なすの適切な保存方法とは?
全ての野菜に対して、同じ方法が通用するわけではないので野菜の育った環境や性質に合わせて保存してあげることが大事。ここではなすの特徴と合わせて適切な保存方法を知っていただけたらと思います。なすはインド原産。寒いのと乾燥が苦手。
なすは原産地が高温で多湿なインドなので、暑さに強く、乾燥に弱い野菜です。店頭では袋に入った状態で、常温で陳列されていることが多いのも、暑さに強く乾燥に弱いからです。そのため自宅で保存するときは乾燥しにくい環境で、夏場は野菜室、冬場は涼しい場所(常温)で保存することをおすすめします。また野菜室での保存は、低温障害に気をつけてあげましょう。
ちなみに鮮度のいいなすは、表面にシワが少なく、ヘタの切り口はみずみずしく、棘があります。また、鮮度の落ちたなすは、切ったときに果肉に黒っぽい種が目立って見られます。
こうしたことを踏まえて、理想的な保存の仕方はなすを1個ずつラップして保存。これを野菜室で保存する場合は低温にしすぎないよう、ペーパータオルや新聞紙などで包むとさらに◎。
まとめ
・1本ずつラップする(乾燥防止)
・新聞紙やキッチンペーパーで包んで野菜室へ(低温障害防止)
これが本当かどうか簡単な実験で検証してみたいと思います。尚、今回の実験は、個人的な興味で行ったもので、それほど厳密ではないので、個体差による結果かもしれないことをご理解の上、参考にしていただけたらと思います。
適切に保存したら、どの程度しなびないものなのか?
産直にて、同じ畑で収穫したばかりのなすを用意します。これを以下の4通りの保存方法を施します。- ラップし、新聞紙で包み、野菜室へ。
- 購入時の袋のまま野菜室へ。
- ラップし、新聞紙で包み常温(夏場の室内は冷房なしで30℃)
- 購入時の袋のまま常温(夏場の室内は冷房なしで30℃)
1日目のなす
買ってきたその日のなすは、茄子紺色の皮はつややかで、滑らか。ヘタ付近の棘も鋭く、触ると痛いほどで、切り口もみずみずしいものでした。これを縦の半分に切ると、果肉は白っぽいくてみずみずしく、種は黄色っぽいことが確認できます。3日目のなす
3日目のなすの状態を観察してみたいと思います。写真では分かりにくいかもしれませんが、1番右の【①ラップして野菜室で保存したなす】だけは皮がつややかで滑らか。他の3つは若干のシワが見られます。またヘタの棘は、1日目と比べると和らいでいます。それぞれを縦の半割りにしてみました。どのなすも、黄色っぽい種があるのが分かりますが、1日目のなすほどのみずみずしさはありませんが、ひどく劣化したというようなこともありませんでした。ちなみに味はそれほど差がありません。
1週間経ったなす
1週間後のなすの状態を観察してみたいと思います。写真では分かりにくいかもしれませんが、1番右の【①ラップして野菜室で保存したなす】が最も皮にツヤがあり、表面が滑らかです。【②袋入り野菜室なす】はツヤがないものの、皮は滑らか。【③ラップした常温なす】は皮にシワが寄って、果肉の表面がぶよぶよでハリがありません。【④袋入り常温なす】はシワが少しできて、ツヤがない状態でした。それぞれを縦の半割りにして中を見てみましょう。野菜室で保存した【①】と【②】は低温のせいか種の存在がハッキリと分かります。一方常温で保存した【③】と【④】は1日目と3日目のなすと中身がそれほど変わりませんでした。また、なすは空気に触れると、変色していくものですが、10分経ってもどれもそれほど変色しませんでした。
食べ比べたときも、常温保存してあったシワが目立つものは、歯触りが若干気になるような気がする程度で、これといってひどいレベルではありませんでした。
最後に
1週間後のなすは、種が黒くなったり、果肉がカスカスになってしまうことを予想していたのですが予想は覆されました。それでも常温保存のなすには表面にシワができたことと、野菜室保存のなすの果肉のタネがちょっと目立つようになったので、保存は3日前後までが限度かと思いました。なので野菜室がいっぱいで、どうしてもなすを収納しきれない場合は、袋に入れたまま常温保存して、できるだけ早めに消費するようにしましょう。また、野菜室保存が可能ならラップしたものを新聞紙などで包んで保存して1週間を目途に食べればいいと思います。
とはいえ、今回のなすは産直で購入してきたものなので、これ以上ないくらいのよい鮮度の状態で保存をスタートしました。一般的には流通に数日かけたなすが店頭に出回っていますので、そのことを踏まえて、なすを上手に保存していただけたらと思います。
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