お金の悩みを解決!マネープランクリニック/30代シングルの方のお金悩み相談

39歳ローン残高220万、貯金が増えず借金返済が厳しい(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、カードローンの返済が大きな負担となり貯蓄が増えない、実家暮らしの39歳の女性会社員の方。ファイナンシャル・プランナーの八ツ井慶子さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 いま優先すべきは貯蓄よりローンの返済

いろいろ不安を抱えられている、その最大の要因は重いローンの返済だと思います。したがって、「早期返済、(そして)貯金をするには」と質問されていますが、同時に目指すのではなく、ハブさんが現時点で優先したいのは貯蓄よりローンの完済です。

貯蓄額が少ないことへの不安は理解できます。ローン完済も大事だが、もっと手元資金を増やすべきというアドバイスも、当然あるでしょう。とは言え、ハブさんの借り入れは金利8.0%。これは、メガバンクの定期預金に預けた際の利息の800倍に相当します。貯蓄に回す資金をローンの返済に充てた方が、金利面ではるかに有利です。結果的に「オトク」ということです。

貯蓄が少なく心配する人はよく「もしも何かあったら怖い」と言います。しかし、ハブさんは実家に住み、さほど無駄なく家計管理をし、ちゃんと正社員としても働いている。ならば、本当にお金が足りなく困ったら、そのときに、あらたに借りてもいいのでは。少なくともハブさんの現状においては、不確定な何かに備える方が「もったいないな」と私は思います。
 

アドバイス2 「2年半で完済」を目標に

具体的には、手持ちの貯蓄はそのまま置いておき、クルマの車検、税金用としての貯蓄2万円を返済に回す。これで、毎月の返済は6万円。また、ボーナスから支払っていた自動車ローンの返済分20万円も、今後はカードローンの返済に回す。これで、年間で返済に回せるのは92万円。これで、おそらく2年半後には完済できるでしょう。クルマの維持費はボーナスからと、厳しいかもしれませんが、毎月の支出を見直す中で捻出する。それでも2年半の我慢です。繰上返済に手数料が発生しないのなら、毎月少しずつ返済しましょう。そして今後は、借りるのではなく「お金が貯まったら買う」を肝に銘じましょう。

悩ましいのは保険です。本来なら、貯蓄に等しい養老保険、個人年金保険もその保険料を返済に充てることを検討するのですが、養老保険は満期金450万円、個人年金保険は年金総額が720万円とともにローン残高より大きく、保険料から判断して、予定利率の高い時期に加入したものだと推測できます。これらは大切に今後も貯蓄としてぜひ続けてください。

また、他の保険も、ハブさんにとっては「安心料」が含まれているのかなという気がします。支払う保険料が安心料として納得できる、または保障を削ると不安だ、というのであれば、このまま継続もアリだと思います。少なくともしばらくは保険には手をつけず、現状のまま継続でいいでしょう。
 

アドバイス3 無理に「一人で生きていく」と考えない

返済最優先と先に述べましたが、気になるのは心療内科に通われていたということ。また「最近、笑えるようになった」とも。ライブ・イベントや美容などにかかるコストが、ハブさんを精神的に支えているのなら、ローンの早期返済を目指していても、むやみに削らなくてもいいかもしれません。原因や詳しい症状はわかりませんが、今後、他のことでも笑えるようになったら、そのときあらためて検討しましょう。

貯蓄については、返済が終わったときがスタートライン。当然ですが、収入の範囲内に支出をおさえれば(現状おさまっています)、自然と貯まっていきます。焦ることはありません。

ローン完済後、その支払いに回していた資金を全額貯蓄できるとすれば、年間92万円ですから、43歳から60歳までの17年間で1564万円。退職金を200万円として、その他、養老保険の満期金と個人年金保険の年金総額を加算すれば、2934万円。ボーナスからの貯蓄額をもう少し増やせば、老後資金として3000万円超を用意することも十分できるでしょう。

貯めるポイントとしては、ローンは組まないこと。ローンは将来の収入をあてにした先取り支出です。いわば、貯蓄の基本である先取り貯蓄の真逆の行為なのです。また、長く働くこともとても重要。持病があり、身体的に厳しい職場なのであれば、今後どうすべきか。転職活動なのか、勉強などのスキルアップなのか。ともあれ、いろいろな人と積極的にコミュニケーションをし、多くの人とつながっておくことが今後に役立つのではないでしょうか。

最後に「一人で生きていくのに不安です」とありますが、仮に生涯独身だとしても、だから「一人」というわけではありません。バブさんには家族もいれば知人、友人もいるはず。近所の人もそう。人は人の力を借りなければ生きていきません。苦しければ頼ればいいんです。ということは同時に、苦しい人を見かけたら助けることも大事だということです。

単身者が急増することで怖いと感じるのは、誰の力も借りず一人で生きていく代わりに、誰にも手を差し伸べない。そんな人が増えてしまうのでないか、ということ。人には得手不得手があります。補い合ってこそ、心豊かに生きていけるのではないでしょうか。そう考えて行動する方が、必要以上に不安を抱えずに済むと思います。
 

相談者「ハブ」さんより寄せられた感想

返済しながら貯金をしようかと思っていたのですがアドバイスを頂いたように、早期のローン返済を目標に頑張っていこうと思います。自分の考えだけでは片寄ってしまい、どのようにした方が正しいのか分からず困っていたので、アドバイスがとても助かり励みになりました。ありがとうございました。


教えてくれたのは……
八ツ井慶子さん
 
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ファイナンシャル・プランナー。大学卒業後大手信用金庫に入庫。本当にお客様にとっていいものを勧められる立場になりたいとの思いから、個人相談が中心のファイナンシャル・プランナーとして独立。近著に『ムダづかい女子が幸せになる38のルール』(かんき出版)と『サラリーマン家庭は"増税破産"する! 』(角川oneテーマ21)がある。テレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。All Aboutマネーのガイドを務める


取材・文/清水京武 

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