家庭でできるアクティブラーニングのアイデア3つ
普段口にしている食べ物を自ら料理することで食べ物への主体的な興味関心が広がります。
1.本やテレビや映画の内容について掘り下げる
読んだ本や、観たテレビや映画について、次のように深めていくことができます。
・「パパに説明してあげて」と声をかけます。話の内容を振り返り、第三者に説明することで、内容をより確かに把握でき、相手に伝える力も身につきます。
・「どんなところが面白かった?」「好きなところはどこ?」「悲しいところがあった?」など、具体的な感想を話し合います。文章や絵に描くのもいいです。
・「主人公が穴に落ちたとき最初に見つけたのは何?」など、内容についてのクイズを作り合います。
・ストーリーの順番をまぜこぜにし、並べなおしてみます。
・「最初は弱虫だったけど最後にはとても頼もしく成長しました。私は誰?」など、登場人物の特徴を表すヒントを考え、当て合いをしてみます。
・本の著者や番組の製作者に、感想や質問を記した手紙を書いてみます。
・ストーリーの登場人物を演じてみます。
・ストーリーの続きを考え、話し合ってみましょう。
2.モノが手に届くまでの過程を追う
普段口にするミルクや牛肉が、農場からどのように食卓へのぼるのかを追体験してみます。
普段、当たり前という気持ちで受け取っている物事について、改めて様々な角度から、主体的に関わってみます。例えば、食卓の「食べ物」や、普段手を洗う「水」や、スイッチを押せば流れる「電気」について、次のように掘り下げてみるのも方法です。・手元に届くまでの流れを調べ、簡単なチャートにまとめてみます。
・実際に、農場や浄水場や発電所を訪ね、食べ物や水や電気がどのように整えられ、手元まで送り届けられるのかを追ってみます。訪ねる前に、関係者への質問を考えてみましょう。
・こうした過程で、食物の「栄養成分」や「水のサイクル」、また「電気を通すモノと通さないモノ」など、少しでも疑問に思うことを、より詳しく調べてみます。
・また水質汚染、電力不足など、コミュニティーにおける何らかの「問題点」を見出してみます。
・そうした問題点に対し、現在どんな解決法があるかを調べます。「こうしたらいいんじゃないかな?」といった自分なりの仮説を考えてみるのもいいです。
3.目にするモノを自ら作ってみる
普段目にしているモノを、自分で作ってみることで、材料や仕組みへの興味関心も深まり、そのモノを観る目もがらりと変わります。
・普段口にしているものを、自分で料理してみます。初めて食べておいしかったものも、材料や作り方を調べ、挑戦してみます。
・模型を作ってみます。材料は、積み木でも、紙でも、リサイクル品でも何でもいいです。家の間取りや家具、道端で見た自動販売機、車や電車など、再現したいものを話し合い、実際にできる範囲で形にしてみます。
・モノが動く仕組みを調べ再現してみます。「ボタンを押すと商品が出てくる販売機」や「動く車」など、輪ゴムやギアなどのシンプルな動力を用い、できる範囲で再現してみましょう。
忙しいスケジュールの合間に、上のようなアクティビティーを少し盛り込むだけでも、身の回りの物事への興味や、課題へと取り組む姿勢が、随分と変わってきます。日常生活に溢れるアクティブラーニングの機会を生かし、21世紀に求められる主体的に学ぶ力を培っていきたいですね。
参考資料
(*1)Freeman, S. et al. (2014). Active learning increases student performance in science, engineering, and mathematics. Proceedings of the National Academy of Scientists, 111(23), 8410–8415.
(*2)「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ(案) 」平成28年8月19日 教育課程部会 教育課程企画特別部会:文部科学省
(*3)「社会の変化に対応する資質や能力を育成する教育課程編成の基本原理」 – 平成25年3月研究代表者 勝野 頼彦(国立教育政策研究所教育課程研究センター)