お金の悩みを解決!マネープランクリニック/貯蓄ができない、赤字家計に悩むファミリー世帯

32歳貯金16万。ボーナスも退職金もなく教育費が不安(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、3人のお子さんを抱える32歳の主婦の方。毎月、何とか貯蓄はできるものの、ボーナスがないため、結局支出に回ってしまい、いっこうに貯蓄が増えないことに悩んでいます。今後の働き方や家計の見直しについて、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 今は赤字を出さないことを家計管理の目標に

まず認識しておくべきは「今の時期は貯蓄が難しい」ということ。つまり、まめよめさんが働いて収入を得るまでは「貯蓄できないのは仕方がない」と割り切ることです。そして、毎月赤字を出さない、今ある貯蓄を取り崩さないことを家計管理の目標にすべきと考えます。貯蓄できないことに悩んでもストレスをためるだけです。

今後ポイントとなってくるのは、まめよめさんがいつから働くことができるか。当然、早いほどいいわけですが、下のお子さん2人がともに保育園に入園した場合の保育料とパート収入とを、まずは比較検討してください。2、3万円でも黒字になるなら、働くことを選択したいところです。最初は実質のプラス分が少なくとも、真ん中のお子さんが小学校に上がれば、貯蓄率もぐっと上がってきます。

また、将来的にはパートではなく、理想は正社員、難しければ契約社員でもいいので、厚生年金に加入できる働き方を目指してほしいと思います。パートより収入が高いのはもちろん、厚生年金加入によって老後に備えることができます。ご主人の勤務先に退職金制度がないとなると、それを補う意味でも、妻が老齢厚生年金を受け取れるのは、大きなアドバンテージとなります。
 

アドバイス2 夫婦とも60歳以降も働くことが大切

心配されている教育費ですが、仮に3年後に、まめよめさんの収入から月8万円貯蓄できるとします。60歳までの25年間で計2400万円。学資保険は満期金が不明ですが、保険料から考えて各200万円でしょうか。

大学費用だけなら、私立文系で約400万円ですから、不足分は200万円となり、3人で600万円。ただし、学校にかかる費用はもちろん、進学塾や部活動などの費用も発生するはず。高校が私立という可能性もゼロではないはず。まだ、進路も含めて不確定部分が多いですが、場合によっては、先の2400万円はほぼ教育費でなくなってしまうことも考えられます。

つまり、先のペースで貯めることができれば、教育費はほぼ確保できますが、老後資金の準備までは難しい可能性があるということ。したがって、まめよめさんがどれだけ収入を得られるかが、今後のマネープランの大きなカギとなりますが、先の試算ほど貯蓄ペースが上がらなくても、貯蓄が増えてくれば気持ちに余裕が生まれますし、選択肢も増えます。必要以上に不安になるのはかえってマイナスです。

また、老後資金については、住宅ローンの返済もありますから、少なくとも完済となる年齢までは、夫婦とも働くことを目指すべきでしょう。
 

アドバイス3 収入アップのためにご主人の転職も考えたい

一方、家計については見直すとすれば保険となります。まずは、ご夫婦とも加入している総合保障保険は解約か、払済保険(原則、掛け捨てではない部分があれば可能)にします。

そして、ご主人は新たに死亡保障を現状で3000万円、保険期間は15年か20年はほしいところ。医療保障は日額5000円に抑えます。そこでまずは共済に加入(医療保障5000円、死亡保障500万円前後)。保険料は月2000円程度。さらに死亡保障は、割安な定期保険(死亡保障2500万円。共済加入で確保する死亡保障分を差し引く)、もしくは収入保障保険(保障/月10万円)で確保すれば、保険料は月3000円前後。

また、まめよめさんは現状では、共済だけでいいと思います。これで保険料は月額で9000円くらいは下がります(働き始めたら死亡保障1500万円ほど確保)。少なくとも、この見直しで固定資産税の支払いは捻出できます。

世帯の収入アップとして、まめよめさんが働くことは欠かせませんが、ご主人もそのために転職を検討する価値はあると思います。現時点でご主人は「あまり考えていない」とのことですが、年齢的にもここ数年がいい時期ではないでしょうか。ご主人の収入増が実現すれば、マネープランも余裕が生まれてきます。と同時に、まめよめさんが働けば家事、育児は今以上にご主人の協力が不可欠です。これを機会に、ご夫婦で真剣に話し合ってみてください。
 

相談者「まめよめ」さんから寄せられた感想

相談に乗って頂きありがとうございますm(__)m。感想としては予算内で家計管理する、貯蓄を無理にしなければというプレッシャーというか焦りに囚われずしっかり家計管理していこうと思いました。数年後、十数年後と漠然としか考えてなかった教育費や自分達の将来の事を見直すきっかけになりとても参考になりました。不安もありますが少しずつやれる事をやっていきたいと思います。ありがとうございましたm(__)m。

教えてくれたのは……

深野 康彦さん
 
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マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など


取材・文/清水京武

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