アドバイス1 貯まるまで待つのではなく、親に借りる
ご相談、拝見いたしました。ご相談者のぷーさんがまずすべきことは、実家の親御さんに事情を説明して、資金を借りることです。そして、できるだけ早く離婚を進め、同時に一刻も早く実家に戻ることです。金額は、予算として考えられている100万円程度は借りたいところ。ただ、ご実家の資産内容や経済状況はわかりません。それでも、少しでも借りられるなら親に依存してください。誠意をもって話をして、離婚後、働いて返済するプランも示してください。金融機関などから借り入れることは、おススメできません。
急ぐ理由は、時間をかけても必要な資金を作れる見通しが立たないということ。おそらく、節約を心掛けても、夫婦が協力できない状態では難しいでしょう。それどころか、今後、新たに借り入れをしてしまう可能性もあります。さらに言えば、知らない借金がまだあるかもしれません。
そして、もうひとつの理由は、これ以上、今の生活を続けるとぷーさん自身が精神的に疲弊してしまう、つまり健康を害する可能性が高いからです。すでにストレスを相当抱えているはず。お子さんの転校時期も気にされていますが、お子さんにとっても現状の生活がいい環境とはとても思えません。総合的に考えて、先延ばしによるデメリットの方が、明らかに大きいと考えられます。
アドバイス2 離婚手続きは専門家の力を借りてスムーズに
離婚については、スムーズに進めることが重要。ご主人の離婚に 対する反応、考えは不明ですが、もめることも想定されます。そうであれば、この件については弁護士に直接依頼されてもいいと思います。当然費用はかかりますが、お子さん2人を引き取ることはもちろん、協議中の生活費や養育費、場合によっては慰謝料の請求も考えられます。専門家の力を借りて、無駄なく、長引くかないように進めたいところです。また、ご心配されている、ご主人の借金については、そもそも結婚前からあったのですから、原則としてぷーさんが肩代わりをする必要はないと考えられます。ご心配なら、それも専門家に相談されるといいでしょう。
おそらく離婚協議や手続きを進めながら、引っ越しや転校の手配など、同時に行うことになるでしょう。時間を取られるため、ぷーさんも仕事を退職することになります。実家に戻ってからは転職活動をしなくてはいけませんが、それも生活が落ち着いてからになります。結果、無収入状態が数カ月続くことになります。それでも必要以上に焦ったり、不安になったりせず、ときに親に頼りながら、確実にかつ計画的に実行していくことが大事です。
アドバイス3 リスタート後の家計管理が重要
家計については現時点では、学資保険の保険料も支出とすれば、明らかに赤字です。今ある手持ち資金もやがて底をつきます。貯蓄は難しいでしょうが、赤字を出さないよう管理はすべき。外食を減らすなど、そこは意識してください。そして大事になってくるのは、実家に戻ってからのリスタート後。ぷーさんの試算では、生活費として少なくとも月17万~18万円はかかりそうです。さらに教育費も加入されている学資保険だけでは、大学資金はまかなえません。フルタイム勤務など、今より高い収入を目指すのは当然ですが、貯蓄をしていくために家計管理もしっかりとやっていくことが不可欠となります。
とくに注意したいのがクレジットカード。事情があったとは言え、ぷーさんも無計画に使っていたわけです。その習慣は残る可能性がありますので、利用額にはついては十分意識してください。カードを使わない生活に切り替えることができれば、さらに望ましいので、徐々にその形になるように努力されてください。
もちろん、何から何まで切り詰めて生活するのでは、無味乾燥な毎日となります。家族で楽しむことも忘れず、創意工夫をしながら、上手に家計管理をしてください。
また、母子家庭となりますから、児童扶養手当(※)の他、自治体によっては手当の支給や優遇制度があります。これらは正当な権利ですが、請求しないと受け取れません。必ず、県や市の担当部署に確認しましょう。
離婚は体力が伴います。ぷーさんにはやることがたくさんありますが、気持ちをしっかり持って慌てることなく、着実に頑張ってください。今より素晴らしい生活が待っているのですから。
(※)対象となる子どもが18歳になる年度末(障害のある場合は20歳未満)まで受給できる。平成29年度は、子ども1人で月額9980~4万2290円、子ども2人の場合はプラス5000~9990円(世帯の所得、物価に応じて変わる)。
相談者「ぷー」さんから寄せられた感想
診断を拝見し、資金が貯まる見通しがつかない事、貯まるまで待たなくていいと言っていただけて、安心しました。先が読めなくてずっと不安でしたが、これで離婚に向けて頑張れそうです。実家に戻ったらカードを使わない生活に戻します。相談して本当によかったです。ありがとうございました。教えてくれたのは……
深野 康彦さん
取材・文/清水京武
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