてみていきましょう

人生100年時代の生活設計と老後資産形成についてみていきましょう

「人生100年時代」がやってくると言われています。平成30年(2018年)年7月に発表された2017年の日本人の平均寿命は女性が87.26歳、男性が81.09歳となり、ともに過去最高を更新しました(平成29年簡易生命表の概況/厚生労働省調べ)。

前年と比べると、女性は0.12歳、男性は0.11歳のプラスとなり、男女とも6年連続の延びとなっています。また、日常生活に制限のない期間である「健康寿命」は、現在、男女ともに70代前半ですが、近年の健康志向により、健康寿命も延びていくと言われています。
 
人生100年ということになれば、現在一般的に仕事をリタイアする人が多い60歳代以降も、その後に長い期間を過ごすことになります。もちろん健康に過ごすことが第一優先です。そして、次に、どう過ごすか、ということも大切になります。自分がその期間をどう過ごしたいのか、事前に考えておくこと、そしてそこに向けて備えておくことがこれからますます重要になるといえるでしょう。
 
今回は、人生100年時代の生活設計と老後資産形成についてみていきましょう。
 
<INDEX>
長い老後をどう過ごすか――ライフプランの必要性
生きがいとライフイベントと資金計画
老後資金準備の目標額
老後資金準備の前におさえておくこと
老後に向けた資産形成のポイント
自営業者の老後資金準備のポイント

 
 

長い老後をどう過ごすか――ライフプランの必要性

「長い老後をどう過ごすか」を考えるときに、ライフプラン全体を考えておくことが必要です。一般的には、ライフプランは「人生の設計図」です。私たちの人生には様々な出来事(「ライフイベント」と言います)が起こりますが、そのうち、一般的なライフイベントには、就職や結婚、子どもの誕生や住宅購入などが挙げられます。
 
近年では、ライフスタイルの多様化により、ライフイベントも人によって様々に異なっています。また自分のイメージする理想の将来や夢を実現していくためにも、自分にはどんなライフイベントが考えられるのか、またそれらのイベントをいつ実現していくのかなど、計画していくことがライフプランにつながります。
 
さらに、人生100年時代になると、ライフイベント上でも長い老後期間をどう過ごしたいのかという生きがいに関連するイベントを考えることが必要になっていきます。
ライフプラン=人生の設計図

ライフプラン=人生の設計図

ライフプランは大きく捉えて、3つの要素から成り立っています。まず「自分の生きがいは何か」、「将来やりたいことは何か」を自分自身に問いかける心のプランをもつことが大切でしょう。これが充実した老後へと繋がるのか、それとも孤独な老後となってしまうのかの分かれ道になります。またもちろん健康のプランも必要です。健康であれば、やりたいことができますが、病気になってしまうとそれも叶いません。そして、最後が「お金のプラン」。健康で充実した人生を送るためにはある程度のお金が必要であり、それは早い時期からの資金計画にかかっていることになります。
 

生きがいとライフイベントと資金計画

ある調査によると(※1)、65歳以上の人のうち、自由に使える時間が十分にあると思っている人は男女ともに5割を超えています。また、仕事を辞めたあとの出来事については、「特に問題はなかった」という人も多い中、「経済的に苦しくなった」、「時間をもてあました」、「健康や体力の衰え」、「生きがいがなくなった」という人も見られます。
※1:公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構「第6回サラリーマンの生活と生きがいに関する調査」より
 
この結果から、老後の時期を迎えるときに特に問題がないといえるよう、たくさんある自由な時間をどう過ごすか、そのために生きがいといえるものを何か見つけておくこと、もちろん健康や体力を維持しておくこと、さらには、生きがいや健康を充実させるために経済的にも備えをしておくことが重要だとわかります。
 
では、どのようなことに生きがいを感じるのでしょうか? 前述の調査の「65歳以上の人の生きがい」に着目すると、仕事を生きがいと感じる人が減る一方で、趣味やスポーツ、社会活動や人との交流、自然とのふれあい、健康づくりなどに生きがいを感じる人が増えています。特に、趣味について生きがいを感じている人が最も多いようです。
 
このように、長い老後期間を自分に合った生きがいをもって、健康的に過ごすことが理想です。そのためには、計画性とある程度のお金も必要になります。
 
60代の人が50歳前後にもっと取り組んでおけばよかったと思うことの第1位が「老後のための資金準備」という調査(※2)もあり、その割合は4割近くになっています。さらに同調査によると、貯蓄額が多い人ほど「健康状態が良い」、「生きがいを感じている」割合が高い傾向があり、高齢期の生活に向けた計画的な資金準備が、健康や生きがいに密接に関連しているということがわかります。
※2:明治安田生活福祉研究所「セカンドライフの生活設計に関する調査」(2016年9月17日)より
 
長生きは大変喜ばしいことです。しかしながら、それは老後の生活費を必要とする期間が長期化することも意味しています。そのため、最近では経済的に長生きはひとつのリスクと捉えられ、長生きリスクに備えた老後資金準備の必要性が謳われています。つまり、長生きすることがリスクにならないように備えておくことが今後ますます重要となるのです。
 
そのためにはまず、将来やりたいことや夢、ライフイベントなどを自由に書いてみるとよいでしょう。
 
まずは年代(ライフステージ)ごとに計画表を作成してみましょう。定期的に見直しをしていけばよいので、まずは、思いつく範囲で自由に入れてみて構いません。またその際、それぞれのライフイベントにかかるおおよそのお金も入れてみるとよいでしょう。
ライフステージごとのライフイベントと資金計画表(例)

ライフステージごとのライフイベントと資金計画表(例)

そのようなライフイベントの中で、特に大きな資金を必要とし、多くの人に共通する「住宅資金」、「教育資金」、「老後資金」は、「人生の三大資金」と呼ばれています。そのうち「老後資金」については、長生き社会を考えたとき、一般的に誰にでも必要な時期がやってくるのですが、どうしても準備を後回しにしがちです。次に、この老後資金準備についてみていきましょう。
ライフイベントと人生の三大資金

ライフイベントと人生の三大資金