航空券

ビジネスとエコノミーの違いとアップグレードする方法

飛行機には、ファーストクラスやビジネスクラス、そしてエコノミークラスに分かれています。最近はビジネスとエコノミーの中間のプレミアムエコノミーも。それぞれ料金が異なるのに加え、サービスも大きく違います。特に、上級クラス向けのサービスに力を入れる航空会社が近年増えており、エコノミークラスとの“差”が広がる一方。記事では上級クラスだとどれぐらい快適なのか、マイルを使ってアップグレードする方法など。

シカマ アキ

執筆者:シカマ アキ

飛行機の旅ガイド

飛行機は搭乗クラスが違うと快適さも大きく異なる


JAL,ビジネスクラス

JAL国際線ビジネスクラス。半個室のようなシートになっています

飛行機には、国際線では「ファーストクラス」「ビジネスクラス」「エコノミークラス」などの搭乗クラスがあります。それぞれの搭乗クラスごとに価格が異なり、例えば、国際線のファーストクラスだと通常、ヨーロッパやアメリカを往復するのに200万円以上かかります。

実際のところ、それぞれのクラスごとにどれほど違うのでしょうか。エコノミークラスと比較し、それぞれの搭乗クラスの特徴、マイルなどを使ってアップグレードする方法などを紹介します。


近年どんどん進化する航空会社の「ビジネスクラス」

ビジネスクラス,シート,エアチャイナ

ビジネスクラスとエコノミークラスの大きな違いは「シート」。画像は中国国際航空

エコノミークラスの上級クラスといえば、一般的には「ビジネスクラス」です。ビジネスクラスに搭乗すると受けられるサービスの一例を挙げてみます。 ※ 航空会社によってサービス内容は異なります

■優先チェックイン、優先搭乗、手荷物優先受取
■一流シェフ監修による機内食
■フルフラットで寝転がれるシート(マットレス付き)
■機内アメニティや新聞・雑誌などの提供
■空港でのラウンジの利用

まず、「シート」がエコノミークラスと大きく異なります。近年、180度傾けられる“フルフラット”になるシートを導入する航空会社が増えています。長時間のフライトだと、ベッドのように寝転がることができると、心身ともに非常に快適。1席あたりのスペースも格段に広く、個室のようなタイプのシートを導入する航空会社もあります。ANAでは東京西川、JALではエアウィーヴのマットレスも提供されます。

ファストレーン,空港

ビジネスクラス以上を利用する際、空港に優先レーンがあれば利用できることもあります

また、チェックインカウンターや保安検査場、搭乗口などで長い列に並ぶ必要がなく、到着時の手荷物も優先的に受け取れるのは、時間短縮やストレス軽減となり、とても便利。空港で専用のラウンジを利用でき、ドリンクや軽食が用意されていることもあるので、搭乗前にのんびり過ごすこともできます。

ビジネスクラス,機内食,エアチャイナ

ビジネスクラスの機内食。テーブルクロスが敷かれ、陶器に入った料理など見た目も豪華、味のレベルも高いです。画像は中国国際航空

機内食も豪華です。特に長時間のフライトだと、世界の一流シェフが監修する料理がフルコースで味わえたり、ワインやシャンパンといったアルコールのメニューもたくさんあったりと、つい食べ過ぎ飲み過ぎでお腹いっぱいになります。食事の時間以外にも、アラカルトでオーダーできるメニューも豊富です。機内アメニティも、航空会社によっては高級ブランドと提携しているところもあります。

ビジネスクラスの運賃は、一般的にヨーロッパやアメリカ行きだと安くても往復50万円ほどします。ただ、セールを行っていたり、マイルでアップグレードしたりする方法もあるほか、中短距離路線ならそれほど高くないケースも。ビジネスクラスの快適さ、一度経験するととてもよく分かります。

最上級のサービスが受けられる「ファーストクラス」

JAL,ファーストクラス

JAL国際線ファーストクラスのシート。書斎のような雰囲気でスペースもとても広いです

そのビジネスクラスのさらに上級にあたるのが「ファーストクラス」。ビジネスクラスを超える最上級のサービスを受けることができます。

例えば、客室乗務員が名前を呼んでサービスをしてくれ、ビジネスクラスよりさらに広いシート、豪華すぎる機内食とドリンク、ファーストクラスの専用ラウンジなど。航空会社によっては専用車で飛行機のそばまで行って最優先で搭乗するサービスを提供しているところもあります。とにかく“至れり尽くせり”のおもてなしを受けることができます。

ただ、先に述べた通り、欧米を往復するのに200万円以上する、基本的に値引きがない運賃です。席数が少ないだけでなく導入路線も少ないため、競争率もやや高め。一方、マイルなどを使ってアップグレードする方法もあります。これについては後で紹介します。

ビジネスとエコノミーの中間「プレミアムエコノミー」

プレミアムエコノミー,カンタス

近年増えているプレミアムエコノミーのシート。画像はカンタス航空

ビジネスクラスが近年どんどん進化し、エコノミークラスとの“格差”が広がっていく中、その中間にあたる搭乗クラス「プレミアムエコノミー」を導入する航空会社が、世界中で増えています。国内エアラインではANAとJALも主にビジネス路線などで導入しています。ビジネスクラスよりも運賃はリーズナブルです。

■シートはやや豪華、シートピッチ(足元のスペース)も広い
■機内食はエコノミー、プラスαでデザートやカップ麺など
■機内アメニティがもらえる、空港でラウンジが利用できることも

シートは、一昔前のビジネスクラス並みともいえるレベルです。特に、国際線の長距離路線だと、少しでもシートまわりが広いだけで、快適度がグッと上がります。全体的に、エコノミークラスに準じたサービスとのことですが、運賃がちょっと高めな分、優遇される部分が多めです。


上級クラスに「アップグレード」する方法 – ANAの場合

ANA,ビジネスクラス

ANA国際線ビジネスクラス。「スタッガード」と呼ばれるシートです

エコノミークラスより快適なビジネスクラスなどの上級クラス。ただ、航空券の値段が高くなり、なかなか手が出ないという人も多いでしょう。そこでおすすめなのが、マイルなどを使ってのアップグレードです。

ANAの場合、エコノミークラス/プレミアムエコノミーからビジネスクラスへのアップグレードが12,000マイルから。ヨーロッパやアメリカなどだと、28,000マイルです。出張が多いビジネスパーソンだと、貯めたマイルを上級クラスのアップグレードに使う人がけっこういます。ビジネスクラスからファーストクラスへのアップグレードは、欧米路線では45,000マイルです。 ※いずれも片道

ANA,アップグレード,予約クラス

ANAでアップグレードする際に必要なマイル数と対象予約クラス(ANA公式サイトより)

ただ、ANAではエコノミークラスからプレミアムエコノミーへのアップグレードは、マイルでは不可。2018年4月から「Bid My Price」という入札によるアップグレードが始まりました。

また、上級会員(プレミアムメンバー)に提供される「アップグレードポイント」を使ってのアップグレード、プレミアムメンバーの中でもプラチナ以上の上級会員だと出発24時間前から無料でアップグレードも可能です(いずれも座席数限定)

上級クラスに「アップグレード」する方法 – JALの場合

JAL,アップグレード

JALで当日の空港でプレミアムエコノミーにアップグレードする際の料金などが記載された案内

一方、JALの場合、エコノミークラスからプレミアムエコノミーへのアップグレードが可能です。

マイルでのアップグレードは、9,000マイルから。当日の空港で追加料金でのアップグレードもできます。「空港当日申し込みサービス」は、当日にプレミアムエコノミーを含む上級クラスに空席があればチェックインカウンターで申し出ると、マイルでアップグレードができます。上級会員向けにディスカウントマイルなどの優遇もあります。 ※いずれも片道


エコノミーからアップグレード、「予約クラス」に注意

ただ、どの航空会社でも気を付けたいのは、事前にアップグレードする際、対象となる「予約クラス」かどうかです。

通常、ツアーやセールで手に入れた航空券だと、予約クラスが低くてアップグレードできません。同じ便であっても、少し高めの予約クラスで、アップグレードの対象になる運賃であらかじめ購入する必要があります。

【関連リンク】
ANA
JAL
中国国際航空
カンタス航空
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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