信託期間が無期限のファンドは全体の35%

「投資信託は20年、30年保有するつもりで買わなければいけない」という意見は、投資信託の専門家と称する人たちから、よく聞かされます。
確かに、長期で保有すれば、購入時手数料というコストが保有年数に応じて案分されるので、1年あたりの負担率は軽減されますし、長期的な経済成長を取りに行くという観点からも、長期保有が望ましいとは言えます。

本当に信頼できる投資信託とは

長期投資に向いた投資信託とは



それに、投資信託はそもそも短期のトレーディングには不向きですから、やむを得ず長期保有を選択するしかないという事実もあります。
さて、老後の資産形成を行うにあたり、投資信託の長期保有がベターな選択肢であるという意見が、世の大勢を占めております。ただ、そこで考えなければならないのは、長期保有できる投資信託がどの程度あるのか、ということです。

いつでも購入・解約できる追加型投資信託のうち、SMAやDC専用のファンド、短期トレーディング向きのブル・ベアファンドを除いた4593本について、長期保有が可能なものがどのくらいあるのかを調べてみました。

投資信託には「信託期間」があり、それが満了した時点で運用が終了し、受益者の持ち分に応じて償還金が支払われることになっています。したがって、長期でずっと保有するつもりなら、信託期間の定めがない「信託期間無期限」のファンドを買うに越したことはありません。
では、4593本のうち信託期間が無期限のファンドは何本あるのかというと、1626本です。ということは、約65%のファンドは、信託期間が設けられていることになります。

次に、信託期間が設けられている2967本について、もう少し詳しく見てみましょう。仮に長期を10年と仮定した場合、2018年2月時点で残りの信託期間が10年を超えるファンドが何本あるのかということですが、わずか167本です。なお、残りの信託期間が5年にも満たないファンドの本数は、1433本でした。

長期で保有できるファンドは842本

とはいえ、投資信託は約款変更によって信託期間を延長することが出来ます。つまり、信託期間の満了日が近づいても、信託期間を延長すれば、さらに今後10年、15年の運用が可能になるケースもあります。

信託期間が延期されるには、ある程度、純資産総額の規模が必要です。純資産総額が10億円程度では、投資信託会社も販売金融機関も、平たく言えば儲からないので、ほぼ確実に償還させます。そこで、信託期間が延長される純資産総額の基準を100億円として、それを上回る純資産総額のファンドが、信託期間を設けてある2967本中どのくらいあるのかを調べると、わずか493本でした。

これは、恐らく信託期間が無期限のファンドにも当てはまります。いくら信託期間が無期限だとしても、純資産総額が小さければ、繰上償還されるリスクがあります。そこで、信託期間が無期限の1626本のうち、純資産総額が100億円を超えているファンドの本数を調べると、349本でした。

4593本のうち、信託期間が設けられておらず、かつ繰上償還リスクが低いファンドが349本。信託期間は設けられているけれども、信託期間の延長措置が取られる可能性のあるファンドが493本。合計で842本が、「恐らく」20年、30年という長期保有に耐えられる条件を備えているファンドと考えられるのです。

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