65歳からもらえる老齢基礎年金を繰り下げ受給したい理由
老齢基礎年金は、原則、65歳からもらえるようになります。でも、もらえるようになっても、もらわない方がいいと筆者は考えています。その理由は3つあります。理由1 60代・70代は若くて元気! まだまだ働ける!
今の60代・70代は若くて元気です。だから、働く体力・能力・気力は十分にあるので、働かないともったいない! 少子化で若年層の労働人口が減っているので、その不足を補うためにシニアパワーを社会が求めています。そして、社会保険料や税金などの義務的負担も行う社会の支え手になることも。その傾向は、これからも当分の間は変わらないでしょう。ですから、65歳間近の人やそのあとに続く50代・40代の人も、65歳でリタイアして年金生活に突入する(できる)なんて考えないで。大病をしたなどで働きたくても働けない人は、その限りではありません。
65歳を過ぎても働き続けて収入が得られれば、年金をもらわなくても生活できますよね? 年金は70歳まで繰り下げられるので、そこまで繰り下げを。そして、70歳になったら、年金をもらいながら働き続けましょう。
理由2 現役時代に匹敵する長い年月、年金を給付し続けるのは大変なことを肝に銘じよう!
人生100年時代になり、65歳から年金をもらい始めると、30年~40年と年金をもらう期間が長くなります。これは、現役時代に匹敵する長さです。そんな長期にわたって、現役世代からの仕送り(保険料)で年金を給付し続ける年金制度は成立しないと思いませんか? 現役世代の人数が多ければ成立するのでしょうけれど、残念ながら、少子化の日本では現役世代はどんどん減っていき、現状でも、基礎年金に税金を投入している状況です。こんな状況を考えると、せめて、年金開始を遅らせて年金をもらう期間を短くするくらいのことは実行したいものです。
理由3 年金を繰り下げると増える!
「もらえるものはもらう」、「早くもらわないと死んでしまうかもしれないから」と、年金がもらえるようになると、すぐにもらい始める人がほとんどのようです。でも、前段で説明した理由やその他の理由でもいいのですが、もらわない選択もアリだと思います。もらい損ねを心配している人は、そう簡単には死なないので心配には及びませんよ。仮に、もらう前に死んでしまったり、もらい始めた直後に死んでしまったら、「自分の年金は長生きする人にくれてやる!」くらいの気持ちでいればいいのです。
現状では、70歳まで年金を繰り下げられます。筆者は、65歳になっても年金はもらわず、70歳まで繰り下げます。
年金の繰り下げを申し出ると、その日の年齢に応じて月単位で年金額が増えます。増倍率は、月あたり0.7%です。70歳まで繰り下げると、65歳からもらい始める年金額の1.42倍になります。さらに、2022年(4月)からは、75歳まで繰り下げることができます。倍増率は1.84倍となります。
ちなみに、年金額を増やすために、65歳からもらわない方がいいといっているのではありません。1と2の理由が主で、年金が増えるのは、オマケみたいなものです。
※All About生命保険ガイド・小川千尋さんの記事を編集部が最新情報に加筆
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