100万円を貯める基本の方法とは?
お金を貯めるための最大のコツは、稼いだ分以上のお金を使わないということです。そのコツを前提に、いくら節約してもお金を貯めることができない人のために、100万円を貯めるための具体的な方法を紹介します。銀行の自動積み立て定期預金や財形貯蓄制度などで毎月定額を貯めるのは、まず100万円を貯めるための第一歩となると思います。毎月の給与から強制的に積み立てができるからです。その他のポイントについて、解説していきます。
高金利のカードローンなど「借入」をなくす
お金の相談を受けていると昨今とにかく目立つのがカードローン利用者です。リボ払いやキャッシング、カードローンなど、金利の高い借入(ローン)をゼロにすることが最優先です。借入がある場合は、まず借金返済に努めてください。金利の恐ろしさを知りましょう。例えば、年金利14%のカードローンを50万円借りていたとします。月々の返済はたったの6000円。返済が終わるのはいつになると思いますか?答えは、「約25年8カ月」です。元本はほとんど減っていかず、金利ばかりを支払い続けるのです。支払う利息は、借りた50万円の2.7倍で「135.5万円」です。
この例は極端ですが、このような方は多いのではないでしょうか。「満期の利回りが約0.5%の学資保険に加入しながら、金利4%のローン返済をしている」。この場合、学資保険をやめてローン返済を早めるべきです。
お金を貯めるための大きな目標を立てる
お金を貯めるためには、まず最初に大きな目標を持ちましょう。- 豪邸を建てる
- 高級な車を買う
- 宇宙旅行へ行く
貯金ゼロの人は小さな目標から始めよう
最初は、3カ月で3万円でも5万円でも10万円でもいいので、目標額を決めてそれだけを目指します。ゼロから生み出すのですから、きっと苦しいはずです。そこを乗り越えましょう。とにかく3カ月間続けることです。自分だけで続けられない場合は、家族や友人に宣言(SNSやブログで公表するのも良し)して、経過と結果を報告してください。収入と支出を把握する
給与明細を見て、手取額がいくらあるのかを確認しましょう。次に、支出を洗い出します。差額が出たら、その費用の内容を突きとめます。火災保険や税金、年会費など、数カ月に1度や1年に1度の費用、臨時の支出を疑いましょう。わからない場合は、使途不明金です。今後の貯蓄や投資にまわしましょう。個別の支出の節約方法は、各々テクニックがあります。インターネット上の記事や雑誌を参考にしたり、節約の専門家に相談したりしてみましょう。支出を分ける
毎月の支出、3カ月から1年に1度の支払いに分けます。最初は、細かく分けて、とにかく必要でない支出が何かを見極めます。節約にも努めましょう。将来の収入を増やすため
同じ支出でも、有益なセミナーに参加したり、大学の公開講座を受けたり、大学院に行ったり、資格を取得したり、本を読んだりすることは、未来の収入につながる可能性があります。「自分の価値をあげる支出」には積極的に投資しましょう。但し、条件があります。参加しているだけで満足せず、全力で取り組むことです。お金をかけずに学びたい方は、TEDなどの動画やラジオ(通信料、電気代はかかりますが)、公立図書館がおすすめです。人は不合理な行動をするため貯金に失敗する
お金に色はありません。給与で得たお金も、ギャンブルで得たお金も同じ「お金」です。ところが、宝くじに当せんしたり、ギャンブルで勝つなどの臨時収入は、汗水たらして得た労働の収入とは分けて考えてしまい、再びギャンブルに費やしたり、一晩でパーっと使ってお金を失ってしまうことがありませんか。「労働で手に入れた労働と、ギャンブルで手に入れたお金は別もの」と、お金に色を付けてしまい、時にムダ遣いなどの不合理な判断をするのです。これを「メンタルアカウンティング(心の会計)」といい、2017年にノーベル経済学者を受賞したリチャード・セイラー氏が提唱しました。不合理な選択をするのが「人」ですが、そのことを理解して家計全体で判断できるようにしましょう。
お金の流れを知る
収入と支出が把握できたら、次はどのようにお金が生み出されるのか、どこへ消えていくのか、図に描してみるなどして、お金の流れを整理しましょう。楽して貯める方法はない
楽なビジネスや投資で一気にお金を貯める方法や収入を増やす方法はありません。あるとするなら、それは詐欺か公序良俗に反する行為だったり、あるいは「たまたま」です。収入を産む資産や資本的支出をコツコツ積み上げましょう。徐々に資産増加のペースが速まり、10年も経てば何もしない場合とは、大きな違いになっているでしょう。加速させたいなら
収入を増やすことで、貯蓄のスピードを速めることができます。方法は、昇給や転職、起業だけではありません。インターネットを使えば、モノやコト(特技や趣味を活かした知識など)も売ることができます。モノを売るには、仕入が必要で元手が必要ですから、100万円貯めるまでは「コト」売りをおすすめします。記事を書く、デザイン制作、翻訳などの専門的な仕事から、会社の名前やキャッチフレーズを考えるといったクリエイティブなもの、話を聞く、力仕事を手伝う、買い物を手伝う、掃除するなどの手助け的な仕事まで色々な「コト」が売れるのです。
自分では当たり前のことが、他人にとっては価値のある情報だったりするので、「私には売れるものがない」とあきらめずに何か1つ探してみましょう。他の人がどんなものを売っているのかを調べるのも参考になります。ただし、本業に差し支えるようなことや健康に害を及ぼすような無理はしないようにしましょう。
口座やクレジットカードはいくつもつ?
通帳は必ずしも分ける必要はありません。ネットバンク、窓口にかかわらず口座を増やすと時間と手間も余計にかかるからです。口座とクレジットカードは、それぞれ1つに絞ることをおすすめします。維持手数料がかからないものにしましょう。口座を1つにしたら、支出を家計簿アプリ、表計算ソフトや家計簿(紙)で分けて管理すれば充分です。一定額を自動的に積み立てていける定期積立口座や一般財形貯蓄は有効です。しかし、簡単に解約できてしまうので、自制できないのであれば意味がありません。
習慣を見直す
コンビニでついお菓子を買ってしまう。喫茶店・カフェ通い、缶ジュースを飲む、煙草を吸う、ギャンブルなどやめたいと思っている習慣があれば、やめましょう(減らしましょう)。少しずつ減らす時にも、1日1日達成できたら、必ず自分のことを「よくやった!」とほめてください。家族や友人に褒めてもらっても良いです。私に連絡をもらえれば私が褒めます。楽しみを作るのが長続きのコツです。ちなみに自分が実践した時のコツは、一気にやめること。そして、食べたい・吸いたいと思った時に深呼吸して我慢することです。
1カ月あたりの負担を減らす
1年で100万円を貯めようとする計画を立てたとします。単純に計算すると、1カ月あたり83,334円以上の預貯金積立が必要になります。1,000円未満を切り上げて、84,000円です。しかし、これまでお金を貯めることができなかった人に84,000円を絞り出すことは至難の業と思ってしまいますよね。1つの解決方法は、夫婦や恋人同士2人で力を合わせることです。すると毎月の積立額は1人42,000円になります。しかし、まだこれでも厳しいという声が上がりそうです。その時は、3年に延ばしてはどうでしょう。すると、月々の必要積立額は28,000円、2人ならば14,000円となるのです。
100万円の壁
貯蓄100万円というのは、最初の壁と言われることがあります。今回紹介した方法で貯蓄100万円の壁を乗り越えてもらいたいのですが、実際には、80万円、90万円前後をさまよっているわけではなく、貯金額「0円」という方が多いというのが私の実感です。今回は100万円貯める方法というテーマでしたが、まずは毎月の1万円、そして1年で10万円でも残していけるよう習慣を変えていくことから始めてみることをおすすめします。【関連記事】