勤務年数別!退職金の相場を会社規模や地方別に比較してみました

勤務年数別退職金相場を規模や地方別に比較

勤務年数別退職金相場を規模や地方別に比較


退職金は、会社から退職した人に支払われるお金のことです。退職金には長い歴史があり、江戸時代の「のれん分け」が起源と言われています。退職金といえば、定年退職時に一括で支払われる退職一時金の印象が強いのですが、退職一時金のほかにも、確定給付年金や確定拠出年金のように年金として受け取る退職金もあります。

退職金のことを意識するのは、就職・転職先を選ぶとき、あるいは定年退職が近づいた時くらいでしょうか。しかし、転職・退職・起業の予定が当面ない場合でも、退職金は人生計画を立てる上で非常に大きな影響力を持つので、勤務先の退職金規程やご自身の退職金がいくらになるのかを確認しておきましょう。
 

勤務年数別・退職金の相場はいくら?

勤続年数別の退職金相場は?今退職するといくらになる?

東京都の中小企業勤続年数別退職金


東京都にある中小企業の勤続年数別のモデル退職金の一覧です。
モデル退職金というのは、学校卒業後に入社し、標準的な昇進をした場合の退職金の水準です。

東京都の場合は、300人未満の事業者(中小企業)を対象とした調査を行っており、約1,000社のデータを基にモデル退職金が算出されています。

表を見ての通り、勤務年数を重ねるごとに退職金額は増えていくのが一般的です。
例えば、大学卒の人が勤続15年で自己都合退職した場合の退職金額は、229万8千円ということになります。折れ線グラフにすると勤務年数に応じた退職金額の伸びがわかりやすくなります。
勤続年数別退職金額の相場、今退職すると退職金はいくら

勤務年数別退職金額グラフ(自己都合退職)

 

福岡県の中小企業の退職金と比較してみました。

次に東京と地方都市の勤続年数別の退職金額を比べてみます。
勤続年数別の退職金(福岡県の中小企業で自己都合退職の場合)

勤続年数別の退職金(福岡県の中小企業で自己都合退職の場合)


大学卒の場合、勤続年数5年を除いては東京の退職金の方が高く、年数が経過するごとに差は広がっているのに対し、高校卒では勤続25年目まで福岡の退職金が上回っており、勤続30年で東京が逆転しています。
 

退職の分類

ここまで自己都合退職金額のデータを見比べてきましたが、退職は、「定年退職」、「会社都合退職」、「自己都合退職」の3つに分類できます。

<定年退職>
定年制度で定められた年齢の到来による退職のことです。定年制を設けている会社は全体の約95%あり、うち8割程が60歳定年です。平成17年の調査では60歳定年の割合が9割を超えていましたので、定年の年齢は上がっているようです
(出典:厚生労働省『平成29年就労条件総合調査』)。

<会社都合退職>
会社側の都合による退職。例えば、経営不振・業績悪化によるリストラで労働契約を解除されることなどです。早期希望退職など、自己都合退職と比べて退職金が割り増しで支払われることがあります。

<自己都合退職>
転職、引越しや結婚など自分の意思や都合で退職することです。
 

会社都合退職と自己都合退職の退職金の比較

では自己都合と会社都合の退職金額の差を見てみましょう。下表は東京都・大卒の勤務年数別退職金額の比較と、減額率をまとめたものです。


東京都・大卒の場合
会社都合退職と自己都合退職の退職金の比較

自己都合退職と会社都合退職の退職金比較


自己都合退職の退職金額は会社都合と比べて少ないことがわかります。また、自己都合の減額率(黄色い網掛部分)の割合が小さくなっているということは、勤務年数が長くなるにつれ、自己都合と会社都合の差が縮まっているということを表します。
 

退職金給付は会社の義務ではない

退職金給付は企業の義務ではないため退職金制度が無い企業もあります。厚生労働省の『就労条件総合調査結果』によると退職金制度がある企業の割合は、2018年の調査では80.5%、前回調査(平成25年)の75.5%と比べると、退職金制度のある会社が増えています。
 
退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合とその変化

退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合とその変化


企業規模別にみると、1000人以上が92.3%、300~999人が91.8%、100~299人が84.9%、30~99人が77.6%と規模が大きくなるほど退職金(一時金・年金)制度がある企業割合が高くなっていますが、この5年間で中小企業の退職金制度があるという割合が大きく増えています。

ちなみに日本全国にある事業者数は、中小企業庁によると382万(2014年)あり、そのうち中小企業・小規模事業者は380.9万と99.7%を占めています。
 

大企業の勤続年数別の退職金

最後に大企業と中小企業の差を比べてみます。次の表は、資本金5億円以上、労働者1000人以上の企業のうち、中央労働委員会が独自に選定した380社が対象のモデル退職金です。先に紹介した中小企業と比べると、勤続30年の時には退職金額が2倍以上になっています。
大企業の勤続年数別退職金

大企業の勤続年数別退職金


福岡県の大企業はどうでしょうか。前者のデータと比べ、勤続年数が長い時の退職金が少ないです。大企業は中小企業以上に地域差が大きいのでしょうか?
大企業の勤続年数別退職金福岡

大企業の勤続年数別退職金(福岡)


そうではないようです。
福岡県の統計では、大企業の範囲を従業員数300人以上としているため、中央労働委員会の調査対象とは、企業規模が異なっていました。数字の根拠や出どころに気を付けないといけませんね。
 

おわりに

勤続年数別の退職金相場をご紹介しました。退職金はライフプランを立てる上で重要です。
この機会に勤務先の退職金規程やご自身の退職金がいくらになるのかをチェックしておきましょう。
 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。