使い勝手のいいCセグメント級SUV
2018年4月12日、ルノーから新型SUVのカジャーが発売された。昨年には、今回の正式発表前に100台限定で「ルノー カジャー BOSE」が登場していたが、カタログモデルは今春からの発売となる。
日産エクストレイルやキャシュカイと同じプラットフォームを使い、ホイールベースはキャシュカイと同じサイズ。
かつて発売されていたルノー コレオスは、日産エクストレイルやデュアリスと車体を共有化していたが、ルノー カジャーも「CMF-C/D」というプラットフォームを使っている。
室内に乗り込むと、シフトレバーまわりやラゲッジの作りなどに、エクストレイルのオーナーなら共通するものを感じるはずだ。
19インチタイヤは少しオーバースペックか!?
ライバルのプジョー3008が好調な販売ということもあって、ルノーとしては待望のCセグメント級SUVとなる。エンジンは1.2L直噴ターボで、2.0Lの自然吸気並の力強さが味わえるというのがうたい文句。
走行モードを「ノーマル」にしておけば、山道でも期待を裏切らない力強さ。言われなければ1.2Lとは思えないほど素早い加速を引き出せる。
デュアルクラッチトランスミッションの7速EDCは、ドイツ勢のようなほとんど隙のない変速マナーではないものの、変速しているという手応えが得られるのも美点ともいえるかもしれない。
乗り心地の良さに定評のあるルノーだけに、気になるのは乗り味だろう。街中や郊外路では、ルノーらしいしなやかさを感じさせる一方で、225/45R19を履くコンチネンタルの「コンチ・スポーツ・コンタクト5」は硬めで、ゴツゴツした衝撃が伝わってくるシーンも。
足はしなやかに動くのに、足元は少々ゴツいトレッキングシューズを履いているような乗り味なのだ。確かに見た目は立派だが、本国にもあるという17インチタイヤとの相性も気になるところ。
また、今回は高速道路を使った巡行はできなかったが、弟分のキャプチャーやほかのメガーヌなどもロングドライブでも余計な疲れを誘わないというルノーの美点は実現しているはず。少なくてもこうした資質の高さは垣間見ることができた。
使い勝手のいい荷室
そのほか、日産エクストレイルを彷彿とさせる荷室の作りは、非常に良く考えられていて、外したトノカバーをフロアボード下に収納できたり、ボードを上段、下段に設置できたりと、SUVに求められる利便性の高さはしっかりと確保されている。
安全装備も強化されている。車線逸脱警報やエマージェンシーブレーキサポート(完全停止までは至らない)、後側方車両検知警報、パーキングアシストなどを搭載。こうした先進安全装備では遅れていた感のあるルノーだが、巻き返しを図りつつあるといえるだろう。
Cセグメント級SUVは、輸入車、国産車ともに新型モデルが多く、数多くの選択肢が揃っている。ルノーらしい遊び心や走りのよさが気になるのであればまずは試乗してみてはいかがだろうか。