中学受験における「女子御三家」とは?
女子御三家(桜蔭、女子学院、雙葉)を比較
この女子学院中学と、1909年に創立された雙葉中学、1924年に創立された桜蔭中学の3校を「女子御三家」と呼びます。
いつごろから「女子御三家」と呼ばれるようになったのかは定かではありませんが、まず麻布・開成・武蔵の3校を「(私立中)御三家」と呼ぶようになり、それに対抗して女子中の中で特に創設年が古く、かつ東京大学への進学者数の多かった上記3校を「女子御三家」と呼ぶようになったというのが通説のようです。伝統と格式だけでなく、東京大学への進学実績というのが重要視されているというのも、中学受験における「御三家」の特徴と言えるでしょう。
余談ですが、近年マスメディアなどを中心に、東京大学のことを「最高学府」と呼ぶ風潮が広まっていますが、最高学府の本来の意味は、最も程度の高い学問を学ぶ学校のことで、一般的には大学を指します。
日本には大学が700以上もありますが、これらすべてが「最高学府」であって、東京大学のみを指すのは誤用とされています。みなさん間違えないように気をつけましょうね。
それでは各校について、校風や入試の特徴を見ていきましょう。
桜蔭中学校…勤勉・まじめな校風
桜蔭中学校
- 所在地:東京都文京区本郷1-5-25
- 創立年:1924年
- 募集:235名(2018年)
- 校訓:1.勤勉 ・温雅 ・聡明であれ 1.責任を重んじ、礼儀を厚くし、よき社会人であれ
- 特色:
- 進学実績:
- 桜蔭に向く生徒:
- 桜蔭中学の入試傾向と対策
大問数は例年4問。1は解答のみを記入し、その他の問題はすべて記述式となっており、途中の式や考え方も重視されます。普段から式を書くだけでなく、日本語の説明書きの練習も積んでおきましょう。出題傾向としては、各単元からまんべんなく出題されますが、規則性・周期算・不定方程式・立体の表面積などは頻出です。例年70点以上が合格ラインとなりますので、算数が苦手な生徒は充分訓練を積んでおく必要があります。
国語 100点満点(試験時間50分)
論説文・物語文・随筆文・詩と鑑賞文の中から大問2問の出題となります。桜蔭中の国語の最大の特徴は、12歳の子どもが普通に読む範囲のレベルをはるかに超えた難度の課題文が出されることです。過去には大学生が主人公の物語文が出題されたこともありました。普段から大人の読む新聞や小説などを読みこなし、高度な語彙力を身につけていく必要があります。取り扱われるテーマとしては「子どもから大人への精神的成長」「論理的な視点」「現代社会への批判的視点」の3点に集約されます。また記述問題が多いのも桜蔭中入試の特徴で、記述の時間を充分確保するために、難度の高い長文を素早く正確に読み取る力も求められます。
理科 60点満点(試験時間30分)
桜蔭中の理科は例年小問数が40~50問、問題の半分以上が記号選択でトップ校としては平易な問題がそろっているのが特徴です。いわゆる奇問の類はほとんどありません。おおむね塾用テキストにのっとった内容となってます。そのため毎年90%以上の正答率が求められ、ケアレスミスは命取りとなります。普段の模試などで意識レベルを高め、絶対にミスをしない集中力を養っていきましょう。
社会 60点満点(試験時間30分)
ここ数年、大問数は3~4問が続いており、半分以上は記号選択問題となっています。リード文がかなり長いので、国語同様、文章読解のスピードが必要になります。50字程度の記述問題が2問程度出題されますが、難易度的にはさほど高くはありません。問題の中には超難問と呼べるものも2~3問程度はありますが、全体的には平易で塾用テキストで習う範囲のものが多く、70~80%以上の得点率が必要となってくると思われます。
面接 受験生と保護者は別面接
生徒面接は受験生5人対面接官2人の集団面接形式です。受験生は面接官の前に一列に並んで立ち、順番に質問に答えていきます。面接の基本的な動作がきちんとできていれば、特に心配する必要はありません。保護者面接は、保護者1人対面接官2人の面接で5分程度。家庭の教育方針や志望動機など基本的なことについて聞かれます。
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