2018年に注目の資格・スキルは?

スキルアップにつながる資格とは?

スキルアップにつながる資格とは?

2017年、就職・転職は圧倒的な売り手市場。難関試験を筆頭に、受験者減少が続く資格・検定も多い。しかし、終身雇用制が崩壊し、年金受給年齢引き上げも避けられない中、年齢を重ねても稼ぎ続けるスキルは、これまで以上に重要になっている。そうした状況で、2018年に資格・キャリアのガイド2人が注目したのは?

仕事に活かせる資格 ガイド
いぬかい はづき
CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)、産業カウンセラー。長年キャリアカウンセリングに従事し、幅広い年代に対するキャリアプランニングのアドバイスを行っている。

資格 ガイド

鈴木 秀明
資格アドバイザー。資格・勉強コンサルタント。
ジャンルを問わず年間50個ペースで資格・検定試験に合格し続ける資格マニア。2017年12月時点での取得資格数は387種544個。各種資格情報や勉強法について発信を行う。


新資格『情報処理安全確保支援士』『知的財産法学試験』に注目

資格ガイドの鈴木秀明氏

資格ガイドの鈴木秀明氏


鈴木「民間資格では、テレビによく出るキーワードがそのまま資格に、という流れが続きました。2015年の『ドローン検定』や2017年の『3Dプリンター活用技術検定』などです。『IoT』『インバウンド』などの資格も。時流に乗った資格は旬は長くないかもしれませんが、早期に取得すればセミナー講師や解説者など、活躍の場が広がることもあります」

いぬかい「早さは大事ですね。『マイナンバー』『セキュリティ』などの注目分野の資格は、未知数ではありますが、一早く取得することで社内の第一人者になれるというメリットはあるでしょう」

鈴木「ビジネス色の強い資格では、ここ数年は情報セキュリティ分野の変化が激しい。国家資格『情報処理安全確保支援士』(セキスペ)区分が新設されるなど、IT系資格の新設・制度改定が相次いでいます。国としてこの分野の人材育成に注力していく、という表れでしょう」

いぬかい「同じ位置づけに、知的財産関連もありますね。『知的財産法学試験』が新設され、2018年に国家資格化する『公認心理師』も注目度が高く、人気が出るでしょう。でも、もともと人気が高い分野でもあるので、例えば医療現場での診療報酬改定が伴うなどの動きによって、実際の需要がどれだけ広がるのかがカギになります」

最新情報を入手には「官公庁サイト」「ニュース検索」


いぬかい「資格の動向を知るには、法律の動きに注目するのも有効です。新しい法律ができたり大きな法改正があったりすると、そこから数年で関連した資格が誕生することが多い。また、『資格』『キャリア』などのワードで定期的にニュース検索をすると、具体的な資格情報を一早くキャッチできます」

士業資格受験者の減少傾向は止まらず

鈴木「資格試験の受験者数は一般的に不況期ほど増加する傾向があるのですが、このところ景気が上向きで売り手市場なこと、また、AIが頭脳労働の仕事を奪うと言われていること、そして少子化など、いくつかの潮流が相まって、税理士社会保険労務士司法書士行政書士など士業の資格は軒並み受験者数を減らしています」

いぬかい弁護士公認会計士などは『とれば一生安泰』だったのに、今ではそうとも言えない。『難易度に比べて割に合わない』と考える人が増えるのも自然でしょう。士業での独立を考えるなら、複数の資格を組み合わせたり、専門知識にプラスしたコンサルティング能力をつけたりすることが必須です」

年代別のお薦め資格

仕事に活かせる資格ガイの いぬかいはづき氏

仕事に活かせる資格ガイの いぬかいはづき氏


■学生は「ひとまず簿記・PC資格」もあり
鈴木「就職を直近に控えている方であれば、周りの学生が資格をとらない今だからこそ、簿記やパソコン実務の資格(MOSなど)が差別化になるのでは? 特にスマホ世代はWordやExcelを使い慣れていない人も多い。ビジネスツールや仕事スタイルも変化して、10年後・20年後に必要な実務スキルはまた変わってくるかもしれませんが、まだこの先数年は多くの職場で必須スキルといえるでしょう」

いぬかい「将来を迷う人も多いでしょうが、専門知識やスキルを体系的に学べる資格は、それぞれの世界を手軽にのぞける手段でもあります。勉強すれば、その仕事・業界が自分に合うかどうか見えてくることもあるでしょう。履歴書に資格名を書けるだけでなく、資格を取得するプロセス全体を通して気づいたこと、身に着けたこともアピールしましょう」

■20-30代は「現実と向き合う」ことが先決
いぬかい「この年代は今の職場・職種でキャリアアップするか、それとも別の方向へキャリアチェンジするかで資格に対するスタンスも変わるでしょう」

鈴木「『これだけで絶対食える資格!』はなくなりつつあるので、まずは自分の将来ときっちり向き合って考えることが大事ですね」

いぬかい「とにかく今の仕事を辞めたい!というのであれば、こちらの記事を参考に、『今、求人数が多い資格』を取るなど、現実的な手段もありだと思います」

■長期休業者・復職者は「ブランクに資格でストーリーをつけよ」
いぬかい「難関試験に挑むために退職したが、結局受からずに数年のブランクが空いてしまった、という人も多い。企業はブランク=即戦力にならないと捉えるので、そうした人にはブランクを単なる空白にせず、語れるものにするために、少し簡単な資格を取るようにアドバイスをすることも」

■40-50代は「掛け合わせ」で考える
いぬかい「この年代の方は、経験を活かしてコンサルタントや講師になる、という希望を持ち、中小企業診断士社会保険労務士などを目指す方が多い。また、マンション管理士を狙う方も多いのですが、実はそれなりの難易度の資格なので、普通にマンションの管理人になるにはオーバースペック。『とりあえず“マン管”』という発想なら、もう一度自分の人生を棚卸しすれば、もっと多様なキャリアがあるはずです」

鈴木「自分の職場では誰でもできて当たり前だったことが、一歩外に出ると想像以上に重宝されるスキルだった、ということもたくさんありますからね。そうした自分の隠れた強みを活かすためにも、早くから外にも目を向けて、資格を入口にいろいろな世界を見ることが役立つと思います」

仕事以外との「組み合わせ」が自分だけのキャリアを生む


いぬかい「そもそもキャリアって、仕事の経験だけなく、家族・趣味・地域などさまざまな活動が統合されてつくられるもの。たとえば、趣味である地域の『ご当地検定』を持っている中小企業診断士の方は、その知識によって地元の顧客から厚い信頼を得た、という話もあります」

鈴木「1つの資格でオンリーワンになるのが難しくても、2つ以上を掛け合わせれば、わりに簡単かもしれない。『フランス語ができる行政書士』とか、『温泉ソムリエの資格を持つファイナンシャルプランナー』とか。実際、私の知り合いに『現役ボクサーの税理士』の方がいます」

いぬかい「SNSでそうしたユニークな肩書をアピールするのも手軽になっていますからね」

鈴木「趣味系資格としては、タレントのテリー伊藤さんが仕掛け人となっている『くるまマイスター検定』、愛好者の多い『日本城郭検定』、コスメフリークの方向け『日本化粧品検定』などが人気です。近年は本当にどんな分野でも資格・検定ができてきているので、自分の興味のある分野にこれぞというものがあればぜひチャレンジして、自分オリジナルのキャリア形成やブランディングのきっかけとして活用していただきたいですね」

2018年の展望と「学びたい人」へのメッセージ

「どんな学びでもやり方次第で活かせる時代」(いぬかい氏)/「2020年までに何を学ぶかが勝負」(鈴木氏)

「どんな学びでもやり方次第で活かせる時代」(いぬかい氏)/「2020年までに何を学ぶかが勝負」(鈴木氏)


いぬかい
「この資格さえあれば、というものがなくなりつつある分、どんな学びでもやり方次第で活かせる、面白い時代です。これまでムダだと思っていたことを見つめ直し、興味もったものを深めることが思わぬキャリアにつながるのではと思います」

鈴木「良くも悪くも、2020年のオリンピックが、景気や社会情勢が大きく切り替わるタイミングだと思います。そこまでの3年弱で何を学び、身につけ、準備しておくか。それがその後の人生を大きく左右するのでは、と感じています」
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