犬にさつまいもはOK?「腎臓病や心臓病」の犬に与えてもいい?
さつまいもは犬が食べられる食材です
<目次>
加熱したさつまいもは犬に食べさせても大丈夫!生食は避けて
必ず加熱してから与えるようにしましょう。
紫色のさつまいもや、安納芋などの他の品種も同様に、柔らかくなるまで加熱したものであれば犬に与えても大丈夫です。
犬にさつまいもは腸内環境を整え、皮膚の健康にもおすすめの食材
さつまいもを食べることで犬の健康にいい点は?
1:便の排泄をスムーズに
さつまいもに含まれる食物繊維の働きにより、便に含まれる水分が増えることが期待できます。腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にする働きもあるので、便通を整えたい時のおやつやドッグフードのトッピングにさつまいもを取り入れてみてもいいでしょう。
2:皮膚の色素沈着の予防に
さつまいもに含まれるクロロゲン酸とイソクロロゲン酸という成分に、色素沈着の要因のひとつであるメラニンの生成を抑える働きがあることが研究でわかっています。
クロロゲン酸は、皮つきのまま短時間で調理することで流出を最小限に防げるという報告もあるので、オーブン調理や焼きいものような長時間の加熱よりも、短時間で蒸し上げる調理方法がおすすめです。
腎臓病や心臓病の犬、シュウ酸カルシウム結晶ができやすい犬は避けた方が安心
さつまいもと犬の病気、薬との相性は?
「さつまいもは甘味が強く、犬が好むことが多い食材です。カロリーはやや高めですが、食欲の落ちている犬にもおすすめです。
文部科学省の食品成分データによると、さつまいもにはシュウ酸が含まれています。その量は、シュウ酸が最も多く含まれている野菜、ほうれん草の約1/7程度ではありますが、膀胱結石の一種であるシュウ酸カルシウム結晶を作りやすい犬に積極的に食べさせるのは避けておいたほうがいいでしょう。
ほうれん草に含まれるシュウ酸は、水にさらしたり加熱することで減らすことができるといわれていますが、さつまいもに含まれるシュウ酸は家庭レベルの加熱調理では大きな変動がなく、水に溶け出しにくいとの情報もあります。
また、さつまいもにはカリウムも多く含まれています。カリウムは通常腎臓からナトリウムと共に排泄されますが、腎臓の機能が落ちている犬はカリウムが体に溜まりやすくなり、低血圧や不整脈などの心臓疾患の兆候が出てきます。そのため、腎臓病や心臓病の犬は注意が必要です。
一部の利尿剤ではカリウムを体内に残す作用がある為、これらの薬を飲んでいる時にさつまいもを食べることで高カリウム血症になる可能性があります。これらの病気がある犬に、食欲を促す目的でさつまいもを取り入れるのであれば、与えすぎないようにしましょう。
他の食物や植物とのアレルギーの関連性の報告は、現在(執筆時点)、特にありません。
そのほか、犬用のおやつとして市販されているさつまいもスティックを長い状態のまま丸呑みしてしまい、胃や食道に詰まらせてしまう事があります。市販のさつまいもスティックを与える時は必ず飼い主さんが端を持って、少しずつ噛ませるようにしましょう。」
犬にさつまいもを与える際の1日の量の目安
上記の表を参考にして、与えすぎないように注意してください。食物アレルギーはどのような食材でも反応する可能性があります。初めての食材を与える時は必ず少量ずつ与え、体調に変化がないか様子を見てくださいね。焼き芋、干し芋は犬に食べさせても大丈夫!しかしさつまいも食品は…
焼き芋、干し芋は、犬に食べさせても大丈夫です。
・焼き芋
焼き芋は犬に食べさせても大丈夫ですが、焼きたての熱い状態だとやけどをする恐れがあります。必ず人肌以下に冷ましてから与えるようにしてください。焦げている部分や、焼き芋が包まれている紙やホイルを食べないよう注意しましょう。
・干し芋
さつまいもだけ作られた干し芋であれば、犬に与えても大丈夫です。干し芋は蒸したさつまいもよりも水分量が少なく、見た目では少量でも成分が凝縮されているので、与えすぎになりやすい食べ物です。見た目の分量の寂しさだけで、食べさせる量を判断しないようにしましょう。
・スイートポテト
人間用に作られたスイートポテトは脂肪や砂糖が多く含まれているので、肥満に繋がりやすい食べ物です。作り方のバリエーションも豊富で、洋酒や香料などが使われていることもあるので、犬に食べさせることは避けましょう。
・さつまいもチップス
さつまいもチップスは一般的に、油で揚げてから糖蜜でコーティングされているので、犬の健康維持に適した食べ物ではありません。少しでも食べてしまうと犬の生命に悪影響があるレベルではありませんが、習慣として与える犬のおやつにはおすすめしません。
犬にさつまいもを食べさせても大丈夫?まとめ
- 犬にさつまいもを食べさせても大丈夫
- 腸内環境のケア、皮膚の健康維持が期待できる
- 腎臓病や心臓病の犬、シュウ酸カルシウム結晶ができやすい犬は避ける
- 焼き芋、干し芋は犬に与えても大丈夫
【執筆協力】
丸田香緒里 獣医師
日本大学卒。動物病院勤務後、飼い主様にもっと近い存在になりたいと思い「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士など様々な資格を取得し、病院での診療や往診の他、セミナー講師やカウンセリング、企業との製品開発など活動は多岐にわたる。
ホームページ:http://animallifepartner.com/
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