航空券

「ビジネス」と「エコノミー」の違い、アップグレードする方法

飛行機には、ファーストクラスやビジネスクラス、そしてエコノミークラスに分かれています。最近はビジネスとエコノミーの中間のプレミアムエコノミーも。それぞれ料金が異なるのに加え、サービスも大きく違います。

シカマ アキ

執筆者:シカマ アキ

飛行機の旅ガイド

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キャセイパシフィック航空「A350-1000」のビジネスクラス ©Cathay Pacific

飛行機は、国際線では「ファーストクラス」「ビジネスクラス」「エコノミークラス」などの搭乗クラスがあります。それぞれの搭乗クラスごとに価格が異なり、例えば、国際線のファーストクラスだと通常、日本からヨーロッパやアメリカなどを往復するのに250万円以上ほどかかります。

実際のところ、それぞれのクラスごとにどれほど違うのでしょうか。エコノミークラスと比較し、それぞれの搭乗クラスの特徴、マイルなどを使ってアップグレードする方法などを紹介します。

 

どんどん進化する「ビジネスクラス」の座席とサービス

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中東ドバイが拠点のエミレーツ航空。ビジネスクラスは他社と比べて豪華と評判高い

エコノミークラスの上級クラスといえば、一般的には「ビジネスクラス」です。ビジネスクラスに搭乗すると受けられるサービスの一例が以下です。(※ 航空会社によってサービス内容は異なります)
  • 優先チェックイン、優先搭乗、手荷物優先受取
  • 一流シェフ監修による機内食
  • フルフラットで寝転がれるシート(マットレス付き)
  • 機内アメニティの提供
  • 空港でのラウンジの利用
まず、エコノミークラスと大きく異なるのが、座席(シート)です。近年、座席の傾きが180度になる「フルフラット」を導入する航空会社が増えています。

長時間のフライトだと、ベッドのように寝転がることができると、心身ともに非常に快適。1席あたりのスペースも格段に広く、個室のようなタイプのシートを導入する航空会社もあります。
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ビジネスクラスだと空港で優先レーンが利用できる ©Air France

また、チェックインカウンターや保安検査場、搭乗口などで長い列に並ぶ必要がなく、到着時の手荷物も優先的に受け取れるのは、時間短縮やストレス軽減となり、とても便利。空港で専用のラウンジを利用でき、ドリンクや軽食が用意されていることもあるので、搭乗前にのんびり過ごすこともできます。
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フィンエアーのビジネスクラス、機内食。北欧料理で陶器の皿で提供される

内食も豪華です。特に長時間のフライトだと、世界の一流シェフが監修する料理がフルコースで味わえたり、ワインやシャンパンといったアルコールのメニューもたくさんあったりと、つい食べ過ぎ飲み過ぎでお腹いっぱいになります。

食事の時間以外にも、アラカルトでオーダーできるメニューも豊富。機内アメニティも、航空会社によっては高級ブランドと提携しているところもあります。
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エミレーツ航空のビジネスクラス、アメニティはブルガリ。男性用と女性用がある

ビジネスクラスの運賃は、一般的にヨーロッパやアメリカ行きだと、安くても往復60~70万円ほどします。ただ、セールを行っていたり、マイルでアップグレードしたりする方法もあるほか、中短距離路線ならそれほど高くないケースも。ビジネスクラスの快適さは、一度経験すると実感できます。

最上級のサービスが受けられる「ファーストクラス」

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ルフトハンザドイツ航空のファーストクラス。扉付きの個室で大型モニターやクローゼットなどもある ©Lufthansa

そのビジネスクラスのさらに上級にあたるのが「ファーストクラス」。ビジネスクラスを超える最上級のサービスを受けることができます。

例えば、客室乗務員が名前を呼んでサービスをしてくれ、ビジネスクラスよりさらに広いシート、豪華すぎるほどの機内食とドリンク、ファーストクラスの専用ラウンジなど。航空会社によっては専用車で飛行機のそばまで行って最優先で搭乗するサービスを提供しているところもあります。まさに、至れり尽くせりのおもてなしを受けることができます。
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エミレーツ航空、ファーストクラスの機内食。高級レストランのような食事

ただ、先に述べた通り、運賃は高額で、しかも基本的にセールなどをしません。しかも、席数が限られ、導入路線も少ないため、競争率もやや高め。一方、マイルなどを使ってアップグレードする方法もあります。これについては後で紹介します。

ビジネスとエコノミーの中間「プレミアムエコノミー」

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JAL国際線のプレミアムエコノミー。世界で最も優れたプレミアムエコノミーの評価を受ける

ビジネスクラスが近年どんどん進化してエコノミークラスとの差が広がっていく中、その中間にあたる搭乗クラス「プレミアムエコノミー」を導入する航空会社が、世界中で増えています。

日系航空会社では、ANAとJALとも、国際線の主にビジネス路線などで導入しています。運賃は、ビジネスクラスよりリーズナブルです。

  • 座席がいい。シートピッチ(足元のスペース)も広い
  • 機内食は基本エコノミークラスと同じ
  • エコノミークラスにないデザートやカップ麺が提供されることも
  • 機内アメニティ提供。航空会社によって差がある
  • 空港でラウンジが利用できることも
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JALのプレミアムエコノミーではカップ麺「うどんですかい」を注文できる

座席は、一昔前のビジネスクラス並みともいえるレベル。特に、国際線の長距離路線だと、少しでもシートまわりが広いだけで快適度が上がります。フットレストがあるとさらに楽です。
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エールフランス航空のプレミアムエコノミー。日本路線にも導入されている ©Air France

サービスは、エコノミークラスとほぼ同じ。ただ、運賃が少し高めな分、優遇される部分もいくらかあるのが特徴です。

上級クラスに「アップグレード」する方法 – ANAの場合

エコノミークラスより快適なフライトを過ごせる、ビジネスクラスなどの上級クラス。ただ、航空券の値段が高く、なかなか手が出ないという人も多いでしょう。そこでおすすめなのが、マイルなどを使っての「アップグレード」です。
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ANAの国際線ビジネスクラス。近年、座席がリニューアルした「The Room」も登場

ANAの場合、エコノミークラスからプレミアムエコノミーへのアップグレードが片道9000マイルから、エコノミークラス/プレミアムエコノミーからビジネスクラスへのアップグレードが片道1万2000マイルから。ヨーロッパやアメリカなど長距離路線だと、片道2万8000マイルが必要です。

出張が多いビジネスパーソンの場合、貯まったマイルを上級クラスのアップグレードに使うケースが多い見られます。ビジネスクラスからファーストクラスへのアップグレードは、欧米路線では片道4万5000マイルです。 
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ANA国際線、1区間(片道)あたりの区間基本マイレージと必要マイル数(ANA公式サイトより抜粋)

ANAでは、エコノミークラスからプレミアムエコノミーへのアップグレードとして、「Bid My Price」と手段も。いわゆる入札によるアップグレードです。

また、上級会員(プレミアムメンバー)に提供される「アップグレードポイント」を使ってのアップグレードも可能です。日本~欧米路線の場合、エコノミークラス/プレミアムエコノミー→ビジネスクラスのアップグレードで片道5ポイント、ビジネスクラス→ファーストクラスで片道10ポイントなど。

上級クラスに「アップグレード」する方法 – JALの場合

JALも、エコノミークラスからプレミアムエコノミーやビジネスクラスに、マイルでのアップグレードが可能です。

ただし、アップグレード対象の予約クラスがあり、セールをはじめとした最安運賃だと、正規運賃でもアップグレード対象外であることが多いので注意。もし空席があれば、出発当日もアップグレードできます。
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JAL国際線、マイルを使ってのアップグレードは対象となる予約クラスが決められている

必要マイル数は、日本~欧米の場合、プレミアムエコノミー2万マイル、ビジネスクラスは北米3万マイル/欧州3万3000マイル、ファーストクラスは北米4万5000マイル/欧州4万8000マイルです。(※いずれも片道、ファーストクラスへのアップグレードはビジネスクラスのみ対象)

また、JALの場合、エコノミークラスからプレミアムエコノミーへの当日アップグレードも可能です。日本~欧米豪の路線で5万円、インド線3万円、東南アジア線2万5000円、東アジア線2万円。現地通貨での支払いにも対応しています。
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JAL 787-9(JAL SKY SUITE Ⅲ)ビジネスクラスの座席

その他、入札によるアップグレードもあります。購入した運賃がエコノミークラスだとプレミアムエコノミーもしくはビジネスクラス、プレミアムエコノミーだとビジネスクラスが対象です。

エコノミーからアップグレードは「予約クラス」に注意

出発前に座席をアップグレードしたい場合に気を付けたい点が、自分の購入した航空券の運賃(予約クラス)が、アップグレード対象となるか。どの航空会社でも共通です。
 
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アメリカン航空のビジネスクラス。長距離路線はビジネスクラスだとかなり快適に過ごせる ©American Airlines

もし、セールやツアーなどで買った航空券だと、予約クラスが低く、アップグレードできないことも。同じ便で同じエコノミークラスでも、複数の運賃が販売されています。購入後に座席のアップグレードを狙うなら、購入金額が少し高くとも、アップグレード対象運賃をあらかじめ購入する必要があります。

<参考>
ANA
JAL
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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