フレンチ/東京のレストラン

ホテルの極上フレンチ!シェフの名を冠したコース2選

フランス料理の醍醐味と言えば「カルト ブランシュ(Carte Blanche )」=「おまかせコース」です。好みで選べるプリフィックスコースも自由度が高くて楽しいですが、最初から最後まで計算され尽くしたシェフのコースを食べるのは非常に贅沢なことでしょう。「おまかせコース」の中でも、シェフの名前が付いたホテルのフレンチが特におすすめです。その理由と珠玉のレストランを紹介しましょう。

東龍

執筆者:東龍

ブッフェ・フレンチガイド

フランス料理の「おまかせコース」がおすすめな理由

シェフの名が付いた珠玉のホテルフレンチ

シェフの名が付いた珠玉のホテルフレンチ

フランス料理の醍醐味は「カルト ブランシュ(Carte Blanche )」と言われる「おまかせコース」です。もちろん、好みで選べるプリフィックスコースも自由度が高くて楽しいですが、最初から最後まで計算され尽くしたシェフのコースを食べるのは非常に贅沢なことでしょう。

その「おまかせコース」に位置づけられるコースの中でも、特に注目したいのが、ホテルのフレンチで提供されているシェフの名前が付いたコースです。

ホテルのレストランは街中のレストランとは違って大きな組織なので、よほどのことがなければ、シェフの名前が付けられることはありません。シェフが自身の腕に相当の自信を持っていることはもちろん、周りからも十分に認められる存在であってこそ、ホテルのレストランでシェフの名前が付いたコースを提供できるのです。

このように自他共に認めるシェフの名前が付いた珠玉のコースをご紹介しましょう。

■INDEX
アジュール フォーティーファイブ(ザ・リッツ・カールトン東京)
ラ・プロヴァンス(ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ)


アジュール フォーティーファイブ(ザ・リッツ・カールトン東京)

アジュール フォーティーファイブ エントランス

アジュール フォーティーファイブ エントランス

ザ・リッツ・カールトン東京45階にある「アジュール フォーティーファイブ」の「アジュール」はフランス語で「青」を意味しており、45階の窓から広がる美しいスカイラインと東京湾を望む景色を表してます。産地直送の魚介、新鮮な野菜、果物やフランス産の肉を用いたモダンフレンチのレストランです。

「オーグードゥジュール・ヌーヴェルエール」で料理長を務め、7年連続でミシュラン1つ星を獲得した宮崎慎太郎氏が、2014年5月22日に料理長に就任しました。「ミシュランガイド東京」で2016年版から3年連続で1つ星に輝いており、高く評価されているホテルのフランス料理店です。

この「アジュール フォーティーファイブ」では当初から、カリスマシェフである宮崎氏の名前が付いた「レ・プレジール・ド・ミヤ」(19000円、税・サービス料は別途)が提供されています。

多くのファンを持つミシュランシェフ宮崎氏が腕を奮う珠玉のコースとはどういったものでしょうか。

45階という高層階からの絶景

アジュール フォーティーファイブ 内観

アジュール フォーティーファイブ 内観

高い天井と大きな窓から望む眺望がとても素晴らしいです。東京タワーもはっきり捉えることができます。17人まで利用できる個室も完備されているので、様々な用途に利用できるでしょう。

グラス シャンパーニュ

アジュール フォーティーファイブ グラスシャンパーニュ

アジュール フォーティーファイブ グラスシャンパーニュ

「ペリエ・ジュエ・グラン・ブリュット」です。ザ・リッツ・カールトン東京のシャンパーニュと言えばオリジナルの「ザ・リッツ・カールトン東京 プライベート キュヴェ」が有名ですが、大手メゾンのシャンパーニュも季節替わりで提供されています。

カナッペ

アジュール フォーティーファイブ カナッペ

アジュール フォーティーファイブ カナッペ

3種類の盛り合わせ。右から順番に、ウナギのコンフィとフォアグラが載せられたライスクラッカー、マカダミアナッツとライムのクリームを挟んだパルミジャーノ・レッジャーノのチュイール、ア・ラ・ミニッツで仕上げたハニーマスタードブリオッシュ。見た目や彩り、味や食感が異なる3品で、食欲をかき立ててくれます。

季節のアミューズブッシュ

アジュール フォーティーファイブ 季節のアミューズブッシュ

アジュール フォーティーファイブ 季節のアミューズブッシュ

カリフラワーのクリームとゼリーに、カリフラワーの花蕾。数種類のカリフラワーで構成された手の込んだ一皿です。甘味と酸味が交差した複雑な味わいを、カリフラワーの風味がまとめ上げています。

鮑のカルパッチョ、肝 チュイル

アジュール フォーティーファイブ 鮑のカルパッチョ

アジュール フォーティーファイブ 鮑のカルパッチョ

鮑は65度の低温調理し、生ハムと海藻の出汁で作ったソースを合わせています。魚介のペーストが混ざったガレットを載せてそっと閉じ、ボリジ、クレソンを散らしています。

ラヴィオリ、旬の茸 もみじ

アジュール フォーティーファイブ ラヴィオリ

アジュール フォーティーファイブ ラヴィオリ

香り高い松茸を用いて、日本の秋をモダンなフレンチに仕上げています。紅葉を使用して作ったラビオリに包まれているのは、シャンピニオンのディクセル、チーズ、アーモンド。様々な食感と香りを楽しめるでしょう。食用の紅葉が散らされ、野菜と紅葉のコンソメを目の前でかけてもらえます。

オマールブルー、洋ナシ トンカ豆 シトロンキャビア

アジュール フォーティーファイブ オマールブルー

アジュール フォーティーファイブ オマールブルー

スチームしたスコットランド産のオマールブルーはとても味が濃厚です。リンゴのピューレと合わせて爽やかな仕上がりに。新種の赤い果肉のリンゴのスライス、フィンガーライムとも呼ばれているキャビア状の柑橘類であるシトロンキャビアが目を引きます。

本日の鮮魚、セロリ シジミ

アジュール フォーティーファイブ 本日の鮮魚

アジュール フォーティーファイブ 本日の鮮魚

函館から空輸したキンキとフレッシュなセロリのマリアージュがテーマ。魚介のエキスを加えた翡翠色となった根セロリのクーリーは品がよいので、キンキとの相性も抜群です。ビーツを軽く燻製したピューレも添えられています。

近江 木下牛のキャラメリゼ、ナツメヤシヴィネガー 茄子

アジュール フォーティーファイブ 近江 木下牛のキャラメリゼ

アジュール フォーティーファイブ 近江 木下牛のキャラメリゼ

木下牧場は滋賀県にある家族5人で経営している200頭規模の小さな牧場で、近江牛の産地では珍しい繁殖肥育一貫経営を行っています。サシを追い求めず、牛一頭一頭の個性や体質や性格を考えて、最も適した育て方をしていることも特徴です。

宮崎氏がひとめぼれしたほどの木下牛はローストして赤身の旨味を堪能できる火入れ具合に。赤身肉ですが、とても柔らかく、仕上げにナツメヤシヴィネガーをまとわせたお肉には、シンプルに木下牛のジュを合わせています。

付け合せは、ドフィノアを再解釈した一品。頬肉、ポテトのミルフィーユで、トップには芽キャベツ、トリュフ、鰹節のフリットを載せています。黒ニンニク、アニス、ペドロ・ヒメネスのペーストは甘く、素晴らしい香りが広がります。

プレデセール

アジュール フォーティーファイブ プレデセール

アジュール フォーティーファイブ プレデセール

レモンのムース、シャインマスカット、ミュスカのゼリー。シンプルですが、舌も気持ちも切り替わるプレデセールです。

シェフのシグネチャーデザート

アジュール フォーティーファイブ シェフのシグネチャーデザート

アジュール フォーティーファイブ シェフのシグネチャーデザート

数種類の中から選べます。写真は、パティシエ出身である宮崎氏が考案し、イタリアのドモーリ社のショコラをふんだんに用いた「ショコラ ドモリ」。筒状のチョコレートのケースの中にはグレープフルーツのムースが詰まっていて、ヘーゼルナッツのソースが下にあしらわれています。

小菓子と飲み物

アジュール フォーティーファイブ 小菓子と飲み物

アジュール フォーティーファイブ 小菓子と飲み物

小菓子は3種類。イチジクとゴマのフィナンシェ、ショウガとピンクペッパーのガナッシュ、レモンとコーヒーのチュイール。ドリンクにはコーヒーやスパイシーで上品なオリジナルの「ザ・リッツ・カールトン東京スペシャルブレンド 」などを含む紅茶、ハーブティーの中から好きなものを選べます。

■アジュール フォーティーファイブ
住所:東京都港区赤坂9-7-1 ザ・リッツ・カールトン東京 45F
TEL:03-6434-8711(レストランの予約) ※予約受付:10:00~21:00
営業時間:11:30~14:00、17:30~21:00
定休日:なし
アクセス:「六本木」駅から直結
地図:Yahoo!地図情報
URL:http://www.ritzcarlton.com/jp/hotels/japan/tokyo/dining

※データは記事公開時点での内容です


ラ・プロヴァンス(ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ)

ラ・プロヴァンス エントランス

ラ・プロヴァンス エントランス

ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ1階にある「ラ・プロヴァンス」では2017年10月1日に吉本憲司氏が料理長に就任しました。

吉本氏は2008年に「第4回エスコフィエ・フランス料理コンクール」で国内最年少で優勝し、2016年には「第50回ル・テタンジェ国際料理賞コンクール・ジャポン」でも優勝した実力派の料理人です。パリで行われた「第50回ル・テタンジェ国際料理賞コンクール・インターナショナル」へと出場し、世界第3位となる快挙を果たしました。

日本における三大料理コンクールの「エスコフィエ・フランス料理コンクール」「ル・テタンジェ国際料理賞コンクール・ジャポン」「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」のうち、2つで優勝したのは驚くべきことです。

その吉本氏が料理長となり、自身の名を付けたコース「ムニュ ヨシモト」(平日 36000円 土日祝 40000円、税・サービス料は別途)の提供を始めました。しっかりとしたクラシックな技法に、モダンなプレゼンテーションと新たな味覚をさりげなく忍ばせており、クラシックなフレンチが好きな人でも、モダンなフレンチが好きな人でも、贅を尽くした至極のコースとなっています。

国内外で数々の受賞歴をもつ吉本料理長の実力を堪能できるコースを詳しく紹介しましょう。

落ち着いたダイニング

ラ・プロヴァンス 内観

ラ・プロヴァンス 内観

中世プロヴァンスの貴族の別荘をイメージさせる落ち着いた空間。特別な日のお祝いや親族での集まりに相応しいオーセンティックな雰囲気です。プロジェクター、スクリーンが完備されたプライベートダイニング「プティ・プロヴァンス」は16人まで利用できます。

キャビア:至福のキャビア

ラ・プロヴァンス キャビア

ラ・プロヴァンス キャビア

たっぷりのフランス産のキャビアにサワークリーム。立体感が美しいスガハラのガラス器で提供されています。

パレット・アート・オードヴル:芸術家が愛した南仏プロヴァンスより五種の味覚

ラ・プロヴァンス パレット・アート・オードヴル

ラ・プロヴァンス パレット・アート・オードヴル

南仏プロヴァンスは多くの芸術家がこよなく愛した土地であり、有名な画家もいます。そこからパレットをイメージし、南仏プロヴァンスの地方料理を五味で表現しました。

「ピサラディエール(塩味)」はオニオン・アンチョビ・オリーブのタルト、「パニス(酸味)」はひよこ豆のガレット 鰯のマリネ、「アンショワイヤード(苦味)」はフレッシュ野菜のアンチョビのディップ、「カマルグ(甘味)」はトマトのキャラメリーゼ、カマルグ塩との調和、「ラタトゥイユ(旨味)」はラタトゥイユのタルトレットです。

この順番通り、時計回りに食べるとよりおいしく食べられるでしょう。お品書きも添えられているので、読んでから食べるとより楽しめます。

秋の味覚:秋の前菜 旬の素材を

ラ・プロヴァンス 秋の味覚

ラ・プロヴァンス 秋の味覚

新潟産のカンパチ、レフォール、トマトソルベ、アボカドを用いた秋の味覚です。あやめかぶのソースにカラスミのパウダーが添えられています。

フォアグラ:フォアグラと黒トリュフ

ラ・プロヴァンス フォアグラ

ラ・プロヴァンス フォアグラ

鴨のフォアグラとイタリア・マルケ州の黒トリュフに、石川県産の黒イチジク。フォアグラには定番のポルト酒ソースを取り合わせ、ピスタチオ片を散らしてアクセントにしています。

鮑:鮑と滑らかなムースリヌ ブイヤベース仕立て

ラ・プロヴァンス オマール・ブルーと鮑

ラ・プロヴァンス オマール・ブルーと鮑

ラ・プロヴァンス 鮑

ラ・プロヴァンス 鮑

蝦夷鮑に、キノコと白身魚のムース、ジャガイモのニョッキが添えられています。吉本氏がかつてフランスで修行した時に学んだ、甲殻類を用いず、魚だけを使ったマルセーヌ風のブイヤベースに仕上げています。
手前は唐辛子、ニンニク、マヨネーズを合わせたルイユ。載せられているのはイカ墨のチュイールです。プロヴァンスのオリーブオイルで風味を加えています。

オマール・ブルー:最高級ブルターニュ産オマール海老

ラ・プロヴァンス オマール・ブルー

ラ・プロヴァンス オマール・ブルー

贅沢にもブルターニュ産のオマールブルーが半身使われています。オマールブルーは青みがかったオマール海老で、通常のオマール海老よりも、味の濃厚さがあり、値段もとても高価です。ソースは、重厚な旨味のクレームドオマールに自家製香草オイル。

和牛:阿蘇のあか牛と黒トリュフの饗宴

ラ・プロヴァンス 和牛

ラ・プロヴァンス 和牛

吉本氏の出身である熊本・阿蘇のあか牛は、じっくりと火入れして、赤身の旨味がしっかりと引き出されています。赤身肉に合うクラシックなペリグーソース。目の前でイタリア・マルケ州の黒トリュフを削ってもらえます。

小さなデセール

ラ・プロヴァンス 小さなデセール

ラ・プロヴァンス 小さなデセール

ヌガーグラッセ、パッションフルーツ、クレームダンジュを層にしたヴェリーヌ。デザートへと誘う爽やかな酸味があります。

季節のグラン・デセール:タルト・オランジュ 滑らかアイスと共に

ラ・プロヴァンス 季節のグラン・デセール

ラ・プロヴァンス 季節のグラン・デセール

吉本氏が「ル・テタンジェ国際料理賞コンクール・インターナショナル」の課題で作り、最高点を獲得した一品です。サクサクとしたタルト生地に、オレンジのやわらかい甘酸っぱさが印象的。オレンジハチミツのアイスクリームともよいコントラストです。

コーヒーまたは紅茶

ラ・プロヴァンス コーヒーまたは紅茶

ラ・プロヴァンス コーヒーまたは紅茶

ドリンクはわざわざメニューが用意されており、全部で10種類以上もあって充実しています。写真はヒマラヤ山麓の高地にある有名なバイオダイナミック・マカイバリで栽培された高級紅茶の「ダージリン・オーガニック」。小菓子も3種類添えられます。

■ラ・プロヴァンス
住所:東京都港区海岸1-16-2 ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ 1F
TEL:03-5404-7895(直通)
営業時間:11:00~15:00(L.O. 14:30)、17:30~21:30(L.O. 21:00)
定休日:なし
アクセス:「竹芝」駅から徒歩1分
地図:Yahoo!地図情報
URL:http://www.interconti-tokyo.com/

※データは記事公開時点での内容です


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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