「そぞろ歩き」とは?
そぞろ歩きとは……国語辞典では、「気の向くままにぶらぶら歩き回ること」「特に目的もなく歩く」という意味と記されています。「なんとなく」「思いつくまま」「気まま」に温泉街を散策し、雰囲気を楽しむことは、温泉情緒もあり、温泉に来たという実感をするかもしれません。
全国各地にある温泉の中でも、特有の雰囲気が素敵で、そぞろ歩きが似合う温泉街をベスト10のランキング形式で発表しましょう。
<目次>
- 10位 銀山温泉(山形県)
- 9位 下呂温泉(岐阜県)
- 8位 野沢温泉(長野県)
- 7位 四万温泉(群馬県)
- 6位 有馬温泉(兵庫県)
- 5位 伊香保温泉(群馬県)
- 4位 城崎温泉(兵庫県)
- 3位 渋温泉(長野県)
- 2位 別府温泉(大分県)
- 1位 草津温泉(群馬県)
10位 銀山温泉(山形県)
ガス灯が素敵な銀山温泉
山形県尾花沢市にある銀山温泉は、大正ロマンの風情が漂う温泉街です。木造の3階、4階建ての旅館が並んでいて、季節ごとに情緒のある風景を楽しませてくれる銀山温泉。川には橋が多くかかり、また石畳の歩道には、ガス灯が幻想的な景色を作り出しています。
銀山温泉で人気があるカレーパン
銀山温泉の泉質は、ナトリウム―塩化物・硫酸塩温泉。 温泉の色は無色透明で、少し塩味があり、硫化水素臭がする温泉です。
温泉は、温泉街にある旅館の他、銀山温泉の中央部に位置する「大湯」や、温泉街手前にある「しろがね湯」と、2つの共同浴場があります。
温泉街で人気があるのは、はいからさん通りにあるカリーパン。カリッとしていて、もちもち感もある生地に、スパイスがきいたカレーパンです。日によっては完売してしまうこともあるくらい人気があります。
<DATA>
銀山温泉
・住所:山形県尾花沢市銀山新畑地内
・電話:0237-22-1111
・公式HP
9位 下呂温泉(岐阜県)
下呂温泉の名物的な風景
下呂温泉は、草津温泉や有馬温泉とともに、日本三名泉に数えられている温泉地です。
下呂温泉には、飛騨川沿いに湧く噴泉池をはじめ、3か所の共同湯と10か所の足湯があり、温泉を求めてそぞろ歩きしている人達を、足湯周辺でよく見かけます。
下呂温泉の温泉を使って作られた温玉が乗ったソフトクリーム
下呂温泉では、ゆあみ屋の温玉ソフトが人気。足湯に浸かりながら、下呂温泉で作られた温泉玉子が添えられたソフトクリームを食べている人達の姿が、多く見られます。
温玉とソフトクリームは、混ぜ合わせると、カスタードクリームのような味。コクがあっておいしいソフトクリームでした。
<DATA>
下呂温泉
・住所:岐阜県下呂市湯之島
・電話:0576-25-2064(旅館協同組合)
・公式HP
8位 野沢温泉(長野県)
野沢温泉街並み
野沢温泉は、長野県北部に位置している温泉地です。標高1650mの裾野に多くの旅館や、宿泊施設が並び、旅館の温泉の他、地元の人達によって大切に守られている共同湯が13軒あります。
温泉の泉質は、単純硫黄泉。シミ生成の予防効果が期待出来る温泉です。
野沢温泉と言えば野沢菜。福田屋&ハウスサンアントンのおやき。熱々の出来立ては、本当に絶品!
野沢温泉といえば、野沢菜。お宿でも美味しい野沢菜をいただくことができますが、福田屋&ハウスサンアントンのおやきは、ガイドもおすすめ。野沢菜そのものが美味しいのはもちろんのこと、生地もおいしいおやきを、欧風の雰囲気が漂う店内でいただくことができます。
<DATA>
野沢温泉
・住所:長野県下高井郡野沢温泉村豊郷
・電話:0269-85-3155(野沢温泉観光協会)
・公式HP
7位 四万温泉(群馬県)
どこか懐かしい雰囲気が漂う四万温泉
上毛カルタで、世のちりを洗うと言われている四万温泉。温泉の名前は、四万の病を癒す霊泉であるとする伝説に由来されているそうです。群馬県の文化財に指定されている積善館が有名ですが、このほかに、寸志で入浴が可能な露天風呂や共同湯が4軒あります。
温泉は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。群馬県の源泉台帳に登録されている源泉は、全部で42か所と豊富です。
柏屋カフェの温泉カプチーノ。人気です。
そぞろ歩きにおすすめなのは新湯地区。目抜き通りにはお土産物屋や焼きまんじゅうのお店、昔ながらの酒屋、民宿などが並んでいます。「千と千尋の神隠し」のモデルとなった「積善館」や前述の「河原の湯」など、代表的な見どころもある地区です。なかでも散策でぜひ訪れてほしいのが、柏屋カフェ。こちらでカプチーノをオーダーすると、温泉マークをアートしてくださいます。
<DATA>
四万温泉
・住所:群馬県吾妻郡中之条町四万
・電話:0279-64-2321(四万温泉協会)
・公式HP
6位 有馬温泉(兵庫県)
有馬温泉 街並み
有馬温泉は、大阪から約1時間、神戸の中心街から約30分ほどのところにある温泉で、日本三古湯の1つに数えられている温泉です。狭い坂道が入り組み、風情たっぷりの「関西の奥座敷」。温泉は、鉄分と塩分を含み褐色の「金泉」と、透明でミネラルなどを多く含む湯の「銀泉」があり、いずれも高い美肌効果が期待出来る温泉です。
旅館だけではなく、公共の外湯として「金の湯」「銀の湯」があり、「金の湯」の横には、無料の足湯もあります。
パンド坊の山椒パン。中には山椒の佃煮も入っていて、かなり山椒がきいたパン。
有馬温泉では、炭酸を使ったおせんべいやコスメなどもありますが、なかでも温泉客のなかでも人気があるのが、金泉の前にあるパンド坊の山椒パン。山椒が結構しっかりときいているのですが、病みつきになってしまうパンでした。
<DATA>
有馬温泉
・住所:兵庫県神戸市北区有馬町790-3
・電話:078-904-0708(有馬温泉観光協会)
・公式HP
5位 伊香保温泉(群馬県)
伊香保温泉といえば、この石段が名物的存在です
温泉の泉質は、硫酸塩泉。血行が促進され、よく温まる他、ハリや潤いをアップされることが期待出来る温泉です。
温泉まんじゅう発祥のお店と言われる勝月堂
温泉まんじゅう、実は伊香保温泉にある勝月堂の湯の花まんじゅうが発祥と言われています。茶色の皮は、伊香保温泉にある黄金の湯の茶褐色の湯の色から作られたとのこと。皮はしっとり、餡はぎっしりと食べ応えがあるまんじゅうです。
<DATA>
伊香保温泉
・住所:群馬県渋川市伊香保町伊香保
・電話:0279-72-3151(渋川伊香保観光協会)
・公式HP
4位 城崎温泉(兵庫県)
城崎温泉 街並み
平安時代から親しまれている城崎温泉は、1300年以上の歴史がある温泉です。浴衣でカランコロン♪と浴衣でそぞろ歩きをすると言えば、この城崎温泉を上げる人は少なくなく、温泉地でそぞろ歩きをするとネットで検索すると、上位に挙げらている程人気がある温泉地です。
街の中心を流れる川と太鼓橋、そして両側に揺らめく柳が、特有の風情を醸し出していて素敵です。
温泉は、7つの外湯を巡る「七湯めぐり」が、観光客の人気を集めています。泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉。保温保湿効果が期待出来る湯です。
大黒屋のカニちらし寿司。お持ち帰りもできました。
城崎温泉の近くにある津居山港で水揚げされる松葉かには、その漁場の近さから、高い鮮度と瑞々しい味わいをもつ「津居山かに」と呼ばれ、大変人気があります。
大黒屋でいただくことができるカニちらし寿司は、カニならではの旨味を上手に引き出しているちらし寿司が絶品で、このお寿司のために城崎温泉に行きたくなってしまうほど印象に残ったちらし寿司でした。
◆大黒屋
・住所:兵庫県豊岡市城崎町湯島87
・電話:0796-32-2728
・営業時間:10時30分~17時
<DATA>
城崎温泉
・住所:兵庫県豊岡市城崎町湯島
・電話:0796-32-3663(城崎温泉観光協会)
・公式HP
3位 渋温泉(長野県)
渋温泉街 そぞろ歩きの様子
長野県北部に位置する渋温泉。一帯は「湯田中渋温泉郷」と呼ばれています。渋温泉の温泉街は、昔ながらの風情を漂わせていて、日本には温泉街が数あれど、浴衣姿で草履を鳴らしながら、石畳の小道をそぞろ歩きをするのが絵になり、そして楽しいと個人的には強く思う温泉街です。
渋大湯。こちらは宿泊しなくても日帰り入浴で利用できるとあって、人気があります。
渋温泉には、宿泊すると9つの外湯(共同浴場)があり、宿泊先で鍵を借りることができます。
9つの外湯をすべて巡ると、「九(苦)労を流し、厄除け、安産育児、不老長寿」の御利益があると言われています。最後に薬師如来を祀る「渋高薬師」にお詣りすることで、満願が成就するのだそう。
9つの共同浴場はそれぞれ効能が違うので、それぞれの雰囲気やお湯を楽しむことができます。共同浴場の中でも一番大きな「渋大湯」だけは、日帰り入浴も可能です。
小古井菓子店のうずまきパンは地元で大変親しまれているもの。シンプルで素朴。クセになるおいしさでした。
渋温泉の名物と言われているのが、温泉街にある小古井菓子店の「うずまきパン」。少し温めることを推奨してくださるので、その通り温めると、中のマーガリンがじんわりと溶けて、カスタードの甘さとのコラボがおいしいパンでした。こちら、地元の方だけではなく、観光客にもとても人気があり、週末は完売してしまう日も少なくないのだとか。
数多く湯めぐりをすると、結構体力も消耗しますので、ちょっと休憩のお供にいいな、と思ったパンでした。
<DATA>
渋温泉
・住所:長野県下高井郡山ノ内町平穏
・電話:0269-33-2921
・公式HP
2位 別府温泉(大分県)
別府温泉の中でも別府市のシンボルとされている竹瓦温泉。威風堂々、そびえ建ちます。
大分県別府市にある別府温泉は、8つの温泉地(浜脇、観海寺、堀田、明礬、鉄輪、柴石、亀川、別府)からなり、共同湯は市内に100か所以上あります。別府市内、街のあちらこちらから湯けむりが立ち上り、温泉が豊富に湧いているので、何度訪れても新たな発見がある温泉地です。
別府には様々な温泉がありますが、にごり湯は明礬地区にあります。
観光では、温泉だけではなく地獄巡りも人気があり、特に海地獄、血の池地獄、龍巻地獄、白池地獄の4つは、国の名勝に指定されています。
明礬にある岡本屋では、地獄で蒸した玉子を使ったサンドイッチもプリンも絶品です。
別府のおやつで人気があるのは、明礬地区にある岡本屋の地獄で蒸した玉子を使った料理やプリン。プリンは特に人気があり、大分空港や別府駅の売店でも販売されていますが、明礬にある山小屋風の建物の中で、地獄を見ながらいただくのがおすすめです。
<DATA>
別府温泉
・住所:大分県別府市
・電話:0977-24-2828(一般社団法人別府市観光協会)
・公式HP
1位 草津温泉(群馬県)
湯畑周辺は、旅館の浴衣を着た人達も、そぞろ歩きをしています
自然湧出量が日本一を誇る草津温泉は、毎分32,300リットル以上、1日にドラム缶約23万本もの温泉が湧き出ています。
シンボルの湯畑を中心に、お土産屋さんや飲食店などが並んでいて、観光客が、そぞろ歩きをしている姿を多く見かけます。
源泉は主に2つ。基本的には酸性泉ですが、源泉の場所によっては硫黄泉のところもあります。比較的刺激が強い温泉の泉質ですので、デリケートな肌質の方は、注意が必要です。
白旗の湯。女性風呂は、熱めと温めが隣同士、並んでいます。
草津温泉には無料の共同湯が19か所ありますが、現在観光客に開放されているのは3つ(白旗の湯、千代の湯、地蔵の湯)。特に、湯畑前にある白旗の湯は人気があり、いつも多くの人々で賑わっています。
珈琲専科 綾のおいしいコーヒーとホットサンドがここでしか味わえないおいしさ。キャベツがたっぷりです。
草津温泉では、これぞ昔ながらの喫茶店という雰囲気で、レトロな佇まいの珈琲専門店「珈琲専科 綾」にて、サイフォンを使った本格的なコーヒーをいただくことができます。
コーヒーはもちろんおいしいのですが、こちらのキャベツがたっぷり入ったホットサンドが絶品です。
<DATA>
草津温泉
・住所:群馬県吾妻郡草津町草津
・電話:0279-88-0800(草津温泉観光協会)
・公式HP
珈琲専科 綾
・住所:群馬県吾妻郡草津町草津114-2
・電話:0279-88-4865
・営業時間:8時~17時
各情報誌や旅館検索サイトなどのランキング、ガイドの独断と偏見も含めながらベスト10にまとめましたが、今回ご紹介しなかった温泉街の中でも、雰囲気が素敵で、温泉街としても共同湯の温泉も素晴らしいところも、まだまだあります。ぜひお気に入りの温泉街を探しに、湯旅の計画を立ててみてはいかがでしょうか?
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