インテリアのイメージを左右する室内ドア
新築やリフォームの際には、床材や収納など内装建材と同時に、室内のドア(扉)を検討することになるでしょう。室内に設置されるドア(扉)を選ぶ際には、使い勝手や機能性に配慮することはもちろんですが、インテリアにも大きく関わるアイテムなので、デザイン性にも配慮したいものです。室内扉には、開き戸や引き戸などがありますが、最近では、開き戸だけでなく引き戸のバリエーションも豊富になってきました。さまざまな色やサイズなども揃っているので、空間デザインに適したタイプを選ぶことができるでしょう。
天井までの高さのある落ち着いた色合いの室内ドア。袖部分にガラスを取り入れることで開放感も。[ベリティスプラス 内装ドア 開き戸 袖ガラス付きドア 施工例 PJ型] パナソニック エコソリューションズ
空間に広がりを生み出す高さのあるタイプ
最近、多くみられるようになったのが、高さのあるデザイン。天井が高い住宅プランも多くみられ、建材メーカーからは、それに合わせたサイズバリエーションが提案されています。
たとえば、2400、2500、2700ミリなどのサイズを設定した商品やサイズオーダー可能なタイプも。天井までの高さがあれば、納まりも美しくすっきりとした印象になるとともに、扉を開けた際、床面や天井面がつながることで、空間に広がりが生まれます。上下枠のない(もしくは見えにくい工夫が施されている)タイプであれば、より開放感を感じることができるでしょう。
明るいナチュラルな空間を実現する建具。天井までのデザインは空間に広がりを。[室内ドア T61デザイン ナチュラルチェリー/スクリーンパーティション 間仕切 Jタイプ ナチュラルチェリー/タフテクトB ナチュラル] YKK AP
天然木の風合いを持つタイプが揃う
内装ドア(扉)として多く用いられているのは木質系。基材(合板、集成材、単板積層材など)の表面に、突き板や樹脂シートを接着したタイプでしょう。突き板仕上げは、天然木を薄くそいだ板(単板)を用いたもの。樹脂シート仕上げは、木目などの模様を印刷した樹脂やオレフィン、紙などのシートを張ったものです。
天然木を用いる突き板仕上げは、肌触りのよさや木目の美しさなどが魅力。樹脂シート仕上げは、柄やデザインが豊富に揃っており、最近では、天然木の風合いを感じるようなタイプも多くみられます。
いずれも、ナチュラルな素材感を生かした、すっきりとしたデザインが多くみられるのも最近の特徴。木目を縦に用いたタイプであれば高さを感じ、横に用いれば広がりを生み出すことができるでしょう。
ガラスなどを取り入れたデザインが充実
ヴィンテージな風合いが魅力。ゆがみのあるレトロなガラス窓部分を持つデザインが空間のアクセントに。 [ヴィンティア 室内ドア] LIXIL
ガラスやアクリル樹脂などと組み合わせたデザインも増えてきています。ナチュラルな風合いの面材と透明(半透明)な素材を組み合わせることで、印象的なデザインとなるとともに、光を取り入れ、家族の気配を感じることも。もちろん、広がりや開放感を得ることもできるでしょう。
ガラス素材にも、熱処理されたステンド調のガラスやチェッカーガラス、乳白ガラスなども揃っており、用いる空間やインテリアに合わせてコーディネートすることが可能です。
和の雰囲気を感じるタイプも
縦の格子を取り入れたデザイン。モダンなインテリアの中にも和の雰囲気が感じられる。[ベリティスプラス 内装ドア 開き戸 WJ型 和紙調ガラス 施工例] パナソニック エコソリューションズ
重厚感のあるデザインやヴィンテージな風合いのインテリアも注目されていますが、和の雰囲気を感じるナチュラルなデザインも根強い人気があるものです。扉のデザインでも、格子を取り入れたタイプは多くみられ、縦方向に用いれば、より高さが強調され、ガラスとの組み合わせで、光の陰影を楽しむこともできるでしょう。
また、ガラス部分に和紙のような素材をあわせることで、視線を遮りつつ気配を感じるとともに、光を楽しむことができるタイプもみられます。
壁と一体化するようなデザイン
壁と同じ壁紙と用いて一体感を生み出したり、異なる壁紙をもちいてアクセントとしても。[famitto 引違い戸(3枚建) 片開きドア シルキーホワイト] YKK AP
一方で、壁と一体化させ、扉の存在をなくすようなデザインも。壁の色として多く用いられるホワイト系の面材を用いることで、すっきりとした印象となるもの、また、壁紙を貼ることが可能な商品もみられます。表面に壁に用いたものと同じ壁紙を貼ることで、空間がすっきりとするでしょう。
空間全体のコーディネートが可能に
玄関収納などとデザインを統一することが可能。まとまりのある空間を実現できる。 [ハピアプレミア 片開きドア3Pデザイン〈モノホワイト〉] DAIKEN
メーカー商品としての室内ドア(扉)は、床材や階段、収納などの内装建材とトータルでコーディネートできるシリーズが多くみられます。カラーバリエーションや表面仕上げなど、揃えることができるので、統一した空間が実現できるでしょう。
シンプルで開閉しやすいドアノブやハンドル
すっきりとしたデザインや個性的なブラック塗装のタイプも。 左/[ベリティス 内装ドア ハンドル A1型 特長 サテンシルバー色(塗装)] 右/[ベリティス 内装ドア ハンドル P2型 表示錠 裏側]
パナソニック エコソリューションズ
メーカー商品の扉には、いくつかのドアノブやハンドル、引手が設定されています。いずれも使い勝手を考慮したタイプを揃え、デザイン性の高いタイプもみられます。主流は、シルバー系ですが、艶を抑えたり、ブラックの塗装を施したものも揃っています。
室内扉は、間取りプランやインテリアと大きく関係するアイテム。選ぶ際には、カタログだけでなくショールームで、表面仕上げの素材感やドアノブの使い勝手などを実際に確かめること。扉単体だけでなく、空間展示などを参考に、内装建材トータルでデザインを検討することが大切です。
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