階段の昇降動作をしやすくする階段昇降機

高齢の方や障害を持っている方など、安全に階段を昇り降りすることが難しい場合、その昇降動作をしやすくするため、また、介助の軽減を図るために用いられる機器のひとつが階段昇降機。生活の場が1階と2階、もしくは3階と複数階に渡る場合や玄関先と道路に高低差が大きい場合などに用いることで、身体への負担を軽減し、移動することができるでしょう。

公共施設に設置されているケースもありますが、メーカーからは、一般の住宅向けの商品も提案されています。高齢の方との同居や将来を見据えた家づくり、リフォームなどで、取り入れるケースがみられます。

一般の住宅で用いられるのは固定型(椅子式)のタイプ

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一般的な住宅向けに多く用いられる階段昇降機は、「固定型(椅子式)階段昇降機」と呼ばれるもの。住宅の階段にレールを固定、そのレールに沿って椅子が走行するので、座ったままで昇り降りすることが可能な機器です。

通常の住宅であれば、新築はもちろん、リフォームでも対応可能(住宅の構造、階段の幅や傾斜角度などは確認が必要な場合もあります)。ただし、階段に設置するので、その分、有効階段幅が20~30センチメートル狭くなり、家族の昇り降りの妨げになってしまうケースも。新築・リフォーム、いずれの場合も、プランニングの際には注意が必要でしょう。

屋内でも屋外でも。直線階段や曲線階段も取り付け可能

「固定型階段昇降機」にはいくつかのタイプがあります。まず、屋内で使用するタイプと屋外でも設置可能なタイプに分けることができます。屋外用は、防水性や防錆性などを高め、使用しない時に雨や風などから本体を守るためのカバーが装備されたタイプもみられます。

また、屋内・屋外ともに、設置する階段の形状に合わせ、直線階段用だけでなく曲線階段用(踊場のある直線階段、90度など折れ曲がり階段なども含む)もあるので、さまざまな階段の形状に合わせることが可能でしょう。

使い勝手や操作性、安全性にも配慮

一般的な商品は、肘掛け部分に操作ボタンがあり、階段の上下階の壁面に設ける「呼び」「送り」ボタンでは、椅子を乗りたい場所に移動することが可能です。

最近の商品は、ボタンの操作や乗り降りのしやすさなど、使い勝手も高まってきています。たとえば、大型で見やすい操作ボタン、乗り降りしやすいように座面が90度回転するタイプ、小柄の方でも乗りやすい座面や高さ調整の可能なものなど。運転音も静かになり、動きもスムーズで乗り心地のいいタイプも揃っています。

また、安全面でも、座らないと動かない機能(着座スイッチ)、障害物を感知すると自動で停止する機能、簡単に装着できる安全ベルト、幼い子供が誤って動かさないようなキーシステムなど、各社工夫がなされています。

コンパクトな製品、カラーバリエーションも豊富に

使用しないときは、座面を折り畳むことができるタイプも多くみられますが、最近では、折り畳んだ状態で壁からの出幅が少なく、コンパクトに収納することが出来る、スリムタイプ(薄型タイプ)も揃っており、取り入れやすくなっています。

また、椅子部分のカラーバリエーションやデザインも増え、レザーや布地の座面シートや背面素材、あたたかみのある木製の座面や背を持つタイプなどもみられるようになりました。設置する空間のインテリアに合わせて選ぶことができるでしょう。

メンテナンス体制などもチェックして

商品を選ぶ際は、使用する人の状態に適した、使い勝手のいいものかどうかを確認すること。座った姿勢が安定するか、使いやすいベルトが設置されているか、操作ボタン(レバー)は使いやすいか、などを確認が必要です。場合によっては、専門的な知識を持つアドバイザー(福祉用具専門相談員など)に相談することも大切でしょう。また、ショールームなどで展示しているケースもあるので、可能であれば、実際に試乗し、使い勝手のチェックを。その他、故障の場合のメンテナンスやサービス体制なども忘れずに確認しておくことが大切です。

価格は、メーカーや商品、階段形状、工事費を含む含まないで場合で異なりますが、商品としては、おおよそ50万円~150万円程度。契約内容にもよりますが、保守点検などの費用もみておきましょう。

階段昇降機の設置に関しては、自治体などによって、助成金が給付される場合もあります。自治体ごとに、使用する方の条件、設置する機器、金額等によって規定が異なるケースもあるので、事前に制度や手続きの流れなどを確認しておくことをお勧めします。


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