シングル平均貯蓄942万、貯蓄ゼロ46%
シングルはお金が貯まりやすいといわれていますが、実際はどうなのでしょうか? シングル世帯での金融資産事情についてみてみましょう(金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」[単身世帯調査] (2017年)より)。上の表は、単身世帯での世帯主年齢別の金融資産有無です。全体では46.4%が金融資産無しという結果に。半数近くのシングルは貯蓄が無いという、少しショッキングな結果となっています。
年齢別にみると、20歳代は61%と6割もが貯蓄ゼロとなっています。30歳以降もどの年代も4割前後が貯蓄ゼロ。多くのシングルが貯蓄なしで生活している実態が浮かび上がります。
※金融資産とは「定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、運用の為または将来に備えて蓄えている部分」。預貯金や貯蓄性の保険、株や党信託などの有価証券、財形貯蓄などが含まれる。
平均貯蓄20代321万、30代470万、40代643万円
次に、金融資産の保有額を年齢別にみてみます。全体の平均は942万円、中央値は32万円。平均値は前年(822万円)より増え、中央値も前年(20万円)より増えました。ここで、中央値とは金額順に並べた時の真ん中になる値。この中央値32万円が世間の実態をより強く反映していると考えられます。
世帯主の年齢別に平均をみると、20代142万、30代589万、40代 936万と着実に増やし、50代1342万、60代1835万と50代で1000万円超えと順調に増やしています。
一方、中央値をみると20代0円(貯蓄ゼロが半数を超えているため)、30代83万、40代30万、50代130万、60代300万。40代だけが減ってはいますが、年齢とともに上昇の傾向はでています。離婚などを経てシングルになった場合などは、貯蓄が少ない場合もあるかもしれません。年齢以外にも貯蓄額が変動する要因が多そうです。
貯蓄有の最多層は40代で3000万円超え
上の表は、年齢別の金融資産額の割合です。年齢別で一番割合が高かった層を色付けしています。20代、30代では100万未満が多いですが、40代以降では一気に3000万円以上という結果に。40代の中央値は30万円だったのに、最多貯蓄層は3000万円以上。40代以降は、どの貯蓄層にもまんべんなく散らばっているようです。また、貯めている人と貯めていない人の差がかなり大きくでているようです。
年収1000万円以上でも2割が貯蓄ゼロ?
最後に収入別の状況もみておきましょう。貯蓄ゼロの割合をみてみると、収入無で67.7%とかなり高い割合になっています。年収300万円未満でも半数を超え53.3%。やはり、収入がないと貯蓄ができにくいようです。とはいっても、年収1000万円から1200万円での貯蓄ゼロは45.5%。この層の調査対象は11人と少人数になっており、一概に全体の傾向としてとらえることは危険ですが、とはいっても、半数近くが貯蓄ゼロというのは事実。高収入でも独身貴族と散財していると貯金がゼロということもあるのでしょう。もしくは、離婚後に子どもの養育費を支払っているというシングルもいるかもしれません。
とはいっても注目すべきは、年収1200万円以上の貯蓄平均。なんと、1億6021万円とのこと。中央値も4750万円ですから、シングル高収入の多くは数千万、もしくは億単位で金融資産をもっているようです。
シングルの貯蓄は貯めている人と貯蓄ゼロの人がしっかりと分かれている様子がうかがえます。一般的にはシングルは貯めやすいはず。しっかりと貯蓄が増えるように習慣づけることが大切です。