ゲーム業界ニュース/ゲームニュース講座

MHWが素晴らしすぎてPS4ごと買っても良いと思う

2018年1月26日にカプコンから発売されたPlayStation4用タイトル「モンスターハンター:ワールド」、生まれ変わったといっていいぐらい進化したその中身についてご紹介します! PS4がないよ、という人も、本体と一緒の購入を検討して損はありませんよ!

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

初週200万本!

MHWの図

ちなみに、全世界出荷500万本で、過去最高記録を更新しています。

ちょっとビックリしました。2018年1月31日、ゲーム総合メディアの「ファミ通」はカプコンから発売されたPlayStation4用タイトル「モンスターハンター:ワールド(以下MHW)」の国内販売本数が、発売初週の3日間でパッケージ版が約135万本、ダウンロード版を含むと200万本を超える勢いであると発表しました。

【関連サイト】
『モンスターハンター:ワールド』発売3日間で135万本を販売! PS4タイトルで過去最高の初動、累計販売本数も歴代トップに(ファミ通.com)

この数字は、PSPや、ニンテンドー3DSといった、本体普及台数が非常に大きい携帯機に発売した過去シリーズタイトルと比較しても、トップクラスの売り上げです。PlayStation4は国内普及台数が約620万台なので、おおよそ3人に1人近くが購入していることなります。

MHWがここまで売れた背景には、やはりゲームの素晴らしさがあります。もしかすると、遊んでいない方の中にはPS4になってグラフィックは綺麗になったけど、いつものモンハンだろうと思っている人もいるかもしれません。しかし、実はむしろ生まれ変わったと言っていいくらい劇的な変化を遂げているのです。

PS4を持っているユーザーは、驚くほど多くの人が、この新しいモンハンを支持しました。これによって、おそらくPS4を持っていない人も、「あれ、今回のモンハン評判いいの?」と気になり始めた人が増えているタイミングなんじゃないかと思います。

そんな人のために、MHWになってどう変わったのか、実はあまりに良くなった点が多すぎて全てはご紹介しきれないんですが、ご説明してみたいと思います。そしてもし、この記事を読んで面白そう、やってみたいと思いましたら、PS4と一緒に購入を検討しても良いんじゃないかと思います。本体と購入しても損がないくらい、MHWは大変に素晴らしい名作に仕上がっています。

シームレスで広大なマップ

MHWの図

導虫はぴかぴか光って、フィールド上のアイテムや、ボスモンスターの場所などを教えてくれます

まず、最も大きな変更はここでしょう。マップが広くなってエリアチェンジが無くなりました。正直マップ全体の構造を把握するのはなかなか苦労がいります。そうするとボスモンスターを見つけるのは大変ですね。どうするかというと、モンスターの痕跡を探します。

足跡や、木にをひっかいていたり、獲物をとって食べた跡などを探します。導虫(しるべむし)という光る虫がそれを覚え、たくさん痕跡を集めることでボスモンスターの居場所に導いてくれます。獲物の足跡をたどって追い詰めていく過程は、なかなか狩りの雰囲気がでていて楽しいものです。

しかも、痕跡をたくさん集めて拠点の研究班に報告すると、モンスターの研究が進み、モンスター図鑑がどんどん詳しくなります。弱点が分かったり、手に入れられる素材も詳しく把握できるようになります。また、導虫も追跡しやすくなります。

ひとたびマップに出れば、そこにはクエストの対象となるモンスターはもちろん、様々なモンスターが闊歩し、痕跡を残していますから、常に色々な痕跡を調査しながら狩りをするようなスタイルになります。調べて、研究して、そして詳しくなる過程というのも、なんだかハンターライフとしてリアリティがあって、気分が高まります。

マップで他にすることと言えば採取ですが、採取も大幅にモーションが見直され、多くの採取物を足を止めずにさっととれるようになりました。鉱脈での採掘などはこれまで通り足を止めて採取となりますが、ピッケルなどの採取用消耗品が廃止になり、これまでのシリーズと比べて短時間でストレスなく採取できるようにモーションも改善されています。消耗品でアイテムポーチを埋める必要もなく、短時間でさっと採れるので、狩りをしながら採取をするのがとても快適です。

また、バウンティというシステムがありまして、これはキノコを何回採取とか、小型モンスターを何回狩猟といった、簡単でついでにできる目標を設定し、鎧玉などの報酬を得ることができます。クエストとは関係なく常に複数設定することができ、細かくて達成が容易い目標と報酬があることで、何をしていてもモチベーションを高く保ちやすくしてくれます。

さらもう1つ付け加えるならば、移動が非常に楽になりました。段差や壁をよじ登る時のモーションが滑らかで素早くなりましたし、下り坂はザザーッと気持ちよく滑ってくれます。ボスモンスターと遭遇するまでは走ってもスタミナが切れないようになっています。

結果どういうことが起こるかというと、広大なマップを導虫を頼りに歩き回り、モンスターの痕跡や採取をしながら歩き回ることがとにかく楽しくなります。これまでのモンハンと比較して、景色は最高に美しく、動き回るのは楽になり、報酬は細かくたくさん与えられるのです。モンハンと言えばマルチプレイですが、今作ではソロプレイで気楽に歩き回るのも本当に楽しくなりました。

あらゆるものを利用して、ハンターらしく戦う

MHWの図

モンスターハンターシリーズのコンセプトが、もう一度輝き出します

広大なマップで痕跡を調べて研究していくというのは、ハンターらしさを高めていますが、もう1つ非常にハンターらしさが出ているのは、ボスとの戦闘についてです。というのも、MHWでは自然の中にあるあらゆるものを利用して戦うように設計されています。

まず、とにかく役に立つのがスリンガーという新しいアイテム。小型のボウガンのようなもので、全てのハンターが標準で持っています。道中で拾った石やら実やらを装填して撃つんですが、これが大変に楽しいんですね。

従来の「~玉」や「~弾」といった名前のアイテムが多く使えます。こやし弾、閃光弾、音爆弾。ただ従来と違うのは、照準がついてまっすぐ発射できるので、狙ったところに打つのが非常に容易になりました。高いところにある木の実を撃ち落としたり、ロープをつけて飛ばしてアクションしたり、着弾点で音を立てることによってモンスターの気をひいたりと使い方は様々です。

マップにあるものを利用するのはスリンガーだけではありません。MHWでは環境生物という、狩りの対象とは別の生き物がいます。ハチミツで回復させてくれるハチや、触るとしびれさせるカエルに、光を放つ閃光羽虫。

例えば、ボスモンスターが洞窟の中に逃げ込んだ時に、ここには閃光羽虫がいたはずだ……と気が付けば、虫の力で目をくらませて有利に戦えるわけです。また生き物だけでなく、ツタを使った罠や、岩を崩してぶつけたり、マップのいたるところに使えるものが散らばっています。

これまでのモンハンシリーズでもマップのオブジェクトを利用して戦うというシチュエーションはいくつもありましたが、それが膨大で、またシームレスな広いマップに散らばっているのがMHWです。これもやはり、自然の中で戦うハンターらしさが出ていてとても良いです。

「素材揃ったから加工屋いってくる……。ごめん、まだだった」はなくなりました!

モンスターハンターの図

色んな装備をそろえたり組み合わせる楽しさはそのまま

MHWが広大なマップの中で自然と共に戦うハンターライフを満喫できるゲームになっていることをお伝えしましたが、今度はもう少し細かい仕様についてもお伝えしておきたいと思います。というのも、MHWでは面倒なものが軒並み廃止されて、そして便利な機能がたくさん加わりました。その最たるものが装備関連かもしれません。

まず、非常に大きいのがスキルポイントが無くなりました。これまでは、各装備に複数のスキルがそれぞれ何ポイントといった形でつき、10を超えたら発動するので、あの腕装備とあの足装備を組み合わせて……とかなり複雑化していました。一方、MHWではポイントが廃止され、例えば腕装備に「火耐性」というスキルがついていれば、それだけで火耐性が発動するようになりました。

それぞれのスキルにはレベルがありまして、全身の装備の中で「火耐性」のスキルが1つであれば火耐性レベル1、同じスキルのついている装備を重複して着ればレベルがあがっていきます。装備を組み合わせる楽しさを残しつつ、あまりに複雑化していた仕組みをすっきりとさせています。

装備に関して言うともう1つ、ウィッシュリストというものが加わりました。この武器を強化したい、この防具を生産したい、でもあれとこの素材が足りない。これをきちんと覚えておくのは意外と面倒です。素材がそろったかどうか、何度もお店ににいく、なんていうことをした覚えがある人はとても多いんじゃないでしょうか。

ウィッシュリストに登録しておけば、なんの素材が必要かいつでも確認できる上、必要な素材がそろった時には教えてくれるようになっています。これは細かい話のように思えるかもしれませんが、使ってみると本当に便利です。

モンハンでは、装備をそろえようとする時、腕と腰、それに武器の素材が足りない……なんてことがあります。それぞれどの素材が何個足りないか覚えておくのは大変です。また、クエストクリアするたび、何の素材が何個手に入って、何が何個足りないか把握するのも、これまた面倒です。それらが一気にスッキリ解決しています。

装備は拠点だけでなく、マップに出てからもテントで変更することが可能になりました。間違えた装備でいっちゃったからクエストを取りやめて……なんてことはもう必要ないのです。キャンプにはファストトラベルで地図から選択すればどこにいてもひとっとびです。

生まれ変わったモンハン

PS4の図

PS4ごと買っても満足できる作品です!(イラスト 橋本モチチ)

装備以外でも、便利になったことが山ほどあります。いくつかご紹介しておきましょう。

例えば、アイテムを使うときに、歩きながら回復薬を飲んだりできるようになりました。隙が全く無くなるわけではありませんが、短時間でも操作を完全に奪われるストレスが無くなるのはとても大きいです。全体的にモーションが滑らかになり、完全にユーザーのコントロールを奪う機会は減り、動かしていて気持ちよくなっています。

またそのアイテムですが、ショートカットから使うこともできまして、そのショートカットは十字キーとアナログスティックの方向を組み合わせてなんと32個登録可能。ジェスチャーや定型会話なども登録しておくことができます。

アイテムを個別に自動で調合するよう設定することもできるようになりました。薬草を拾ったら即座に回復薬にしてくれるのはとても便利です。一方で、調合の失敗を廃止し、さらに調合書を持ち運ぶ必要もなくなりました。

オンラインマルチプレイは、実はあまりに多くのプレイヤーがいるせいか、まだサーバーがやや不安定だったり、分かりにくいところや面倒なところもあり、手放しで褒めることはできないのですが、それでも非常に大きいのは、クエストの途中から参加できるようになったことです。

単純な話、間違えて1人置いて出発してしまっても、その1人は後からついていくことができます。クエストが始まって一定時間経つと、後から参加した人は報酬が減ることになりますが、装備強化してくるから先行ってて、なんて気軽な使い方もできます。

今回、サークルというユーザーコミュニティを作ることができますが、サークルの仲間で何人も集まり、あっちこっちのクエストに適当に参加しながら遊ぶスタイルは、いままでになく快適で気楽なものです。

というわけで、ざざーっと並べましたがいかがだったでしょうか。あまりに多くの点が改善されていて、とても書ききれないぐらいです。特に重要なポイントは2点。1つ目はマップが広くなり、シームレスになったこと。それに伴ってモンスターハンターシリーズの、単にでかい敵を倒すというだけではない、自然との調和を目指すハンターとしての生活をより楽しめるようになりました。

2つ目はゲーム全体が徹底的に見直され、面倒なものが廃止され、便利なものが加わり、ゲームのテンポが非常によくなったこと。モンスターハンターシリーズというのは、もともとめちゃくちゃ面白いけど結構面倒なゲームで、面倒なところを差っ引いても面白さが勝つ、というバランスでした。しかし、面倒なところが劇的に改善してみると、残るのは濃密な楽しい時間だけとなり、ゲーム体験が大変に向上しました。

これまでもモンスターハンターが好きだったという人や、この記事を読んでやってみたいと思っていただいた方には、PS4と一緒に購入を検討して良い作品だと思います。

日本のゲーム業界は、据え置きゲーム機市場が急激に縮小していましたが、2017年はニンテンドースイッチが大変な人気で一気に盛り上がりました。そして2018年、今度はPS4でMHWが出て、大変に目が集まっている感があります。

楽しいですね。据え置きゲーム機市場では久しぶりのお祭り騒ぎです。市場動向が……とか、今はスマートフォンが……とか、テレビの前に座ってじっくりなんて……とか、全て吹き飛ばす面白いゲームのパワーがすごいです。ぜひみなさんも、面白そうだと思ったなら、一緒に楽しんでいただければと思います。

もし、何か1つ注意点があるとするなら、睡眠不足だけには本当にお気をつけください。本当に楽しすぎて、あと一狩り、あと一狩りが止まらないんです。インフルエンザも流行ってますしね、体調には十分気をつけて遊んでくださいませ。

【関連記事】

【関連サイト】
田下広夢の記事にはできない。(ゲーム業界ニュースガイド個人運営サイト)
【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場で人気のゲームソフトを見るAmazon で人気のゲームソフトを見る
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます