米国では、老後の蓄えが足りずに仕事を引退できない人が激増

皆さんこんにちは、ロバート・キヨサキです。お金と投資の勉強は進んでいますか? 前回は、金持ち父さんから学んだ「お金の読み書き能力」を身に付けるために必要な15の教えについて、具体的なことをお話しました。大事なことなので、何度か読み返して復習しておいてください。


老後のお金の心配がある人はどうする?

老後のお金の心配がある人はどうする?


今回は、「老後の資金」についての緊急特別編です。米国の話なのですが、ごく近い将来に日本の皆さんも同じような状況に置かれるかもしれません。でも金持ち父さんの教えを思い出せば、あなたの「老後の資金」を作る方法がわかります。ぜひ最後まで読んでみてください。

あなたの辞書から「引退」という文字が消えていく

私が若い頃、人々の間では人生についてこんな決まり文句が交わされていました。「良い学校を出て、良い会社に入って出世の階段を昇れば、60代には結構な額の年金をもらって引退できる」当時の大多数のアメリカ人はこの言葉を信じていました。

会社と従業員の間に、「従業員は何十年も会社のために尽くしたのだから、会社が彼らの老後の面倒を見るのは当然だ」という暗黙の了解があったからです。しかしこの関係は、もろくも崩れ去りました。

きっかけは、1971年に当時のニクソン大統領がドルと金(ゴールド)との兌換を停止したことです。これによって各家庭の経済的な安定は崩れ、その後の米国は、世界恐慌以降で最悪といわれる数度の景気後退、米国ドルの価値の下落、金利と失業率の乱高下、年金制度の崩壊という災難に見舞われ続けています。

人々の老後の不安に対応するため、政府は1978年以降、老後のための貯蓄に対する税の優遇を進め、1981年には従業員が加入する確定拠出型年金401(k)への課税を延期することを法制化しました。(詳しくは、私の著書『金持ち父さんの予言』を参考にしてください。)

しかし現在、ここにショッキングな数字があります。ある統計によれば、引退の時期を迎えている世代の多くの家庭の貯蓄額は、わずか12,000ドル(約132万円)だということです。これでは、仕事をやめることなど不可能でしょう。一生働き続けなければならないかもしれません。

「健康で長生きだから一生働ける」という「専門家」の説

ある「金融の専門家」は、「引退」という言葉はもはや死語だと明言しています。裕福な国の人間の平均余命は110歳や120歳にまで伸びると予想されているので、65歳で引退して残りの人生を経済的に賄うのは不可能であるし、100歳でも40代や50代並みに元気であれば働けるのだから、働き続ければいいというのです。

また、共有経済(シェアリングエコノミー)やギグエコノミー(ネットを通じて単発の仕事を請け負う働き方。配車サービスのUberや宿泊施設仲介のAirbnbなど)によって、個人が副業を持つことができるようになるので、いくつか掛け持ちすれば老後の資金の不足分を補うことができると言っています。皆さんはどう思われますか?

考える材料として、2つの現実を挙げておきます。ある統計によれば、70代になると医療費は平均して30%上昇して48,400ドル(約532万円)になり、80代では57%上昇、90代まで生きれば89,000ドル(約979万円)に達するかもしれないとのことです。薬代は別です。医療費は、あなたが想像しているよりもはるかに負担の重いものになりうるのです。

また、ギグエコノミーからもらえる仕事の多くは、早晩AI(人工知能)に取って代わられることでしょう。私はアリゾナ州に住んでいますが、グーグルやウーバーの自動運転車を街のあちこちで見かけます。ウーバーにとって、人間の運転手はもはや必要ないのです。オックスフォード大学の研究者たちは、米国の雇用の47%は今後20年間でAIに移行する可能性があると予想しています。

「金持ち父さんの教え」に立ち戻ろう

そのように変化する社会で、どうすればあなたの「老後の資金」を確保できるでしょうか。金持ち父さんの基本の教えを思い出してください。あなたがお金のために一生働くのではなく、「お金があなたのためにずっと働いてくれる」ようにすることが重要です。

私の著書『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』を読まれた方はご存じだと思いますが、それは、お金のために自分が働かなければならないクワドラントの左側(従業員や自営業者)から、お金があなたのために働いてくれるクワドラントの右側(投資家やビジネスオーナー)に移ることによって可能になります。(詳しくは同書を参考にしてください。)

お金が昼も夜もあなたのために働いてくれるようになれば、あなたは自由な時間が増え、やりたいことをやったり、家族と楽しい時間を過ごしたりすることができます。ですから私のアドバイスは、「あなたが大切な人たちと共に幸せで健康な老後を送れるように、お金があなたのために働いてくれる投資をきちんとできるようになりましょう。まず、ファイナンシャル教育を身に付けるためにあなたの時間を投資しましょう」ということです。

今あなたがお金をいくら持っているかは問題ではありません。あなた自身の将来のより良い経済状態のために、今あなたが何をするかが問題です。少しずつでいいので毎日続けることが大事です。お金について楽しく学びましょう!

★金持ち父さんのエッセイは次回に続きます!

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教えてくれたのは……

ロバート・キヨサキ氏

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投資家、ビジネスマン、ベストセラー作家。著書『金持ち父さん 貧乏父さん』にて金持ちがお金について自分の子供たちに教えていること、中流以下の人たちが教えていないことを明かす。労働所得(給料)で生きるのではなく、お金がお金を稼ぎ出す不労所得の重要性を説き、お金教育の一環として『キャッシュフローゲーム』を開発した。

「金持ち父さん」日本オフィシャルサイト
http://www.richdad-jp.com/


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