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名作刑事ドラマBEST10!もう一度観たいおすすめ作品

いつの時代も注目される刑事ドラマ。世の中に起きる様々な事件を掘り下げ、重厚なシリアス系から軽やかなコミカル系まで、バラエティ豊かに描かれます。今回はたくさんの作品から、何度も観たくなる刑事ドラマを紹介します。

竹本 道子

執筆者:竹本 道子

ドラマガイド

人生で一度は観ておきたい、永遠の名作刑事ドラマBEST10

1957年に放送された『ダイヤル110番』から約60年、正義のあり方をさまざまに提議してきた刑事ドラマ。”刑事の視点”を通して客観的に社会をとらえているのも魅力です。視聴者を引きつける刑事ドラマの中から、ドラマ史において新しい風を吹きこんだ一度は観ておきたいおすすめ刑事ドラマを放送順に紹介します。


1.脚本、音楽、カーアクション、刑事ドラマの先駆者
『太陽にほえろ!』(1972年/日本テレビ系)

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刑事ドラマの先駆者とも言える『太陽にほえろ!』(画像はAmazonより:http://amzn.asia/8AmHsyQ


新宿の矢追町を管轄とする七曲署を舞台に、若い刑事の成長やベテラン刑事のみごとな捜査を一話完結で描いた昭和を代表する刑事ドラマ。

若い刑事を演じたのは萩原健一や松田優作、勝野洋といった人気俳優たち、熱い正義感と走り続ける姿が印象的でした。石原裕次郎、露口茂、竜雷太らベテラン刑事たちの人間性が生きた捜査手腕も見応え十分、足で稼ぐ聞きこみと名推理は時代を象徴する手法でした。殉職、アクション、恋心など視聴者を引き込むすべての要素がふんだんに盛り込まれたエンターテインメント作品は最高視聴率40%をマーク、全718回の放送にも人気のすごさがうかがえます。刑事一人ひとりにテーマ曲が用意された贅沢さや「ゴリさん」「山さん」などニックネームで呼び合う親近感も見逃せません。

  

2.洗練された演出、究極の心理戦、小説のような味わい
『古畑任三郎』(1994年/フジテレビ系)

おすすめ名作刑事ドラマ

豪華な犯人役も話題となった『古畑任三郎』シリーズ(画像はAmazonより:http://amzn.asia/2nH61Zt


田村正和演じる警部補の古畑任三郎が、犯人たちの功名な供述を、卓越した推理力や鋭い洞察力で切り崩していく三谷幸喜脚本の『古畑任三郎』。はじめに犯人が明かされる倒叙のスタイルや終盤の暗転の入れ方など、古い作品を意識した三谷脚本の粋とOPの映像や音楽など洗練された演出は私たちを夢中にさせました。ファイナルを迎える2006年までに制作された42作すべてが傑作であることにも驚きます。

紳士的でユーモラスな古畑任三郎と、笑福亭鶴瓶、福山雅治、玉置浩二、松本幸四郎らが演じた誇り高き犯人たちによる巧みな駆け引きはドラマ史に残る名シーンばかり。明石家さんま演じる弁護士と対決する法廷劇『しゃべりすぎた男』は、応酬する言葉が刺さり合う緊張感に息をのむ怪作、イチローが見事に犯人役を演じた『フェアな殺人者』も特別な作品です。

 

3.刑事ドラマの新しいスタイルを確立した
『踊る大捜査線』(1997年/フジテレビ系)

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ドラマ界に残る名言も多く飛び出した『踊る大捜査線』(画像はAmazonより:http://amzn.asia/7bCyLgN

サラリーマンから転職して刑事となった主人公・青島俊作(織田裕二)が、配属された湾岸署で柔らかい思考と揺るぎない正義感で、事件に挑む『踊る大捜査線』。

同僚をニックネームで呼ばない、警視庁を本店、所轄を支店と呼び、対立軸を徹底的かつコミカルに描いた新しい感覚は次世代に受け継がれます。丹念に骨太に描かれた人間性豊かな登場人物たちが、展開するスピンオフや特番、映画作品では主役になることでも話題になりました。
架空の運送会社「カエル急便」やオリジナルのインスタントラーメンも登場し、いわゆる小ネタでも視聴者を楽しませます。「事件は会議室で起きているんじゃない!」「俺に部下はいない。いるのは仲間だけだ」「事件に大きいも小さいもない」など、忘れられない登場人物たちの言葉に心が動きます。


4.時代が抱える課題に果敢に挑む『相棒』(2000年~/テレビ朝日系)

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高視聴率ドラマのトップを走り続ける『相棒』(画像はAmazonより:http://amzn.asia/2sKEpRZ


警視庁の閑職とされる特命係の係長・杉下右京(水谷豊)が相棒とともにさまざまな事件を解決していく『相棒』は2007年スタート、国際問題から家族の身近な事件まで、時代が抱える課題を常に巧みに取り上げています。

いい人ではない杉下右京の一貫した姿勢と視点で独自に問題提議し続ける力は『相棒』ならでは。何度観ても飽きることなく楽しめる過去の作品の完成度にも注目したいところです。

たとえば、クローン人間の誕生をテーマに新しい命をめぐって杉下右京と神戸尊(及川光博)が対立する『罪と罰』(season10)。二転三転する展開と危機一髪に息をのんだ『バベルの塔~史上最悪のカウントダウン!』(season5)、小日向文世の怪演に見入った『密やかな連続殺人』(season4)などサイコパス、隠蔽される警察の不祥事、組織の暴走といったハードな内容のほか、『右京さんの友達』(season12)や『BIRTHDAY』(season11)など通い合う心を描いたやさしい物語もぜひ観てください。

 

5.すべての人間が怪しく映る極上のサスペンス
『アンフェア』(2006年/フジテレビ系)

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サスペンスとしても光る『アンフェア』(画像はAmazonより:http://amzn.asia/bUa3Udh


検挙率No.1の敏腕刑事・雪平夏見(篠原涼子)が劇場型犯罪に挑むスリリングな刑事ドラマ『アンフェア』。1話完結が目立つ刑事ドラマですが、最終回まで「真犯人は誰なのか」視聴者を夢中にさせたという点、そして、原作の小説をベースにオリジナルのシナリオを広げていくことに成功したという点からも観るべき1作と言えます。

背負う現実の切なさに背を向け、容赦も躊躇もしない雪平の生き方は胸に迫るものがありました。二転三転する意外性と、すべての人間が黒幕に見える手法は抜群、極上のサスペンスを楽しめます。
 

6.圧巻のアクションで新風を吹き込んだ
『SP 警視庁警備部警護課第四係』(2007年/フジテレビ系)

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深夜ドラマから映画化に至るまでの大ヒットとなった『SP 警視庁警備部警護課第四係』(画像はAmazonより:http://amzn.asia/i8XEo0J


幼少期に両親を亡くしたことが原因で特殊能力を得た井上薫(岡田准一)がSPとして所属するチームとともにテロリストたちと繰り広げる闘いを描いた本格派アクションドラマです。

深夜のドラマに対するB級感的思い込みを完全に払拭させたこと、アクションに対する視聴者の意識を開花させたことからも必見の『SP 警視庁警備部警護課第四係』。オーバーな表情やリプレイによる過剰さもなければ、派手な銃撃戦もない一見地味なアクションは、ひとつ呼吸を間違えれば致命的となる真剣勝負、圧倒的な身体能力と厳しい訓練に支えられています。手に汗握りながら、アクションの新しいおもしろさを体感してください。


7.受け継がれるべき刑事ドラマの原点に息をのむ
『点と線』(2007年/テレビ朝日系)

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ビートたけしの凄みのある演技も見どころ『点と線』(画像はAmazonより:http://amzn.asia/1u66hPf


心中事件に違和感を持ったベテラン刑事が、複雑に絡む事件の背景と真犯人にたどり着くまでの執念を丹念に追った松本清張原作の『点と線』。平成19年度の文化庁芸術祭賞 テレビ部門 ドラマの部の大賞を受賞しています。

正義を貫こうとする昭和特有の熱、ジリジリと犯人に迫る緊張感、駅、鉄道、家屋、黒電話、昭和30年代を生き生きと再現した映像が、時代の光と影を味わい深く映します。受け継がれるべきドラマづくりの魂がはっきりと浮かび上がる映像は記憶しておきたいところ。
小林稔侍、宇津井健、江守徹、池内淳子、市原悦子、樹木希林など実力派の存在感は圧巻、若き刑事三原紀一を演じた高橋克典の凛々しさも印象的でした。歩き続け、考え続けるベテラン刑事鳥飼重太郎を演じたビートたけしの巧さが光る傑作です。

 

8.人形町の風情と人間模様が切なくも美しい『新参者』(2010年/TBS系)

おすすめ名作刑事ドラマ

刑事・加賀恭一郎が主人公の東野圭吾人気シリーズ『新参者』。『赤い指』はその一つ前に位置するスペシャルテレビドラマ。(画像はAmazonより:http://amzn.asia/bdBNZTZ


舞台は日本橋の人形町、新参者として赴任してくる刑事・加賀恭一郎(阿部寛)の活躍を描いた『新参者』、東野圭吾の人気シリーズが原作です。

クールな刑事ドラマが増えているなか、事件にかかわるすべての人に寄り添う気持ちに重きをおき、事件の真実に光を当てようとする加賀の信念を丁寧に描いた胸に染み入る人間ドラマ。繊細に描かれる人間の美しさは格別です。日本橋の粋と心地いい賑わいもみどころのひとつ、涙することもあればククっと笑うこともある、人間ドラマの醍醐味を堪能してください。


9.刑事ドラマを超えたスペクタルな世界観
『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』(2010年/TBS系)

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独特の世界観に魅了された人多数『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』(画像はAmazonより:http://amzn.asia/8iXpVfu


警視庁公安部が創設した「未詳」に配属された抜群の頭脳と特殊能力を持つガサツな当麻紗綾(戸田恵梨香)と筋肉派の無口な刑事・瀬文焚流(加瀬亮)が、サイコメトリー、未来予知、瞬間移動といった特殊能力「SPEC」がかかわる超常的な事件に挑み続けます。

壮絶な世界観は1999年放送の『ケイゾク』を継承、エンターテインメント性を存分に生かした映像と遊び心あふれる演出で、視聴者を引き込みました。常識を超越した存在に挑む壮大なストーリーに心が震える一方、小ネタ満載で描かれるコミカルな日常には中毒性を感じます。絶妙なバランス感で魅せるセンスは秀逸。刑事ドラマの固定観念を取り払い、世界観を楽しんでください。

 

10.緊迫の心理戦と圧倒的な演技力が素晴らしい
『緊急取調室』(2014年/テレビ朝日系)

おすすめ名作刑事ドラマ

緊迫の心理戦とプロフェッショナルたちによるチーム力が見どころ『緊急取調室』(画像はAmazonより:http://amzn.asia/08tdx6V


取り調べのスペシャリストたちを描いた『緊急取調室』。憎悪や悪意、正義感が充満する狭い空間のなか、ギリギリの駆け引きが繰り広げられます。

中高年で結成された一見地味なチーム「キントリ」が、犯人を自白させようとあの手この手を尽くす必死さは時に可笑しく時に切なく、視聴者を飽きさせません。心理戦を骨太に描く刑事ドラマは数多くありますが、阿吽の呼吸で生みだすプロフェッショナルなチーム力や中高年が育む友情、しゃれっけのある会話でエンターテインメント性を加味した点で本作は逸品。天海祐希、大杉漣、小日向文世、でんでん、田中哲司の演技力があってこそのおもしろさです。


名作続きの刑事ドラマ、見逃せない作品はほかにも!

BEST10には入らなかったものの、見逃せない作品はまだまだあります。

カッコよさを封印し人間味で勝負した『はぐれ刑事純情派』(テレビ朝日)は18年間続いた人気ドラマ。一方タカとユージ、主人公二人の生き方に憧れたファッショナブルな刑事ドラマ『あぶない刑事』(日本テレビ)やすべてが規格外だった『西部警察』(テレビ朝日)はカッコよさにこだわった刑事ドラマです。

また、華やか&ユーモア&視聴者をもあざむく手腕で話題となった『BOSS』(フジテレビ)や異常性のある犯罪に挑んだ『ストロベリーナイト』(フジテレビ)、未解決事件に特殊な手段で風穴を開けた『絶対零度』(フジテレビ)など女性刑事の活躍を描いたドラマも見逃せない素晴らしさです。
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