お金の悩みを解決!マネープランクリニック/教育費が準備できるか不安な子育て世代

32歳貯金1000万、第2子妊娠中。妻はいつ働くべき?(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、マネープラン全体に悩む30代の専業主婦。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 現状の貯蓄ペースで生活水準は維持できる

ご相談2点について、まず「年収に対して支出と貯金額が適しているのか」ですが、現状のままで問題はないと思います。家計管理はしっかりされていますし、取り立てて支出に無駄も見当たりません。世帯の手取り収入が450万円で、昨年の貯蓄額が117万円。貯蓄率26%ですから、十分高いといっていいでしょう。

おそらく、不安を感じる理由は、その貯蓄額で将来的に不足しないかということだと思います。そういった場合、具体的な数字を把握しておくといいでしょう。必要な金額が見えることで漠然とした不安は解消されるはずです。

仮に現状のまま年間117万円が18年間維持できれば、約2100万円。第2子の児童手当が総額にしておよそ200万円。現在、貯蓄が約1000万円ですから、合計3300万円。教育費、食費、その他の養育費をすべて含めたお子さんの子育て費用は、進路によっても異なりますが、高校まで公立、大学が私立なら、目安として1人1500万円といったところ。つまり、これだけ捻出しても、第2子が高校を卒業する時点で、手元に300万円前後の資金が残るということになります。

しかもこの試算は、なつみかんさんが専業主婦と仮定した場合。パート収入を加算すれば、当然さらに余裕が生まれます。したがって、もうひとつのご相談である「妻がいつ頃からどの程度稼げば良いか」ですが、なつみかんさんが働けるタイミングでいいと思います。もし、下のお子さんが保育園に3歳から入園し、それに合わせて週3日働くとします。月6万円の収入があれば、年間72万円。やはり第2子が高校を卒業するまで続ければ、ご希望どおり「現状の生活水準を維持(無理に節約をしないで済む)」したとしても、その時点で1000万円超が先の試算額に加算されることになります。
 

アドバイス2 自由に使える資金は収入アップで

ただし、「もっと自由にお金を使いたい」というのであれば収入アップ、つまりはなつみかんさんがパートではなくフルタイム勤務、もしくはそれに近い収入を得る必要がありそうです。例えば、お子さんのどちらかが中学から私立に進学となると、パート収入を教育費に充てても資金的余裕はほぼなくなります。

一般的なパート収入を超えて働くと、その額によっては夫の扶養から外れ、税金や社会保険料が新たに発生しますが、気にすることはありません。多く収入を得れば引かれる部分はありますが結果的に手取り額は増えます。また、厚生年金に加入することで老後資金を増やすことが可能となります。

今後、なつみかんさんの働き方やお子さんの進路によって、マネープランも変わっていきます。必要に応じてフルタイム勤務を検討してみてください。
 

アドバイス3 「つみたてNISA」と「iDeCo」を活用しよう

住宅ローンについてはご自身も言われているとおり、余裕資金があれば、少なくともあと1回は繰上返済をしたいところ。61歳で完済ですからこのままでも問題ありませんが、返済期間を短縮し、かつ支払い利息を軽減させることができます。金利1%程度でも、メガバンクの定期預金の100倍。トクする額は決して小さくはありません。

NISA口座に30万円預け、まだ運用はされていないとのことですが、余裕資金はあるもののそれほどリスクは取れないことを考えれば「一般NISA(従来のNISA)」ではなく、2018年からスタートする「つみたてNISA」の方が適していると思います。年間の新規投資額は40万円が上限ですが、配当や売却益に対する非課税の恩恵を20年間受けられますので、より有利な長期投資が可能となります。

また、老後資金づくりなら、やはり節税効果が得られる「iDeCo(個人型確定拠出年金)」がオススメです。ただし、掛け金は原則60歳以降でなくては引き出せません。また、年齢的には老後準備はまだ早いともいえます。したがって40代からか、あるいは今からなら最初は少額(掛け金は月から5000円から)でいいでしょう。
 

相談者「なつみかん」さんより寄せられた感想

具体的な数値で家計状況を示していただいたことで、今までの家計管理について整理することができました。また、そのままではもったいないと思っていたNISA口座について、ご提案頂いたつみたてNISAも検討したいと思っています。出産により家族構成が変わる前に把握することで、今後どのように過ごしたら良いか考えることができました。いずれは私自身も働くことを念頭に、産後は育児を頑張りたいと思います。本当にどうもありがとうございました。


教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  
 
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マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/清水京武

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