犬にスイカを与えても大丈夫?
スイカは犬が食べられる?
<INDEX>
- スイカは犬に食べさせても大丈夫!種は取り除いて与えましょう
- スイカに含まれる成分はダイエットや熱中症対策が期待できる
- 犬の病気・薬とスイカの相性は今のところ問題ないが、アレルギーには注意を
- 犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安
スイカは犬に食べさせても大丈夫!種は取り除いて与えましょう
犬にスイカを食べさせる時は種と皮を取り除いて
スイカの皮に近い部分ほど栄養価が高いとの情報もありますが、一番外側の外皮は硬く、消化の点でも心配なので皮を剥いたものを食べさせるようにしましょう。
スイカの種の正確な成分はわかっていないようですが、細胞の活性を抑えたり老化を促進してしまうホルモンが含まれているという説があります。高温加熱や長時間水に浸すことで不活性化するとの情報もありますが、そこまでの手間をかけてスイカの種を犬に与えるメリットが今のところなく、消化に良いものではないので、取り除いてから食べさせるようにしてください。
人間用に作られたスイカのアイスやゼリーなどの加工品は、砂糖が多く含まれているだけでなく、スイカの種に見立てたチョコレートが使われていることもあります。犬の健康維持に適したものではないので、おすそわけは控えてください。
スイカに含まれる成分はダイエットや熱中症対策が期待できる
スイカに含まれる栄養素で犬の健康に期待できること
犬がスイカを食べた時の健康への働きについて、具体的な研究結果は存在していないようですが、含まれる栄養素から期待できる働きを2つお伝えします。
1:太ってしまった犬のダイエットに
犬にスイカのエキスを1ヶ月半~3ヶ月飲ませた結果、脂肪細胞から分泌される血清レプチンの濃度が減少したという報告があり、ラットでは肥満抑制につながったとの発表もあります。これは、スイカに含まれるシトルリンやリコピン、フラボノイド類といった成分の作用によるものと考えられます。
リコピンは赤肉スイカにのみ含まれているので、ダイエットに期待した場合は赤肉スイカを選ぶようにしましょう。
2:熱中症対策のサポートとして
約90%が水分のスイカは、水分補給のサポートにも活用できます。また、東洋医学の考えでは体の熱を取り除く作用があるため、水だけではなかなか飲んでくれない犬のおやつや、ドッグフードのトッピングとして食べさせてみる方法もおすすめです。
※犬の熱中症予防は食事管理以外にも、室温管理や暑くない時間に散歩をするなど総合的な対策を心がけてください。
犬の病気・薬とスイカの相性は今のところ問題ないが、アレルギーには注意を
スイカを食べない方がいい犬は?
「スイカにはシトルリンというアミノ酸が含まれています。シトルリンは血管拡張作用があり、血液循環が良くなることでむくみ改善や排尿促進が期待できます。また、”尿素回路”と呼ばれる代謝経路に関連し、アンモニアの代謝を行うことで疲労回復にも期待ができます。
インターネット上で、”スイカは犬の肝臓病や腎臓病にいい”と言う内容を見かけますが、おそらくこのシトルリンに関連したことをさしているのではないかと考えられます。
肝臓や腎臓の機能改善が認められるということではありませんので、誤解しないようにしましょう。
一部の研究で、”犬がスイカエキスを摂取したことにより尿沈渣中のストルバイト結晶やシュウ酸カルシウム結晶が軽減した”という報告もありますが、スイカのどの成分にそのような効果があったのかはわかっていないようです。まだまだ研究段階の情報ではありますが、スイカは今後に期待したい食材のひとつです。
スイカはカリウムを含んでいますが、その量はあまり多くありません。カリウムが多い食材は腎臓病や心臓病の犬、一部の利尿剤を飲んでいる犬は注意が必要になりますが、スイカに含まれるカリウムの量は薬や体質などで避ける必要がないレベルと言えます。
オナモミ、ニワトコ、ブタクサ、ヨモギ、ニンジンにアレルギーを持つ犬は交差反応(※)を示すことがあるようなので、控えるか食べさせるとしても少量に留めてください。
初めて食べさせる時には、様子を見ながら与えるようにしましょう。」
(※交差反応:アレルギー反応が出る対象物と分子構造が似ているまたは同じという理由で、別の食材や植物などにもアレルギー反応が出てしまうこと)
犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安
上記の表を参考にして、与えすぎないように注意してください。食物アレルギーはどのような食材でも反応する可能性があります。初めての食材を与える時は必ず少量ずつ与え、体調に変化がないか様子を見てくださいね。犬にスイカを食べさせても大丈夫?まとめ
- スイカは犬に与えることができる食材
- ダイエットや熱中症対策、疲労回復が期待できる
- 犬の病気・薬とスイカの相性は今のところ気にしないで大丈夫
- オナモミ、ニワトコ、ブタクサ、ヨモギ、ニンジンにアレルギーがある犬は要注意
【執筆協力】
丸田香緒里 獣医師
日本大学卒。動物病院勤務後、飼い主様にもっと近い存在になりたいと思い「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士など様々な資格を取得し、病院での診療や往診の他、セミナー講師やカウンセリング、企業との製品開発など活動は多岐にわたる。
ホームページ:http://animallifepartner.com/
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