再開発で池袋はどう変わる?

新宿と並んで「北の副都心」といわれる池袋。JR湘南新宿ラインや東京メトロ副都心線と東急東横線との相互乗り入れにより、埼玉と神奈川をつなぐ巨大アクセスの中心となりつつあります。

その池袋の再開発を主に担っているのは、言うまでもなく豊島区。2020年五輪に向けて豊島区は「国際アート・カルチャー都市」の実現をめざてしていますが、限られた財源の中、民間企業との官民一体による再開発手法が実行されています。

豊島区旧庁舎跡地は「8つの劇場空間に」

まず豊島区旧庁舎跡地開発では2020年春、「7つの文化芸術ホール」が誕生するとして話題を集めています。豊島区の旧庁舎と公会堂の跡地を、東京建物(代表企業)・サンケイビル・鹿島が優先交渉者に決定され、豊島区は定期借地権を設定し、地代190億円を一括前払いで得ることになります。
池袋

庁舎跡地開発のコンセプトストーリー(出典:豊島区役所ホームページ)

東京建物等はこの庁舎跡地に地上30階建てビルを建設し、ここにオフィスやカンファレンスホール、シネマコンプレックス、飲食物販店舗が入る予定。公会堂跡地には1300席の新ホールやスタジオが入るビルを建設。新区民センターホールなど周辺施設も整備し、全体で「8つの劇場空間」を擁するアートとカルチャーの一大拠点が生まれます。

また2017年には首都圏最大級のシネマコンプレックスも生まれます。閉館した「スポルト池袋」跡地で、「東池袋一丁目新シネマコンプレックスプロジェクト」(仮称)が計画されており、4階から15階部分に計12スクリーン、2,600席を設置し、12階から15階にはビル5階分の高さに相当する18m、幅26mという国内最大級の巨大スクリーンを導入する予定です。

さらに池袋駅西口地区では、2009年に西口権利者とまちづくり協議会を立ち上げ、「駅と街」「東と西」「地下と地上」をつなぐコンセプトを策定。東武百貨店エリア(メトロポリタンプラザビルを除く)を含む総面積5.3ヘクタールに駅前広場や公園(サンクンガーデン)、バスターミナルなどを整備し、高層ビル3棟を計画。池袋駅線路上空の南北にデッキを整備し、駅東西をつなげ、事業完了時には駅前の五差路の解消が見込まれています(南デッキ2020年着工予定)。

公園を軸に防災と憩いの街にも

高層ビルだけの開発にとどまらず、2016年、豊島区は新庁舎と池袋駅に間にある南池袋公園を、年中芝生の緑が広がるオアシス空間とするとともに、災害時には帰宅困難者対策を担える場所としてリニューアル。2019年には旧庁舎跡地前の中池袋公園をリニューアル、2020年にはサンシャインシティ横の造幣局東京支局跡地(東池袋4丁目)にも新公園をオープンさせる予定です。

東口グリーン通りも東京都「国際戦略特区」の制度を活用し、歩道を使ったオープンカフェやマルシェ、アートイベントなどが開催できるように。これら4公園では毎週末や祝日に誰でも参加できるイベントが開催されるとともに、日本の伝統芸能やコスプレイベントといった「クールジャパン」を世界に発信する予定です。

東京都では、首都直下地震の切迫性や東日本大震災の発生を踏まえ、都民の生命と東京の都市機能を守り、都内の木造住宅密集地域(木密地域)を「燃え広がらない・燃えないまち」にするため、10年間の集中的・重点的な取り組みで改善を進める「木密地域不燃化10年プロジェクト」を2012年1月に策定しました。

この「木密地域不燃化10年プロジェクト」の一環として、造幣局東京支局の南東側の木密地域では野村不動産等による「21階建て全139戸」のマンション建設計画が予定され、老朽化した家屋の建て替えや街の防災機能強化が進められます(17年春着工、18年12月竣工予定)。

西武・東武・東急沿線エリア人口の一大拠点に

このように、駅周辺に登場する職・娯楽の一大先進拠点は若者たちをさらに集め、少し離れれば緑とイベントがあふれる公園一帯が子連れファミリーを集めるでしょう。こうした池袋の新しい魅力は、西武・東武鉄道だけでなく東急線沿線のマイホーム需要や人口も集め続けるのではないでしょうか。
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