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健康経営銘柄…政府お墨付きのホワイト企業はここ!

働き方改革とともに注目を集める健康経営。それを実践するの証明が「健康経営銘柄」です。政府お墨付きのホワイト企業との認識が就活中の学生の間で広まり、採用にも大いに効果を上げています。上場企業ならぜひとも取得したい健康経営銘柄の内容、取得メリット、選定基準などについて紹介します。

豊田 健一

執筆者:豊田 健一

総務人事・社内コミュニケーションガイド

働き方改革と健康経営の関係

働き方改革は第2章に入った、と言われます。

長時間労働の削減から始まり、今のテーマは生産性の向上。そのための人づくり革命が、リカレント教育というキーワードで進んでいます。既に新聞紙上で公表されたIT系の教育投資への給付金をはじめ、今後もいろいろなサポート制度が始まるでしょう。
健康経営

働き方改革の前に健康経営


一方、健康経営という言葉も盛んに聞かれるようになりました。企業が従業員の健康に配慮することで、生産性の向上、創造性の向上、さらには企業ブランドの向上と、様々な面で経営上のメリットもある健康経営。多くの企業で取り組みが始まっています。

国も健康経営に力を入れています。NPO法人健康経営研究会の岡田邦夫理事長が中心となって進められ、その活動が「日本再興戦略」をきっかけに本格的に動き出したのが2013年頃です。

この健康経営の認知度が大きく高まったのが、2015年にスタートした「健康経営銘柄」の設定です。

生産性向上を目指した働き方改革は重要ですが、従業員が心身ともに健康でなければ、生産性向上どころではありません。健康経営とそれにつながる働き方改革の戦略を別々ではなく、一連の流れで考えるべきなのです。

「健康経営銘柄」とは?

健康経営銘柄とは?

健康経営銘柄ロゴ

「健康経営銘柄」は、日本再興戦略の中の「国民の健康寿命の延伸」に対する取り組みの一つとして、経済産業省と東京証券取引所が始めた活動です。




■健康経営銘柄とは
  • 東京証券取引所の上場企業から「健康経営度調査」の回答結果と財務面でのパフォーマンス等を考慮し選定
  • 経済産業省と東京証券取引所が共同で、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業を選定
  • 原則1業種1社を選定

銘柄選定の狙いは、長期的な企業価値を重視する投資家に対し、魅力ある企業を紹介し、企業による健康経営の取り組みを推進することです。

「健康経営銘柄」の選定企業は?

■2018年の選定企業一覧

2018年は26業種・26社が選定されました。

キヤノンマーケティングジャパン、丸井グループ、みずほフィナンシャルグループなどが初めて選定された一方で、花王、TOTO、テルモなど6社は4年連続で選定されている企業もあります。

■これまでの選定企業一覧
 

「健康経営銘柄」の選定基準

選定にあたっては、経営から現場まで、各視点から健康への取り組みができているかを下記の項目により評価します。

  • 「健康経営が経営理念・方針に位置づけられているか」
  • 「健康経営に取り組むための組織体制が構築されているか」
  • 「健康経営に取り組むための制度があり、施策が実行されているか」
  • 「健康経営の取り組みを評価し、改善に取り組んでいるか」
  • 「法令を遵守しているか」など

選定基準は下記の通りです。

  • アンケート調査の総合評価の順位が上位20%以内であること
  • 株主資本利益率(ROE)が過去3年間の業種の平均を上回っていること
  • 重大な法令違反などがないこと

全上場会社を対象に、健康経営の取り組み状況把握と優良な取り組み事例の収集を調査を行い、その結果を銘柄選定の際の基礎資料として利用しています。

健康経営銘柄に選ばれる効果は?

2015年、第1回目の健康経営銘柄選定企業を発表されました。新聞や雑誌にも取り上げられ、大きな反響がありました。

特に反応が早かったのが就職活動中の学生で、「健康経営銘柄企業は、政府お墨付きのホワイト企業」と評判になりました。
健康経営

健康経営は採用に効果あり


元々は、資本市場での評価に重きを置く経営者にアピールするために考えられた健康経営銘柄でしたが、人材採用の武器として注目を集めたことで、企業規模にかかわらず認知が広がりました。

当初は1回で終える予定でしたが、各方面からの大きな反響により、翌年以降も継続することが決定しています。

健康経営銘柄の選定材料となる「健康経営度調査」への回答企業数も大幅な伸びを見せています。
  • 第1回:493法人
  • 第2回:573法人
  • 第3回:726法人

健康経営銘柄の説明会も大入り満員状態が続きました。経済産業省には、上場企業のみならず、非上場企業・中小企業からも「ホワイト企業といわれるために何をすればよいのか」という問い合わせが殺到したそうです。

さらに興味深いデータとして、「取引先や調達先の健康経営について把握、考慮しているか」との設問に、健康経営銘柄企業の9割が「している」と答えています。

つまり、この先「健康経営が取引条件」という時代が来ることも十分考えられるのです。人材・資金・事業、全てにおいて健康経営に取り組むことが求められる時代になりつつあります。

健康経営銘柄・調査票の入手方法

健康経営銘柄に認定されるには、経済産業省が、従業員の健康管理に関する取組やその成果を把握するためのアンケート調査=「健康経営度調査」に回答する必要があります。

この回答結果を元に、健康経営度が上位20%に入り、必須項目と優良法人認定基準両方を満たす企業が銘柄選定企業候補として選定され、その中から、先に記した選定基準に沿って選ばれます。

「健康経営度調査」は、「上場企業」及び「非上場企業のうち前年度調査票を回答した企業」には調査依頼状等の案内が送付されます。

その他の企業が調査票を入手するためには調査委託先に連絡することがが必要です。健康経営優良法人認定制度や健康経営度調査票の入手方法等については、経済産業省ホームページをご参照ください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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