ミュージカル/注目のミュージカルレビュー・開幕レポート

2018年9月の注目!ミュージカル(3ページ目)

残暑の候、ミュージカル界では話題作が次々、立ち上がってきています。今月も『シティ・オブ・エンジェルス』『マリー・アントワネット』はじめ、見逃せない舞台を紹介。取材記事や観劇レポートを少しずつ掲載していきますので、どうぞお楽しみに!

松島 まり乃

執筆者:松島 まり乃

ミュージカルガイド

 

『マリー・アントワネット』製作発表レポート(9月2日)

 
都内ホテルにて行われた製作発表には、マスコミ・関係者のほか1万人の応募の中から抽選で選ばれた400名のオーディエンスが参加。期待高まる中、さっそく壇上にキャスト7名が上り、一気に場が華やぎます。ここで初演の立ち上げから本作に関わってきたプロデューサー、岡本義次さんよりキャストそれぞれについての紹介が。
 
岡本プロデューサーが語る“最強の布陣”
『マリー・アントワネット』製作発表にて、岡本義次プロデューサー。(C)Marino Matsushima

『マリー・アントワネット』製作発表にて、岡本義次プロデューサー。(C)Marino Matsushima


マリー・アントワネット役・花總まりさんについて「言うまでもなく我々のエリザベートであり、クイーン・エリザベスであり、今回はマリー・アントワネット。いわば東宝ミュージカルの王妃シリーズのタイトルロールを演じ続けています。実は最初にこの作品を企画した際、キャストの話をしていて、クンツェ、リーバイさんから当時、宝塚でエリザベートを演じていた花總さんの名前が上がりました。しかし当時は宝塚に在団中で出演交渉をするわけにもいかず、見送らざるをえなかったのですが、今ここにマリー・アントワネットとして座っていただいていることが感無量であります」
プロデューサーからの紹介の言葉を謙虚に受け止める花總まりさん。(C)Marino Matsushima

プロデューサーからの紹介の言葉を謙虚に受け止める花總まりさん。(C)Marino Matsushima

マリー・アントワネット役・笹本玲奈さんについて「歌唱力・演技力とともに、この役で大事なことの一つがドレスを美しく着こなすということで、玲奈さんを思いつきました。出演交渉をしたときには出産前でふっくらされており、マネジャーに“大丈夫?”と聞いた記憶があります(笑)。もちろん出産を経て本作のスチール撮影に入るときには、素敵な体型に戻りました。彼女は初演でマルグリット・アルノーを演じ、十数年の時を経て一人の女優がもう一人のMAを演じるということを、僕の中で一つの物語として嬉しく思っています」

マルグリット・アルノ―役・ソニンさんについて「彼女はアグレッシブにして繊細。稽古ではいつも予習復習を繰り返しています。『1789』でも革命に身を投じて民衆を扇動する役を演じていましたが、歌の力強さはもちろん、行動力ある女性ということではソニン、とどのプロデューサーも考えるのかなと思います」
ひたすら考え、生まれて来た役の位置づけについて語るソニンさん。(C)Marino Matsushima

ひたすら考え、生まれて来た役の位置づけについて語るソニンさん。(C)Marino Matsushima

マルグリット・アルノ―役・昆夏美さんについて「初めて一緒にした仕事は井上芳雄さん主演の『ハムレット』で、オフィーリアを演じてもらいました。この『ハムレット』の韓国版を演出したのが、今回の『マリー・アントワネット』を演出しているロバート・ヨハンソン。彼は作品立ち上げに深くかかわっていたので東京の『ハムレット』も観に来てもらいました。それが彼と私との出会いです。

その後、夏美のコンサートで「100万のキャンドル」を歌うのを聞いたことがあります。いつかそれを本公演で聞きたいなと思っていたのが今回、ようやく実現しました。当然ながら当時よりはるかに上手くなっている筈です。ですよね?(笑)」

フェルセン役・田代万里生さんについて「フェルセンは『ベルばら』に代表されるように貴公子のイメージがありますので、イケメン縛りがあり(笑)、キャスティングに苦労するところです。万里生君は普段から話している時に育ちの良さを感じさせる青年で、『グレート・ギャツビー』では、(演出の)小池修一郎さんが、ニックという役はアイビー・リーグの出身だから、知性を感じさせなくちゃいけないとおっしゃったので、万里生君にオファーしたのを覚えています。それに加え、皆さんご存知のように音楽学校出身で歌唱力に定評あるところです」
穏やかに明快に、新鮮なフェルセン像を語った田代万里生さん。(C)Marino Matsushima

穏やかに明快に、新鮮なフェルセン像を語った田代万里生さん。(C)Marino Matsushima

フェルセン役・古川雄大さんについて「ロミオを演じモーツァルトを演じ、今や日本のミュージカル界のトップランナーとして走り続けている雄大です。歌唱力も、シビアなリーヴァイさんのオーディションをパスして、お客様からも絶賛を浴びました。

彼は本当に勉強熱心で、帝劇のプロデューサー室には公演記録を撮るビデオの再生装置があるのですが、我々には“雄大タイム”というのがあって、公演が終わると雄大が必ず自分の出演場面をチェックに来るんですね。いつも24時間芝居のことばかり考えていて、演技オタクというくらい真面目な子です。貴公子然という雰囲気では雄大君はフェルセンそのままだと思います」

オルレアン公役・吉原光夫さんについて「『レ・ミゼラブル』のジャベール、ジャン・バルジャンを演じていますが、僕は光夫君のジャベールが大好きで、背後に青白い炎のが見えるようなジャベール。好きだと光夫君に言い続けています。

3年ほど前にソウルで本作を観た時、オルレアン公をやっていたのが日本でバルジャンを演じたことのあるキム・ジュンヒョンさん。彼を観ながら、この役を日本では光夫君にやってもらいたいなと思いました。クリエに出ていた時、その楽屋でオファーしたのを覚えています。最初に出会ったのは『シスター・アクト』でしたが、彼が舞台に出てくるといつも演劇が始まる、そういうものを感じさせてくれる俳優です」
物語世界と現代日本社会の比較論でオーディエンスを唸らせた吉原光夫さん。(C)Marino Matsushima

物語世界と現代日本社会の比較論でオーディエンスを唸らせた吉原光夫さん。(C)Marino Matsushima


キャストそれぞれが語る、作品への思い
 
岡本プロデューサーの愛情と期待に満ちた紹介に続いては、キャストの皆さんのご挨拶。

花總さん「先ほど、初演の時から名前を挙げていただいたとお話があり、再演で役を与えてくださったことは非常に光栄なことと思いますし、身の引き締まる思いです。最後まで一生懸命頑張りたいと思います」

笹本さん「初演でマルグリットという、マリー・アントワネットとは正反対の立場の役をさせていただき、今回はマリー役で作品に戻って来ることが出来、とても嬉しく思っています。私は小さいころから、いつか帝国劇場で大きなドレスを着てお芝居をしたいというのが夢でした。叶えてくださったプロデューサーはじめ、東宝の方たちに感謝しています。体型も戻りましたし(笑)、きっとドレスを着て最後まで(舞台に)立つことができるよう頑張ります」
子育て経験が生きた(?!)“気づき”を役作りに活かす笹本玲奈さん。(C)Marino Matsushima

子育て経験が生きた(?!)“気づき”を役作りに活かす笹本玲奈さん。(C)Marino Matsushima

ソニンさん「もう一人のMA役ということで大役だと、光栄に思いながら稽古場に立っています。マルグリットは作品中唯一架空の人物。作品の持つメッセージを現代の皆さんに伝える役目だなとも思っています。というのもあるし、稽古場でやってるなかでひたすら心が病んでゆくという(笑)、メンタル含め、出番もすごく多いし、曲もパワーのいる曲ばかりで、それに負けじと、カンパニーの皆さんの力も借りつつ、セラピーも受けつつ、1月までお届けできればと思っていますので、ぜひ応援してください」

昆さん「こんなにたくさんのオーディエンスを前にして、12年ぶりの上演ということで楽しみにしていた方がたくさんいらっしゃるのだなと感じます。私自身、本作の大ファンで、いつ再演するんだろうと思っていたので、今回の自身の出演には驚きながらも感謝しながら稽古しています。マルグリットは一つの信念をもって登場するけれど、物語の中で変化していく。ダイナミックさと繊細さが必要な役柄と思っています。最後までもがきながら演じたいと思っています」
もともと本作のファンだったという昆夏美さん。(C)Marino Matsushima

もともと本作のファンだったという昆夏美さん。(C)Marino Matsushima

田代さん「素敵なお役をいただき、しっかり責任を果たしたいと思いながら稽古しています。初演の時にはまだミュージカル・デビューをしていなかったので、ゼロからの出会いですが、初演からは台本も音楽も大幅に変わっているそうです。フェルセンの回想から始まり、プロローグとエピローグがある。初演に出演していた井上芳雄さんが先日、稽古場にいらして数十分見学され、お帰りになるとき“どうでした?”と尋ねたら”ほとんど知らない曲だった”(笑)。それくらい新鮮に見てくださったようです。

目を覆いたくなる場面もたくさんありますが、ただの歴史大河ミュージカルではなく、この時代だからこそ届けたいメッセージが最後に色濃く出た台本ではないかと思います。子役が6人いるのですが、稽古で二日連続、涙が止まらなくなっていまして、(子供にはわからない部分も多い内容なのに)何かを感じ取ってくれている。作品がしっかり育ってきているんだなと思います。劇場で皆さんとお会いできるのを楽しみにしています」

古川さん「さきほどこの衣裳を着て待っていたら、光夫さんに“君だけ(『花より男子』の)道明寺みたいだね”と言われました。万里生さんの衣裳を見てびっくりしたんですけど、この衣裳のように、違いのあるフェルセンを演じられるよう頑張っていきたいです」
クールな表情ですが発するコメントには演劇熱とユーモアが満ちる古川雄大さん。(C)Marino Matsushima

クールな表情の古川雄大さんですが、発するコメントには演劇熱とユーモアが。(C)Marino Matsushima

吉原さん「本当はフェルセンをやりたかったんですけど遠い役だなと思って、今稽古を見ていてやっぱり遠いなと(笑)。僕は遠藤周作さんのファンですが、(今回は)12年前より遠藤さんのテイストを飛び越え、現代のお客様に届けられるよう構成されていると思います。

本作のような暗い話を、なぜ今やるのか。マリー・アントワネットはこの世で初めてメディア、今で言えばSNSで中傷され、嘘偽りで殺された人。現代もそういうものは多い気がするけれど、彼女は首を切られても芯の通った強さがあった。そんな生きる力を(演じる)二人から感じます。

今は地面のゆるい世の中で、メディアがこういえば皆あっちにいったりこっちにいったり。そんな中で自分とは何だろうかと考えさせられ、野心をもって何かを目指していた男として、オルレアン公をしっかり演じたいと思います。また今回は素晴らしい座組で、こんな僕と仲良くやってくれる。このチームでやれることに感謝しています」
 
日本で“フランス革命ミュージカル”が人気の理由は?
 
ここでメディアからの質問タイム。第一問は「日本ではフランス革命関連のミュージカルが人気ですが、その理由についてどうお考えですか?」

花總さん「フランス革命は、激動の時代に市民や王族の思いが複雑に絡み合って起こったもので、今の人にも響くものがあると思います。そういったことを考えさせる(題材な)のかなと思います」
息の合った歌唱に幸福と哀感が同居する「あなたへ続く道」(C)Marino Matsushima

息の合った歌唱に幸福と哀感が同居する「あなたへ続く道」(C)Marino Matsushima

笹本さん「『ベルばら』のヒットがきっかけだとは思います。また小学校の歴史の教科書にもマリー・アントワネットの名前が出てきて認知度が高いですし、韓国ドラマのような恋愛模様の側面もあるし、衣裳も素敵。(ビジュアルの)華やかさの魅力もあるのではないかと思います」

ソニンさん「(一口にフランス革命といっても)作品ごとに切り取り方は違うと思います。『1789』に出演していた時は、革命側は英雄視されていましたが、今回は恐怖政治の狂気や残虐さが色濃く書かれています。(演出の)ロバートが“フランス革命は世界で最悪の革命と言われている”と言っていて、“私、この前まで革命を信じて戦って来たのに”と衝撃的でした(笑)。人々が革命に酔いしれて、自分を見失っている時点を描いているのが本作。そういう意味では、本作は(『1789』とは)全然違うフランス革命を体現しています。日本のお客様は深みを見る方ばかりなので、そこに面白みを感じているんじゃないかなと思います」
革命への決意を迫力たっぷりに歌い上げるナンバー「もう許さない」(C)Marino Matsushima

革命への決意を迫力たっぷりに歌い上げる「もう許さない」(初演のナンバー「心の声」をブラッシュアップしたナンバー)(C)Marino Matsushima

昆さん「私が稽古場で感じているのは、貧困や恨みが一つの方向に突き進む怖さで、稽古場での暴動のシーンは本当に怖いです。一人一人は信念をもって進んでいるけど、傍から見ていると狂気でしかなく見える。それが本当にあったんだと感じています。貧困ではなくても、あるコミュニティが一つの方向に行くことはよく起こると思うんです。遠いようで何か身近に感じられ、本当にこういうことがあったんだと感じます」

田代さん「改めてフランス革命を調べていくと、(当事者たちは)互いを、また自分が何者かを知らないまま向き合っていたし、正義と信じたものがとんでもないことだったりしていた。現代でも紛争などが起こる中で、“もっと違う道があったのでは”と、誰もが分かりやすく感じられる題材ではないかと思います。それは決して遠い国のことではなく、もし自分がこの状況に置かれたならどう判断するかと考える、いい機会になると思います」
夢見がちなアントワネットに対して”きちんと現実を見てほしい”と訴える新曲「遠い稲妻」(C)Marino Matsushima

夢見がちなアントワネットに対して”きちんと現実を見てほしい”と訴える新曲「遠い稲妻」(C)Marino Matsushima

古川さん「この時代はめまぐるしく変化していて、ドラマティックになりやすいのかなと思います。『1789』ではロベスピエール役で革命を目指していましたが、昨日の通し稽古を見てマリーが責められるところで本当に胸が苦しくなったし、お客様の心を動かすものがあるんじゃないかと思います。フェルセンの立場から言うと、禁断の愛はみんなしたいのではないでしょうか(笑)」

吉原さん「今でも誰もが、居酒屋とかで、(実際には)絶対しない革命の話をしていると思うんですよ。“あの上司殺してやる”とか“こういう噂流して”とか(笑)。フランス革命もそういうものから火がついていった。そのうねりと今、お客様が見ている社会って重なる。僕は時代は女性が作ってきたと思っていて、浅はかに熱く生きた男に対して女性は感情的に憧れるし涙も流すけど生活は別、というところがフランス革命ではエネルギッシュに描かれていて見ていて飽きないし、きれい。日本だけでなく各国でも愛されている題材だと思います」
王位への執着を歌う「私こそがふさわしい」(C)Marino Matsushima

王位への執着を歌う「私こそがふさわしい」(C)Marino Matsushima


注目(してほしい)ポイントは?
 
続いての質問は「ご自身の役柄について、“ここを見てほしい”というポイントは?」 今回は回答順がこれまでとは逆になりました。

吉原さん「オルレアン公は野心を持ち、王になることにこだわっています。演出的にも衣裳も黒いのですが、悪が悪に見えると面白くないので、なぜ彼がそうしようとしたのか、どういう視点で世の中を見ていたのかというのがバックグラウンドに見えたら、舞台上で二重のエネルギーとして見えたら、天からオルレアン公が頷いてくれたら嬉しいなと思ってやっています。“悪”ではなく、リスペクトして演じています」

古川さん「フェルセンは“愛人”ですが、登場するときは彼女を守ろう、救い出そうという思いで登場していて、常にブレーキをかけようとしているが一緒でないときは常に葛藤している。そこから生まれる憂いを醸し出せたらと思っています」
自然に?同じ姿勢のフェルセンたち。(C)Marino Matsushima

自然に?同じポーズのフェルセンたち。(C)Marino Matsushima

田代さん「アントワネットを支えながらも時代の先を読んでいく。スウェーデンから派遣されている立場をわきまえ、抑制しながらも支えると言う役で、皆さんが思っている愛人とはちょっと違います。いわゆる“昼ドラ”的な愛人というより、“彼らはプラトニックな関係だったのでは。シーンによってはきょうだいのような愛情に見えるかも”とロバートは言っていました。マルグリットとのシーンも2,3あって、微妙な距離感だけど通じ合うものがあったり、というゆらぎを見てほしいです。オルレアン公とは2回くらい目を合わせるだけですが、対立の形になります。短いシーンも見逃さず、観ていただければと思います」

昆さん「マルグリットという人物については“正義”という言葉を思いつきます。正義とは何か、は作品テーマの一つでもあると思います。悩み、葛藤してゆくなかで、彼女の信念は揺らぎ、心情が変化していく。うまく構築していけばはまるはずだと信じて今、稽古していますが、まだまだあがいていきたいです」
庶民の生活の悲惨さを訴える「100万のキャンドル」(C)Marino Matsushima

庶民の生活の悲惨さを切々と訴える「100万のキャンドル」(C)Marino Matsushima

ソニンさん「今回ひたすら稽古場で、二人のMAがいる中でのマルグリットの位置を考えてきました。二人は対称的ですが、王妃対ストリートガールというだけでなく、マリーはヴェルサイユ宮殿というとても小さい世界でしかものを見てこなかった女性。対して、マルグリットはきっといろんなものを見てきている女性だと思うので、“目で勝負”したいなと思っています。その中で、彼女がマリー・アントワネットに出会って、欠けているものに気づき始める。それを繊細に描いていきたいと思っています」

笹本さん「マリー・アントワネットが14歳で嫁いでから命を落とすまで、最後まで捨てなかったのは誇り高さだと思います。資料を読んでいてヒントになったのが、彼女は4人の子供たちを自分の母乳で育てていたということ。王族は乳母に授乳させるのが当たり前だった中でのこだわり、芯の強さを感じたし、小さなヴェルサイユ宮殿の中でいろいろ決まり事があった中でも縛られまいと、自分らしい生き方を模索していた。フェルセンは彼女を“無邪気”と形容している部分があって、マリー・アントワネットは歴史上“悪女”と言われますが、実はすごくお人よしなところもあり、今回のマリー・アントワネットは人間らしい部分が描かれていて、それらを大切にしながら、最後まで誇り高さを保った女性として演じたいと思っています」
満たされぬ思いを切々と歌う新曲「孤独のドレス」。笹本さんとともに登場したリーヴァイ氏が自らピアノ伴奏を勤めた。(C)Marino Matsumoto

満たされぬ思いを切々と歌う新曲「孤独のドレス」。笹本さんとともに登場したリーヴァイ氏が自らピアノ伴奏を勤めた。(C)Marino Matsumoto

花總さん「フェルセンがマリー・アントワネットについて歌う歌詞の中で、“なぜ神は彼女にすべてを与え、最後に地獄を見せたのか”というのがあって、この歌詞が最初に聞いた時から耳から離れず、とても考えさせられました。劇中、マリー・アントワネットは一人の人として母親としてどんどん成長していく、常に前向きに。作品の中で変わっていくさまを自分なりに追求して、皆さんにいろいろなことを感じていただけたらと思います」
 
お一人ずつ、丁寧に語った後は歌唱披露。マルグリットの「100万のキャンドル」を昆夏美さんとアンサンブルの皆さん(小原和彦さん、中西勝之さん、榎本成志さん、杉山有大さん、真記子さん、今込楓さん、遠山さやかさん)、フェルセンの新曲「遠い稲妻」を田代万里生さん、オルレアン公の「私こそがふさわしい」を吉原光夫さん、アントワネットの新曲「孤独のドレス」を笹本玲奈さん、マルグリットの「もう許さない」をソニンさんとアンサンブルの皆さん、そしてアントワネットとフェルセンのデュエット「あなたへ続く道」を花總まりさんと古川雄大さんが、それぞれ本編さながらの迫力・情感で歌いあげました。
新版の日本開幕が楽しみだと言うリーヴァイ氏。博多、東京公演の双方を訪れる予定だという。(C)Marino Matsushima

新版の日本開幕が楽しみだと言うリーヴァイ氏。博多、東京公演の双方を訪れる予定だという。(C)Marino Matsushima

そしてリーヴァイ氏の「今回、新曲を加えて上演でき、嬉しく思っています。ぜひ御覧ください」との挨拶の後、皆でフォトセッション。キャスト、スタッフの皆さんの作品に対する熱い想いが伝わってくる、充実のひとときとなりました。

『マリー・アントワネット』公式HP

*次頁で『ジャージー・ボーイズ』をご紹介します!
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