ジャン=ポール・エヴァンのパリ全店を一挙に紹介!
「ジャン=ポール・エヴァン」は、パリを拠点にするチョコレート専門店。日本には東京、浦和、仙台、名古屋、福岡、広島、京都など合計12店舗(2018年6月現在)があります。 日本のファンのみなさんも、いつかパリ旅行の機会があれば本場、パリのブティックを訪れてみてください。この記事では、パリ各地にある全6店舗を紹介します。ジャン=ポール・エヴァンは高級チョコレート店なので、比較的ラグジュアリーなショップが集まる安全なエリアにあります。パリをお散歩する気分で読んでくださいね。
1.ジャン=ポール・エヴァン ヴァンドーム店
パリで最も有名な観光地のひとつですね、ヴァンドーム広場。そのそばのサントノーレ通りにあるブティックです。ヴァンドーム広場、そしてこのサントノーレ通りにもファッション、ジュエリーをはじめ、多くの高級店が集まっています。
この通りに隠れ家的に存在するのがジャン=ポール・エヴァンのブティック。道に面しているようで、奥まったところにあるので、もしかしたら通り過ぎてしまうかもしれません。
私は最初訪れたとき、入り口(小さな通路)がわからなくて、何度も通りを行ったり来たりしました!みなさんは迷わないでくださいね。
一歩足を踏み入れると、キラキラと輝くまぶしいゴールド。トンネルのような形の「カーヴ ア ショコラ」です。
このブティックの特徴は、場所柄、観光客の方が多いことです。お店の方に伺うとお客さまは、フランス人の方と外国人の方が半々くらい。日本人の方も多く、ブラジル人、アメリカ人、韓国からのツーリストの方も多いそうです。
私が直近で訪れた2018年6月には、ブティックの奥に小さなコンチングマシーンが置かれ、動いていました(昨年末まではありませんでした!)。
チョコレートの香りが広がること、そしてインテリアとしての役割にとどまらず、このマシーンの中身は、試作に使う本物のショコラです。
実は2018年からジャン=ポール・エヴァン シェフは、本格的にカカオ豆の段階から全行程を手がけるチョコレート作りを始めています。この中身のチョコレートは、もしかしたら将来、エヴァン シェフの傑作タブレットの原点になるかもしれません。
マカロンが入り口にきれいに並んでいます。きっとお買い物したくなることでしょう。マカロンは常に大人気だそうです。
パリに観光旅行をされたら、オペラ座やヴァンドーム広場に近いので、一番行きやすい場所かもしれません。
コンパクトなお店ながら、お土産にふさわしいサイズのチョコレートボックスやタブレットが各種揃っています。大抵はベテランの日本人スタッフの方がいらっしゃるので、安心してお買い物に出かけてくださいね。
■DATA
231, rue Saint-Honore(cote cour) 75001 Paris
・cote courというのは、中庭、というような意味です。
・以前は2階にサロンドテがありましたが、現在はありません。
営業時間
10:00ー19:30(月曜~土曜)
定休日 日曜・祝日
メトロ Concorde, Tuileries, Opera.
アクセスマップ
2.ジャン=ポール・エヴァン アンヴァリッド店
メトロ「エコール ミリテール」の駅を降りて、道を渡ってすぐ。このブティックは、ジャン=ポール・エヴァンの第1号店です。ダークブラウンを基調にした落ち着いた店内。壁にはゴールドの間接照明がエレガントにショコラのコレクションを照らし出しています。
エントランスには、美しいチョコレート細工、マカロンタワー、最新のコレクションが並び、そのアーティスティクなディスプレイに、道行く人々が立ち止まります。
ジャン=ポール・エヴァン シェフは自身のブティックを、このエリアに1988年「ル・プティ・ブレ」という名前でオープン(現在の「ジャン=ポール・エヴァン」のこのブティックがある所とは、同じ通りですが異なる場所)。以来、30年、変わらずこの地はジャン=ポール・エヴァンの大切な拠点です。 このブティックの特徴はもうひとつ。奥にラボがあります。
これはパティスリーを生産するラボで、ジャン=ポール・エヴァンがパリで販売するすべてのガトーがこの地で作られています。
私が伺った2018年6月、ジャン=ポール・エヴァン シェフが、特別にラボをご案内くださったのですが、エヴァン シェフはとにかく終始「美味しいものを作る」ということにおいて頑固なまでに真剣。
販売商品の味見を、ご自分が毎日行うばかりか「何日経過するとこのチョコレートがどう味が変化するか」までをもご自身がペンを持ち、細かくチェック、管理されていました。 現在はこの場所で、カカオ豆の段階からのチョコレート製造(全行程)を手がけるための試作を精力的に行っていらっしゃいます。この地から生まれる、未来のエヴァン シェフのチョコレートに期待しましょう!
■DATA
23 bis, avenue de la Motte-Picquet 75007 Paris
営業時間 10:00-19:30(火曜~土曜)
定休日 日曜日、月曜日
メトロ Ecole Militaire
アクセスマップ
3.ジャン=ポール・エヴァン リュクサンブール店
1990年にオープンしたジャン=ポール・エヴァンの2号店。リュクサンブール公園のすぐそばにあります。サンジェルマン・デ・プレ、モンマルトルにもほど近く、シックな方が多いエリア。さまざまな大学が立ち並ぶ学生街です。また高級な子ども服などのブティックが通りに多く、お洒落なご家族やシックなマダムが訪れているのをよく見かけます。
スタッフの方によると「このブティックのお客さまの多くはしっかりと目的を持っていて、すぐにお目当てのショコラを購入される」ことが多いそう。つまり常連の方が多いんですね。
そしていかがですか、この風景。絵になるでしょう? 私はこのお店の雰囲気がとても好きです。
ジャン=ポール・エヴァンのブティックの中では唯一、建物の中庭が見えます。お花が咲いて、自転車が見えて。フランスらしい中庭を眺めながらチョコレートを選ぶひと時です。私はここにいるととてもリラックスします。
このブティックは2016年にリニューアル。インテリアを手がけたのは、Alain Gabrielli氏、そしてCabinet Graft氏です。壁の木目のテクスチャーなどの、あらゆるデザインがチョコレートを引き立てています。
昔日のショコラトリーの面影をもつブティック。いわゆる「パリジェンヌ」気分で訪れたい場所です。
■DATA
3, rue Vavin 75006 Paris
営業時間 10:00-19:30(火曜~土曜)
定休日 日曜・月曜・祝日
メトロ Notre-Dame des Champs, Vavin.
アクセスマップ
4.ジャン=ポール・エヴァン ラファイエット グルメ店
ギャラリー・ラファイエットは、パリではお馴染みの高級百貨店。オペラ座の近くにある「ギャラリー・ラファイエット・グルメ館」の1階に、ジャン=ポール・エヴァンのブティックがあります。
<ATTENTION>
私は今、1階、と書きましたが、パリでは「0階」と表記されていますから気をつけて。フランスでは日本の「1階」は「0階」。パリの「1階」は日本でいう「2階」です(ややこしいですがホテルもそうなので、数日パリにいると慣れます!)。
パリ旅行をする美味しいもの好きな方なら、きっと訪れるギャラリー・ラファイエットのグルメ館。本館から道を隔てた交差点の角にあり、館内には美味しいものがもう、とにかくいっぱいです。
ショーケースの中には、人気のガトーやボンボンショコラのコフレがあります。お土産にふさわしいアイテムがさっと買える感じ。でももちろんここでも、こだわりのショコララバーのために、ボンボンショコラは1個から購入できます。
そして私が出かけた日(6月末)は暑かったので、「エクスキモモ」をいただきました。2016年のサロン・デュ・ショコラ(東京)で販売されて話題になったので、ショコラ好きな方はきっとご存知ですよね。
久しぶりにいただくと、流石チョコレートが本格派。今回はカカオ分が高いマダガスカル産のシングルオリジンチョコレートコーティングでした。ショコラのお味が一般のアイスバーとは一線を画します。
夏場(フランスのバカンスが終わるシーズンくらいまで)には「エクスキモモ」に会えそうですので、夏はみなさん、お買い物途中にぜひ。
<ちょっと楽しいこと>
それから、ここで私が見るたび楽くなるのが、スタッフの方が使うペーパータオルとリキッドソープのディスペンサーです。細かいところまでしっかりダークチョコレートカラー! ちょっとのぞくと見つかりますから、探してみてくださいね。
すぐお隣は「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」、すぐそばには「ピエール・エルメ」。すぐ左に曲がると「ル・ショコラ・アラン・デュカス」があります。美味しいショコラやスイーツのお土産をまとめて買えるのは百貨店ならでは。時間のないときも便利です。
■DATA
Etage 0,35 Boulevard Haussmann 75009 Paris
営業時間
8:30-21:30(月曜~土曜)
メトロ Chaussée d’Antin La Fayette
アクセスマップ
5.ジャン=ポール・エヴァン マレ店
ジャン=ポール・エヴァンのマレ店は2014年にオープンしました。このお店がある北マレ地区は、アートギャラリーやミュージアムが多いエリア。アート関係、ファッション関係など、クリエイティブな方が集まりつつも、同時に気さくな地元住民の方々が訪れたりと、フレンドリーな雰囲気があります。
パリのジャン=ポール・エヴァンのブティックの中で、最も様々なタイプの方が訪れるちょっとユニークな存在といえるかもしれません。私も訪れるたびに、お店の方と気軽におしゃべり。ボンボンショコラ2~3個買って、店内で味わったりします。
ガラスのボウルに入ったチョコレートのディスプレイがたくさんあるのも、このお店の個性だと思います。
また、すぐに手が届くカウンターに約30種類のタブレットがずらりと並んでいるのも特徴。日本では10種類くらいの販売ですから、パリに来るとタブレットコーナーは壮観です。
そしてこれをぜひみなさんにお知らせしたいのですが、全タブレットは4つの色でカテゴライズされています。「4つの風味の傾向」がある、ということです。迷った方は、ネームプレートの色を参考にしてくださいね。
<意味>
薄い茶色=ミルクチョコレート
黄色=酸味があるチョコレート
赤色=フルーティな風味のチョコレート
濃い茶色=スパイスの香りを持つチョコレート
また、タブレット選びに迷ったらスタッフに声をかけましょう。パリのブティックでは、タブレットを迷っている方向けに週替わりで1種のテイスティングさせていただけます(2018年6月現在)。新しいお気に入りとの出会いになるかもしれません。
そしてそして。これもお話したいのですが、密かに私がいつも喜んでいるのは(笑)このブティックのこの扉。
可愛くて大好き!「私のハートを強く押して」と書いてあるんです。このハートマークを押すとドアが開くので、楽しんでプッシュしましょう。
<ちょっと参考に>
お隣には、パリで最古のマルシェ「マルシェ・アンファン・ルージュ」があります。新鮮な野菜やチーズなどの食材が揃うほか、レバノン料理、イタリア料理、トルコ料理などの屋台風ショップがあります。エヴァン シェフも時々訪れるそう。お隣ですからぜひ歩いてみてください。
■DATA
41 rue de Bretagne 75003 Paris
ショコラショーなどを店内で味わえるバーは、現在休止しています。(※テイクアウトのみ)
営業時間 10:00-19:30(火曜~土曜)
定休日 日曜・月曜・祝日
メトロ Temple
アクセスマップ
6.ジャン=ポール・エヴァン ルーヴル店(新店舗)
2018年6月中旬にオープンしたばかりの最新のブティックです。メトロの「レアール」駅のそば。最寄りは「ルーヴル=リヴォリ」駅です。このブティックの特徴は、一見奥にあるためわからないのですが、実は初めてのプライベートサロン「Le salon privé (ル・サロン・プリヴェ)」があることです。
一足先にご案内いただきましたが、こちらももう、キラキラのゴールド空間!
お店の奥の扉の向こうに、隠れ家的に存在するこのサロン。
ル・サロン・プリヴェの使い方は現時点で未定だそうですが、デギュスタシオンを提案したり、予約した方がサロンとして利用できるように……など、エヴァン シェフは楽しみながら新たな構想を練っているご様子です。
壁には、ジャン・オッド氏(エヴァン シェフと仕事をしているアーティスト)によるアートがいくつも展示されています。エヴァン シェフ曰く「和紙を使ったアートで、ニューヨークに展示されていたものをパリに持ってきたんですよ」とのこと。
店内のショーケースには、美しく産地別カカオのタブレットが並んでいます。エヴァン シェフ曰く、夏はカカオ分の高いタブレットを楽しんでほしいそう。
ボンボンショコラ、マカロン、ガトーなどももちろん購入できます。新店舗の展開に期待しましょう。
■DATA
108, rue Saint-Honore 75001 Paris
定休日 日曜・月曜・祝日(7月14日はオープンしています)
営業時間 10:00-19:30
メトロ Louvre - Rivoli
アクセスマップ
これで全6店舗!
パリのジャン=ポール・エヴァン全店をご紹介しました。
エヴァン シェフから、パリを訪れる日本のファンに一言!
パリの新店舗でお会いした、ジャン=ポール・エヴァン シェフです。私から、こんなお願いをしてみました。
ー私(市川歩美):パリ旅行をしたら、きっと日本のショコラ好きな方ならジャン=ポール・エヴァンへ立ち寄るはずです。そんなみなさんにシェフからメッセージをお願いします。
ーエヴァン シェフ:(しばらく静かにじーっと考えて、その後ちょっとにっこり)
もしあなたの運がよければ、パリのお店であなたに会えるかも。その時はあなたは一つ、ショコラのデギュスタションを手に入れることができますよ!
ですって!
さぁ、もしあなたがパリのブティックでシェフに会えたらラッキーですね。ぜひ「歩美さんの記事を読んで」と(笑)シェフにお声をかけてください。
これからパリへ行くショコラファンのみなさんへ
実のところ、これまでにこういう記事がどこにもなかったので、私は独自に情報を集めてブティックを巡っていました。でもきっと私のように「パリを訪れたらジャン=ポール・エヴァンのお店へ行ってみたい」というショコラファンの方は日本に大勢いらっしゃると思います。
そんなみなさんのために整理した情報をシェアしたいと思い、新店舗オープンのタイミングで、記事にまとめました。
それから今回また全店訪れて感じたのですが、何度パリでお店を訪れても、例外なくジャン=ポール・エヴァンのスタッフの方は、みなさん穏やかでお優しいので安心です。日本語が話せるスタッフがいるお店も多いので、パリならではのシーズンごとのアイテムをご紹介いただくのも楽しいです。
パリへ行くときは、日本での予習に、そしてパリの現地で、ぜひこの記事を役立ててくださいね。みなさんのパリ旅の参考になればうれしいです。