大傑作の大逆転裁判2
大逆転裁判2はニンテンドー3DSで遊べます
その背景には、ビッグタイトルである『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』と発売日が非常に近かったことが1つ挙げられますが、理由はどうもそれだけではなさそうです。そしてもったいない。何故なら、重ねて申し上げますが、大逆転裁判2は多くの人が絶賛する大傑作であるからです。
あまりにもったいないので、販売が上手くいっていない理由とともに、ネタバレの無い範囲で、大逆転裁判2の魅力についてお伝えしたいと思います。逆転裁判が好きなみなさま、これは遊んでおいて損のない傑作です。前作を遊んだ人は絶対に遊んだ方がいいです、そもそも大逆転裁判を遊んでいない方は、2作続けて遊ぶのがオススメです。
不評だった前作の呪い
イヤホンやヘッドホンでのプレイがかなりオススメです。メチャクチャに盛り上がります
ガイドの個人的な話をさせていただくと、ガイドはゲームに対して、気に入らないところがあったらマイナスしていく減点方式ではなく、面白いと感じるところがあればそこを楽しんでプレイする加点方式で遊んでいます。そういったガイドからすると、前作の大逆転裁判も決して駄作ではなく、逆転裁判の面白さが詰まった作品でした。ホームズの迷推理とドタバタに巻き込まれ、パートナーの法務助士スサトさんは優しくて頼りになり、そして次々と出てくる面白登場人物達。
また、音楽について是非お伝えしておきたいんですが、逆転裁判シリーズの音楽と言えば「異議あり!」を合図にかかる追求の音楽です。大逆転裁判は追求の音楽はもちろん素晴らしいんですが、その前段階、疑惑が生じ、謎が深まる時にかかるBGMがもう鳥肌ものなんですね。つまり、何か疑惑が生じたり、謎が出てくるたび、鳥肌が立つことになります。明治時代、そしてロンドンが舞台ということで、ホームズが愛したバイオリンの音色が響き、逆転裁判らしさを保ちつつ、レトロな雰囲気を醸し出します。思わずテキストを送る指を止めて聴き入ってしまうこともあるほどです。
もちろん、逆転裁判シリーズですから、次々に起こる事件、頭を悩ませ推理し、証拠品をつきつけて逆転していく爽快感も健在です。ですが一方で、この作品を消化不良と感じる人がいることも、確かに理解できます。様々な謎や伏線が残されたまま物語は終わりを迎え、エンディングでは「え、これで終わり?」と思った人もいたことでしょう。時としてシリーズものの売上というものは、作品そのものの評価以上に、前作の評判に左右されることがあります。なぜならユーザーは、前作が面白かったから買おう、前作の評判が良かったから買おう、そう考えるからです。初代大逆転裁判評価が低かったことは、大逆転裁判2の売上の足を大きくひっぱっていると考えられます。
しかし、初代大逆転裁判は、本当の意味で駄作ではありませんでした。これは、助走だったんです。
不評を傑作に大逆転
主人公は成歩堂龍一…のご先祖様の成歩堂龍之介
詳細はお伝えできません。全てネタバレになってしまうからです。しかし、それはまさしく大逆転に次ぐ大逆転の連続でした。大逆転裁判2で次々に起こる事件は、その全てが初代からの繋がりを持ち、少しずつ、少しずつ、大きな謎に迫り、そして後半にはとうとうその謎が次々に明かされていきます。しかし、謎は明かされれば明かされる程、さらに深まり、深まった謎がまた大逆転を起こすのです。
それを前作同様に明治時代、ロンドンという舞台設定、そして初代で既に素晴らしかった音楽は恐ろしいことに大逆転裁判2でさらにさらにさらに素晴らしい楽曲が加わって鳥肌が収まることを許さず、そこに逆転裁判シリーズ生みの親である巧舟氏の真骨頂ともいえる奇妙奇天烈な登場人物達達が彩ります。
後半になると、進めるのがもったいない、終わらせるのがもったいない、でも物語の続きが気になって気になってやめられない、という自己矛盾を起こしながらずっとニンテンドー3DSを握りしめることになります。
推理小説の前編だけ読んで、後半を読んでいないあなた
発売前のゲーム情報をどう伝えるかで、ユーザーの感じ方も大きく変わります(イラスト 橋本モチチ)
実は、このようなもったいない売り方を、逆転裁判シリーズは、「逆転裁判6」でも行っています。逆転裁判6も非常に面白い作品でしたが、売る時に、ゲームの物語上はゲスト的に登場する成歩堂龍一と綾里真宵をプッシュすることで、それを信じたユーザーから反感を買っています。逆転裁判シリーズの最初から登場している2人の人気キャラクターでユーザーを釣りあげるような販売戦略は、ゲームの中身を楽しませることを阻害し、余計な批判を買ってしまいます。
【関連記事】
逆転裁判6を遊ぶ前に教えておきたいこと(AllAboutゲーム業界ニュース)
今回も、本来であれば前作の大逆転裁判を大逆転裁判前編、そして大逆転裁判2を大逆転裁判後編とし、逆転裁判の生みの親である巧舟氏が前編後編で完結する大長編の逆転裁判、その名も大逆転裁判を発売します、と最初から大いに謳うべきでした。なんなら、誤解の無いようにパッケージにでも書いておくべきでしょう。もちろん、売る方からすれば完結していないものを売ると言うことで怖さもあるはずです。しかし、そこは作品とユーザーを信じて売るしかありません。でなければそもそも、2作で完結するようなゲームを発売するべきではないのですから。
大逆転裁判2の販売本数から考えて、初代だけ遊んで、おそらく不満を持ち、大逆転裁判2を見送っている人が相当数いるはずです。なんともったいないことでしょう。言うならば、推理小説の前編だけ読んで、怒涛の謎解きが待っている後編を読んでいないのと同じことなのです。しかもその推理小説は人気シリーズの中でも屈指とされるほどの大傑作なのです! こんなもったいないことがありますか! どうですか!
また、初代逆転裁判を遊んでいない人にも、是非大逆転裁判を1、2と続けて遊ぶことを強くオススメします。次々に事件を逆転しながら、物語を大逆転させる大傑作を、ぜひ体験してください。
【関連記事】
逆転裁判6を遊ぶ前に教えておきたいこと(AllAboutゲーム業界ニュース)
あなたはPS4とスイッチのどちらを買うべきか?(AllAboutゲーム業界ニュース)
モンスターハンター:ワールドは今までと何が違うの?(AllAboutゲーム業界ニュース)
【関連サイト】
田下広夢の記事にはできない。(ゲーム業界ニュースガイド個人運営サイト)