多彩な八重桜が彩る春の松前へ行ってみませんか?


沖縄を1月に出発して日本列島を南から北上してきた桜前線は、例年4月下旬にやっと津軽海峡を渡ります。そして北の大地、北海道に上陸した桜前線が最初に春色へ染めるのが松前です。

北前船の寄港地として賑わった松前では、日本式の城郭として最後に築かれた松前城があり、桜前線の到着と共に多彩な種類の八重桜が天守閣や城郭を彩ります。

今回は日本最北の天守閣でもある松前城と、多彩な八重桜の風景をご紹介します。

<目次>
  1. 日本式の城郭として最後に築かれた松前城
  2. 江戸時代から知られる桜の名所、松前
  3. 天守閣や海をバックに桜を楽しみましょう
  4. 桜のトンネルや、松前桜の三大名木も必見です!
  5. 松前城へのアクセス

日本式の城郭として最後に築かれた松前城

松前城の桜(1)

日本式の城郭としては最後に築かれた松前城。天守閣は昭和中期に再建された三層構造で、春は桜が周囲を彩ります(2015年5月1日撮影)


松前城
Yahoo! 地図情報)は、北海道の南西部、松前町にあります。

江戸幕府を開いた徳川家康は、この地に松前藩を設けました。松前藩を治めたのは戦国時代からこの地を治めていた松前家。日本海を中心にいろいろなモノを運んだ北前船の寄港地として松前は大いに賑わい、松前藩の初代藩主・松前慶広は1606年に松前城の前身となる福山館を築きます。
松前城の桜(2)

松前城・馬坂の入口に立つ「福山城跡」の石碑と松前を代表する八重桜・南殿(なでん)(2015年5月1日撮影)


その後、時代が進んで鎖国体制に揺らぎが生じ始めた幕末、西洋文化に通じていた12代藩主・松前崇広に対して津軽海峡の警備強化を目的として城の普請が要請されます。そして福山館を拡充する形で1853年に松前福山城が築かれました。
松前城の桜(3)

道の駅 北前船松前から桜に囲まれた松前城を望む(2015年5月1日撮影)


江戸幕府が交付した一国一城令により、新たな城の建設が困難になった江戸時代で新たに城を築いたのは異例のこと。松前福山城は最後に築かれた日本式の城郭となってしまいました。

明治維新後の箱館戦争では旧幕府軍と新政府軍との激戦の舞台となり、そして太平洋戦争の戦火も免れた松前福山城ですが、昭和中期に町中の火事がきっかけで天守閣焼失の憂き目にあってしまいます。

現在では城郭と共に1961年に再建された天守閣が美しい姿を示していて、日々訪れた人たちを魅了しています。

江戸時代から知られる桜の名所、松前

松前城の桜(4)/夫婦桜

ソメイヨシノ(夫:左側)、八重桜・南殿(妻:右側)が寄り添う松前桜・三大名木の一つ、夫婦桜。
このように松前では多種多彩な桜が楽しめます(2015年5月1日撮影)


松前は北海道でも良く知られている桜の名所の一つ。本州を北上してきた桜前線が津軽海峡を渡り、函館と松前で美しい桜の花を咲かせた後、道内を北上していきます。

松前での桜の見頃は気候により大きく変動しますが、例年だと4月下旬から5月上旬頃。桜の品種が豊富なため、桜が咲く風景を長い期間楽しむことができます。
松前公園の桜(1)

松前公園の新桜見本園で見かけた桜。
250種類もの品種の桜が毎年松前の地で美しい花を咲かせます(2015年5月1日撮影)


桜の品種が豊富な理由は、江戸への参勤交代で持ち帰られたり、藩主に輿入れした奥方からの贈り物など様々な桜が集まる状況があり、そして明治以降も植樹が続いたとのこと。

今では松前城を中心に1万本以上の桜が町を彩ります。桜の品種は実に250種類以上とのことで、まさに桜のテーマパークと言っても差し支えないでしょう。

天守閣や海をバックに桜を楽しみましょう

松前城の桜(5)

馬坂で登城者を出迎えてくれる八重桜、薄紅色の花は南殿、白い花は雨宿(あまやどり)。
桜の品種の豊富さに驚きます(2015年5月1日撮影)


それでは松前城に登城してみましょう。いくつか入口がありますが、松前町役場近くの駐車場からは馬坂や天神坂を登って三ノ丸へ入ります。

馬坂の登り口には薄紅色の花を咲かせる南殿(なでん)、白い花の雨宿(あまやどり)、白絹(しらきぬ)などの八重桜が並びます。八重桜にもいろいろな種類があることに気づかされます。
松前城の桜(6)

三ノ丸から望む松前城天守閣と桜(2015年5月1日撮影)


三ノ丸に入ると夫婦桜が見え、アングルを変えると松前城の天守閣と三ノ丸に咲く桜をあわせて見ることができます。
松前城の桜(7)

三ノ丸の桜と日本海(2015年5月1日撮影)


本丸へ歩みを進める途中で振り返ると、桜と日本海を一緒に望むこともできますよ。
松前城の桜(8)

濠の近くで見られる美しい桜の数々(2015年5月1日撮影)


搦手二ノ門をくぐって、天守閣に近づきますが、濠の手前にもたくさんの桜が咲いています。品種が多いのが松前の桜の特徴ですが、主な桜には桜の名前を記した銘板が掛けられているので、それを見ながら花見を楽しむのも良いですね。
松前城の桜(9)

濠にかかる橋から、濠と天守閣と桜を望む。
絵になる人気のポイントです(2015年5月1日撮影)


そして人気のポイントが、濠にかかる橋から望む濠と天守閣と桜の組み合わせ。風がなければ濠に天守閣と桜が映り込む美しい風景を見ることが可能ですよ。

桜のトンネルや、松前桜の三大名木も必見です!

松前公園の桜(2)

松前公園内に延びる見事な桜のトンネル(2015年5月1日撮影)


桜見本園、新桜見本園、第二公園に向かって松前城からまっすぐ伸びる桜のトンネルは天守閣と桜の風景と同じくらい強い印象を残します。
松前公園の桜(3)/龍雲院・蝦夷霞桜

松前桜・三大名木の一つ、龍雲院にある蝦夷霞桜。
龍雲院は箱館戦争での戦火を免れた貴重な寺院でもあります(2015年5月1日撮影)


そして松前には桜の三大名木があるのをご存知でしょうか。1つは天神桜門の横でソメイヨシノと南殿の桜の木が寄り添うように植えられている「夫婦桜」。残る2つは松前公園の中にある寺町で見られ、箱館戦争での戦火を免れた龍雲院にある「蝦夷霞桜(えぞかすみざくら)」は薄紅色の美しい花が咲きます。
松前公園の桜(4)/光善寺・血脈桜

松前桜・三大名木の一つ、光善寺にある血脈桜。古い言い伝えが残る、南殿の親木でもあります(2015年5月1日撮影)


そして光善寺にある「血脈桜(ちみゃくざくら)」は、樹齢300年を越す古木。桜にまつわる古い言い伝えが残り、松前にたくさん咲く八重桜・南殿の親木でもあります。桜の咲く時期に松前を訪れた時はぜひ立ち寄ってみることをおすすめします。


日本最北にして最後に築かれた日本式の城郭、松前城と多彩な桜が楽しめる松前の桜をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。思い立たないと行きにくい場所ではありますが、素晴らしい風景が待ち構えていますので、ぜひ松前城と松前の桜を見に出かけてみて下さい。

松前城へのアクセス

木古内から松前へ向かう函館バス

松前へのアクセスとなる函館バス。
木古内駅から松前まで約1時間半かかります。

地図:Yahoo! 地図情報
アクセス:
<飛行機>
  • 函館空港から車で約3時間半。公共交通機関利用の場合は、シャトルバスまた路線バスで函館駅へ向かった後、<鉄道>のルートに従います。
<鉄道>
  • 北海道新幹線 木古内駅下車。函館バス 松前行きに乗り換えて松城バス停下車。
    ただし、木古内駅に停車するはやぶさ号・はやて号は1日8本のみのため、バスの時刻とあわせて事前に時刻表を確認して下さい。
  • 函館駅から向かう場合は、道南いさりび鉄道で木古内駅へ行き、木古内駅から函館バス 松前行きに乗り換え。松前町内の松城バス停下車。または函館駅前から函館バス 快速 松前号で松城バス停下車。
    道南いさりび鉄道の乗車時間は約1時間5分、木古内駅から松前までのバスは約1時間半です。函館駅からの直通バスは約3時間かかります。
  • ゴールデンウイーク近辺のみ、湯の川温泉のホテル・旅館、函館駅と松前を直通する函館バスの特急バス「松前さくら号」が1日2往復運行されます(乗車3日前までに予約要)
<車>
  • 函館市内から函館茂辺地道路、国道228号線を松前へ向かう。函館市内から片道約3時間。松前城近くに駐車場があります。
【関連サイト】
「桜の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで桜の名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
「北海道の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで北海道の名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
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