収納は作り付けクローゼットだけ! 何もない部屋がいちばん素敵?
入居前は、どんな部屋でも広々として見えるもの
ところが、引っ越しを終えて、生活が軌道に乗るほどに、部屋は次第に輝きを失ってきます。それは、どんどん増えるモノのためです。
いろいろなモノがあったほうが、暮らしは快適になります。しかし、今度はモノを収納する場所が足りなくなります。モノが増えたなら、増えたぶんだけ収納家具や、収納用品を増やせばいいのでしょうが、今度は生活空間が圧迫されます。部屋がもともと狭ければ、なおのことです。
<目次>
家具は床面積の3分の1が理想
部屋の面積に対する家具の占める面積は、3分の1までが理想と言われます。では、一般的な家具の底面積はどのぐらいでしょうか。・一人暮らし用を想定
テーブル…0.4平米(0.8m×0.5m)
ベッド…2平米(1m×2m)
タンス…0.4平米(0.8m×0.5m)
この3つだけで2.8平米になります。6畳の部屋であれば面積は約9平米(関東間畳サイズで計算)、置ける家具の底面積は3平米ですから、これでギリギリです。この上、タンスや棚を増やしてしまうと、収納力は上がりますが、生活空間が窮屈になってしまうのは避けられません。 床面積を減らさずに、より多くの収納を確保するための方法を、以下に3つ、ご紹介します。
方法1:高さのある家具を選ぶ
同じ底面積なら、なるべく背の高い収納家具を選べば、天井近くまでが収納空間となり、収納量が増えます。ただ、この場合、高いところのモノの出し入れに踏み台などを使う必要があります。それが面倒になるとせっかくの高さを生かしきれていないことになります。背の低い人にも不向きです。方法2:吊り棚、吊るす収納を活用する
壁に取り付ける吊り棚に本やフィギュアを置いたり、天井近くにバーなどを設置して服を吊るしたりすれば、床を空けながらモノが収納できます。とはいえ、多くの賃貸住宅では、原状復帰の条件が妨げとなって難しいかもしれません。また、コンクリート壁や石膏(せっこう)ボード壁には思うような施工が難しいこともネックです。方法3:デッドスペースを活用する
ベッド下や机の下などの空き空間に、箱や引き出しなどを置くことで収納量を増やすことができます。しかし、アクセスしにくいからこそのデッドスペースです。腰をかがめたりひざまずいたりしないと出し入れできません。それを面倒と感じるなら、せっかく収納スペースを作っても活用しきれなくなってしまうでしょう。どんなに収納があっても、しまうのは自分
少ない面積で収納量を増やす工夫はこの他にもありますが、狭い部屋にたくさんのモノを収納する工夫は、いずれも一長一短です。そしてもっと重要なことは、「収納があれば片付くわけではない」ということです。どんなにたくさんの収納があっても、モノが自動的に片付いてくれるわけではなく、自分がしまえなければ無意味で、結局散らかってしまいます。
部屋を窮屈にしたくないなら、収納を増やす前に、「本当にしまえるか?片づけられるか?」を問い直す必要があります。また、「そもそも、このモノは本当に必要か?収納を増やしてまで持ち続ける価値があるか?」というところまで、さかのぼって考えたほうがいいのです。
作り付け収納を活用しよう
「タンスも棚もあるのに、押し入れやクローゼットはスカスカ」という部屋も少なくありません。押し入れやクローゼットなど、作り付けの収納がある部屋なら、最初からタンスや棚などの置き家具を買わず、まずはその作り付け収納だけで持ち物を収めることができないか、やってみてください。
押し入れは奥行があるので、奥の部分を活用するための工夫が必要になってきます。モノのサイズに合わせて作り付け収納の中を仕切ったり、棚板を増やしたり、サイズの合った引き出しを入れたりなどして容積の利用率を高めれば、置き家具はもっと少なくて済むでしょう。
棚板を増やし、細かく仕切ることで最大限に活用できる
持てる量=作り付け収納と同じ?
部屋には、その部屋にふさわしいモノの量があります。住む部屋が狭いなら、本当は、少ないモノで工夫して暮らすべきなのです。そうでなければ、部屋の主役はいずれ自分ではなく、モノになってしまいます。仮に作り付け収納だけで持ち物が収まるなら、狭い部屋で十分ゆったり暮らすことができます。部屋が広くない場合、持っても窮屈にならないモノの量とは、その部屋の作り付け収納の容量と同じくらいなのかもしれません。
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