パリ北部の小高い丘に位置する小さな村
ガイドがパリに来る人におススメを聞かれたら、真っ先に挙げるのがここモンマルトルです。二人の司祭が殉教した地として、「Mont des Martyrs(殉教者の地)」と名付けられたことが地名の由来となっています。19世紀末にはルノワール、ピカソ、ユトリロ、ゴッホといった名だたる画家たちがこぞってモンマルトルに移り住み、作品を制作しました。その名残はPlace Emile-Goudeauに隣接する「アトリエ洗濯船」で垣間見ることができます。
モンマルトルの丘方面の眺め
歴史的建造物あり、ショッピング街あり、ビューポイントありと充実しているパリ観光のマスト、モンマルトルの各スポットをご紹介していきたいと思います。
サクレ・クール寺院 La Basilique du Sacré Cœur de Montmartre
モンマルトルの象徴的存在であるサクレ・クール寺院は、3つのドームから成るビザンチン様式の白亜の教会。高さ83mと堂々とした姿は、夜になるとライトアップされ、パリの街中からも見ることができます。ドームへは螺旋階段で上ることもでき、かなりの体力を要しますが、頂上からの眺めは格別です。サクレ・クール寺院
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■La Basilique du Sacré Cœur de Montmartre
住所:Parvis de la Basilique 75018 Paris
電話:01 53 41 89 00
営業時間:6:00~22:30 ドームは8:30~20:00(5月から9月)9:00~17:00(10月~4月)
入場料:ドームは8ユーロ
無休
テルトル広場 Place du Tertre
賑やかなテルトル広場では画家たちがたくさん集まっており、パリの街並みを描いた絵を売っていたり、似顔絵を描いたりしていて「芸術の都パリ」を実感できます。もし作品や似顔絵に興味があるなら、しっかりと値段交渉をしつつ思い出の1枚をゲットしてみては。似顔絵描きは観光客と見るとしつこく声をかけてくるので難しいですが、あまり調子を合わせすぎず適当にあしらうのがベストです。似顔絵に興味がない場合はキッパリと「No thank you」「Non merci(ノンメルシー)」と断ってください。テルトル広場にはカフェも集まっています。テラスで広場を眺めながらお茶やランチをしてゆっくりとした時間を過ごすのも素敵です。
映画「アメリ」ゆかりのスポット
映画「アメリ」(画像はAmazonより http://amzn.asia/fSd9dD7)
モンマルトルには「アメリ」のロケ地が多く集まっています。中でも、主人公アメリが働いていたカフェ、通っていた八百屋はアメリのポスターやグッズが飾られていたりして、気分を盛り上げてくれます。メリーゴーラウンドがあるサクレ・クール寺院前の広場の麓も、映画の中で重要な場所になっていますので、アメリファンは必訪です。
カフェ・デ・ドゥ・ムーラン Café des deux Moulins
アメリが働くカフェ「Café des deux Moulins」は、西のルピック通りにあります。店内は映画のポスターが貼られており、タバコ屋はありませんが、カウンターは健在。是非、こちらでアメリの大好物クレーム・ブリュレを味わってください。また、アメリの世界を表現したディスプレイが印象的なトイレも必見です。<DATA>
■Café des deux Moulins
住所:15, rue Lepic 75018 Paris
電話:01 42 54 90 50
営業時間:7:30~翌2:00 土・日曜は8:00~
無休
アクセス:メトロ2号線Blancheより徒歩3分
八百屋 Au Marché de la Butte(劇中では「Maison Collignon(メゾン・コリニョン)」)
劇中で出てくるアメリが通う八百屋も、モンマルトルに実在しています。アトリエ洗濯船がある広場から東のrue des Trois Freresに少し入るとあります。店は映画のポスターやポストカードで埋め尽くされおり、アメリの名前「Amelie Poulain」の元ネタとなったチョコレート「Poulain」が売られていたりして、映画の世界が楽しめます。<DATA>
■Au Marché de la Butte
住所:56, rue des Trois Frères 75018 Paris
電話:01 42 64 86 30
営業時間:9:00~23:00
無休
アクセス:メトロ12号線Abbessesより徒歩3分
おすすめカフェ・レストラン
モンマルトルには数多くの魅力的な飲食店が集まっています。サクレ・クール寺院に行くまでの道「rue Norvins」にはパンやスイーツ、軽食を売っている店が集まっており、アベス通りやルピック通りといった商店街には、カフェやレストランがひしめいています。そんな中でも、ガイドおすすめのお店をご紹介します。ル・ルレ・ガスコン Le Relais Gascon
アベス通りに2店舗を構える大人気レストラン「Le Relais Gascon」。南西料理を中心に、フランスの伝統的な料理が一通り揃っています。ステーキの他、鴨のコンフィや牛肉のワイン煮込みなど、ボリュームたっぷりの肉料理が食べられます。ここでガイドが特におススメなのは、「Salades Geantes」という大きいサラダ。一皿で十分満足でき、フォアグラ入りや砂肝入りなどが選べて、ニンニクでソテーしたポテトが添えられていてとても美味です。
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■Le Relais Gascon
住所:6, rue des Abbess 75018 Paris/13, rue Joseph de Maistre 75018 Paris
TEL:01 42 58 58 22
営業時間:10:00~翌2:00
無休
アクセス:Abbesses(メトロ12)より徒歩1分
メニュー:南西サラダ13.9ユーロ
カフェ・ミロワール Café Miroir
コース料理を出すビストロだったMiroirが、ノンストップサービスのカフェとして生まれ変わりました。アベス通りからほど近く、モンマルトル観光の途中にランチ、お茶、ディナーに立ち寄るのに便利な場所にあります。料理はアラン・デュカスの元で修行したこともあるシェフによる、モダンなフレンチ。素材にこだわり、ワインやビールとのマリアージュも楽しめます。
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■Café Miroir
住所:94, rue des Martyrs 75018 Paris
電話:01 46 06 50 73
営業時間:8:00~22:00
定休日:日曜、月曜
アクセス:Abbesses(メトロ12)より徒歩3分
モンマルトルのワイン祭り Fete des Vendages
もし、10月上旬にパリにいることがあるなら、ぜひ毎年開催されるモンマルトルのワイン祭りに行ってみてください。サクレ・クール寺院周辺の道路にワインのみならず、地方や外国のお酒やグルメの出店が出てとても賑やかになります。土曜日の夜には花火も上がります。この時は、サクレ・クール寺院前の広場は大変混雑するので、特に荷物に注意を払ってくださいね。
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■Fete des vendages
毎年10月の第2水曜~日曜の5日間
モンマルトルの治安
実は、18区はパリの中でも治安があまり良くないと言われている地区です。日中は観光客が多く集まるので、危険な雰囲気を感じることはそれほどないと思いますが、むしろ混雑を狙ったスリやひったくりに注意しましょう。また夜は、特にサクレ・クール寺院周辺は人の数がぐっと減りますので、女性の一人歩きは慎重に。ただ、夜でもアベス通りやルピック通りといった商店街は飲食店も多く賑やかで、それほど危険な雰囲気はありませんが、常に注意は心がけてください。
モンマルトルのモデルコース
モンマルトルはパリで一番高い丘に位置しているので、メトロも高い位置にある駅「Lamarck Caulaincourt(12号線)」で下車し、下りながら回るのがおすすめです。また、丘の麓の駅「Anvers(2号線)」からアクセスする場合は、丘を上り下りするケーブルカー「Funiculaire」利用も、メトロチケット1枚で利用できるので便利です。高低差との効率を考慮した場合の理想的なモデルコースは以下の通り。
1. Lamarck Caulaincourt(12号線)」で下車
2. シャンソニエ「ラパン・アジル」とモンマルトル唯一のぶどう畑
3. テルトル広場
4. サクレ・クール寺院
5. アトリエ洗濯船のあるPlace Emile Goudeau、アメリの八百屋「Au Marché de la Buttes」
6. アベス通り、ジュテームの壁
7. ルピック通り、アメリのカフェ「Café des Deux Moulins」
8. ムーラン・ルージュ
夜はムーランルージュのショーを見るのもいいですね。
それでは皆さん、ボンソワレ!(楽しい夜を!)