●総合力を感じる出来映え
筆者も自分では自作パソコンや改造パソコンを何台も作ったり組み直したりしていて、もう少しパソコンが静かだったらいいのになぁ、と思うことも結構あります。どのような時かというと、DVDで映画などを見ている時、MP3ソフトで音楽を聴く時、CDのリッピングをしている時、テレビ視聴をしている時などです。つまり、AV関連(オーディオビジュアルです、念のため)にパソコンを使っている時と言うことになります。電源投入直後はどのパソコンでも静かですが、5分も動かしているとファンの音がうるさくなってきます。大体は電源ユニットが通電により加熱され、温度センサーの働きにより電源部のファンがうるさく回転するようになるためです。
「静」シリーズはそのような要求にぴったりのパソコンと言うことが出来そうです。オリジナルではDVD-ROMが搭載されていて、DVD再生支援機能を持ったディスプレイアダプタが採用されていますので、DVDの再生は得意中の得意と言うことでしょう。アルミヘアラインの筐体こそ好き嫌いの分かれるところかと思いますが、性能、静粛性については文句の付けようがないと思います。さすが高速電脳といった印象を受けました。問題は様々な消音の工夫に部品と手間がたっぷりかかること。現在、Celeronの900MHzを統合チップセットに組み合わせた、どこにでもあるパソコンが7万円程度のところ、158,000円という価格がどのように感じられるか悩ましいです。納期も月産5台程度ということで、どこまでユーザーが静粛性の価値を認めてくれるかにかかっています。そうは言うものの、現在2ヶ月待ち程度のバックオーダーのようで、世の中にはちゃんと存在価値を認めてくれる人もいらっしゃるようです。
筆者の個人的な感想ですが、どうしても欲しいという状況にはなりません。何故かと言えば、高速電脳さんでも現在も将来的にも「完成することのない命題」と仰っているとおり、筆者も自分なりにチャレンジしたい事だからです。しかし、様々な機器やそれらを取っ替え引っ替え付けたり外したりする手間や検証の手間を考えると、完成品の「静」シリーズが大変リーズナブルに見えてくるのは不思議です。音楽やDVDなどにどっぷり浸かりたい方、HDDレコーディングなどのベース機にしたい方などにはぴったりのパソコンかと思います。
ということで筆者にとってはかなり微妙なパソコンと言うことを結論にしたいと思います。
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