腕時計好きや洒落者たちから支持を得るハミルトンとは?
1892年、アメリカ・ペンシルバニア州ランカスターで産声を上げたハミルトン。その名が広く知られるようになったのはアメリカの鉄道草創期のことです。国が鉄道建設に取り組む中、ハミルトンは精密な時計の供給を開始。その正確な鉄道時計は鉄道事故防止につながると言われ、一気に評判を呼ぶこととなりました。また、ハミルトンといえば映画界に愛されるブランドとしても有名です。『ダイ・ハード』や『メン・イン・ブラック』、『インターステラー』といった名だたるハリウッド映画に登場し、その数なんと450本以上に及びます。映画での注目を浴びたことでその名は世界中へと広まり、世界的なブランドへと成り上がっていったのです。
アメリカで生まれたハミルトンは1974年を境にスウォッチ・グループへと加わり、2003年には製造拠点を時計の本場、スイスへと移します。時計における最高級の技術を持つスイスと、歴史を刻んできたアメリカの融合が現在のハミルトンの大きな魅力となっています。
ハミルトンを語る上で欠かせない名作ミリタリーウォッチ「カーキ」
ハミルトンの歴史と伝統が詰まった名機「カーキ」。その出自は第二次世界大戦時にアメリカ政府による要請でミリタリーウォッチを生産したことに起因します。その経験による技術に、現代的な解釈やデザイン性を落とし込んだシリーズが「カーキ」です。
昨今の移り変わる腕時計トレンドにおいても、常にファッションウォッチとして定番の地位を確立し続けるミリタリーウォッチ。武骨なケースやファブリックベルトに対して、繊細な文字盤デザインや正確性を求める機能を搭載するという、まさに男性を表現している腕時計と言え、そこに我々は惹かれているのでしょう。
そんなミリタリーウォッチを最前線で牽引している「カーキ」は、シリーズによってデザインや機能、価格帯も異なります。ここでは「カーキ」を代表する3つのシリーズとそのバリエーション、魅力に迫っていきます。
カーキの定番にして王道『カーキ フィールド』
「カーキ フィールド」シリーズは主に第二次世界大戦時に作られていたハミルトン製のミリタリーウォッチをルーツとしています。カーキの定番であり、“カーキといえばまずこれ!”と言えるシリーズです。
◆カーキ フィールド オート
第二次世界大戦でアメリカ陸軍が使用したハックウォッチをルーツとしたモデル。シンプルで視認性の高いグリーンカラーのダイヤルにキャンバスベルトというミリタリールーツに根ざしたルックスはブランドを代表するアイコニックな一本です。80時間という驚異のパワーリザーブを誇るオートマチックムーブメントを搭載。
◆カーキ フィールド メカ すべてのカーキのオリジナルと言えるのがこちらの手巻き式モデル。スイスメイドらしい現代的なテクノロジーをムーブメントに載せているオートに対し、メカは古き良き手巻きを貫いています。愛着の湧く原点を味わいたいのであればぜひ。
◆カーキ キング
初代誕生から30年以上、ファンから愛され続ける名作として君臨する「カーキ キング」。カーキ フィールドに似たオーセンティックなミリタリーウォッチをベースに、伝統のデイデイトデザインとリューズガードが特徴です。トラディショナルなミリタリーデザインと、優雅で高貴なモダンさを上手く融合させたモデルです。
高い防水性を誇る『カーキ ネイビー』
元々はアメリカ海軍特殊部隊の依頼で製作していたマリンクロノメーターやフロッグマンから始まったとされている「ネイビー」シリーズ。そのため、海を感じさせるデザインや高い防水機能を持つモデルを多数抱えています。◆カーキ ネイビー スキューバ オート
10気圧防水、ねじ込み式リューズ、回転ベゼルといった機能とデザインを施したタウンユース仕様のダイバーズウォッチ。ベゼルの1/4、針やインデックスにあしらったオレンジカラーやラバーストラップがポイントとなり、特に夏にうってつけのルックスに仕上がっています。
◆カーキ ネイビー オープンウォーター
◆カーキ ネイビー パイオニア マリンクロノメーターをモチーフに重厚感あふれるクラシカルな面持ちが特徴の「パイオニア」。シンプルながらほどよく主張する40mm径のサイズ感とステッチの入ったレザーベルトが品良く大人の手元へといざなってくれるでしょう。タイムレスに愛用できる名作のひとつです。
航空時計にルーツ『カーキ アビエーション』
航空時計、空軍時計の100年での進歩はハミルトンとともに歩んだといっても過言ではないほど密接な関係性があります。その経歴が認められ、国際航空連盟公認のレッドブル・エアレースにおいてオフィシャルタイムキーパーを務めるほどに。古き良きパイロットウォッチから最先端のアビエーションウォッチまで幅広く網羅したラインナップを誇ります。
◆カーキ パイロット
1940年代の空軍時計をモチーフとしたパイロットウォッチ。分・秒表示がメインのダイヤルデザイン、視認性の高いビッグフェイスなど当時のディテールを再現しています。これらは当時1マイルをわずか数十秒で飛行し、秒単位での判断が求められた空軍パイロットのために開発されたもの。歴史を感じさせる風貌にぐっとくるはずです。
◆カーキ アビエーション X-ウィンド GMT
◆カーキ アビエーション ワールドタイマークロノ
エアレースでの実戦と経験で生まれたホンモノのアビエーションウォッチです。エアレースパイロットでもあるニコラス・イワノフ氏との共同開発で生まれたこのモデルは、ハミルトン社の最新技術を詰め込み、高性能のクロノグラフとワールドタイマー機能を搭載。コックピットを小さくまとめたようなデザインは、男性ならではの嗜好にぴったり合うでしょう。
世界的な名作は他にも…ベンチュラ、ジャズマスター、アメリカン クラシック
ハミルトンには「カーキ」以外にも世界的な名作が存在します。◆ベンチュラ
ブランドの代名詞とも言える「ベンチュラ」は、故エルビス・プレスリーが愛用したことでも有名です。誕生から60年以上たった今でもなお斬新な、エッジの効いたトライアングルデザインが唯一無二の存在感を示してくれます。
◆ジャズマスター
ブランド創成期のアメリカのジャズシーンをイメージソースにした「ジャズマスター」は、古き良きアメリカの風情を感じさせるラインナップが魅力。繊細なデザインや重厚感のあるディテールで、洗練された大人にふさわしいドレスウォッチが揃います。
◆アメリカン クラシック
これまでのハミルトンが持つ120年以上の歴史を表現する「アメリカン クラシック」もファンの多いシリーズ。創業当時からのアメリカのカルチャーなどから着想を得たモデルの数々は、時代を超えて愛され続ける、まさに傑作と言えるでしょう。
世界的に愛され続けるハミルトンを1本は持っておきたい!
アメリカを代表するウォッチブランドであり、時計大国スイスの技術がインプットされているハミルトン。特に今、挙げた「カーキ」はアメリカの陸・海・空、それぞれのミリタリーの系譜を辿っていることがわかっていただけたはずです。ミリタリーウォッチとして、アメリカンウォッチとして、どう解釈しようとも男性であれば惹かれてしまうのがハミルトンの魅力なのです。これまで触れたことがないのであれば、そして今まさに腕時計を新調しているということであれば、ぜひ1本はハミルトン、そして今の気分にもそぐう「カーキ」を選択してみてはいかがでしょうか。
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