その猫パンチの意味は?
威嚇モードの猫パンチ。それ、触っても平気?
愛猫が近づいてきたので、喉や額など猫がいつも好む場所を優しく撫でてあげます。気持ちよさそうに喉を鳴らしながら、目を細めて頭突きごんごんしながらテンションが上がっていく猫さん。猫をもっと気持ちよくさせてあげたくてサービスしていると、突然・猫パンチ!……なんて経験、ありますか?
いろんな猫との生活経験があれば、「うん、そう、あるある。それが猫だよ」と特に悩むこともないでしょうが、猫初心者さんは、「気持ちよさそうだったのに、なぜ猫パンチ? なにか猫が気に入らないツボでも触っちゃったかしら」と悩んでしまうかもしれません。
さて、そのときの猫パンチに愛はあったのでしょうか? 猫がパンチをする理由や、猫の気持ちを解説します。
<目次>
猫パンチの意味1:「偵察モード」の猫パンチ
猫の手先は丸くて、ぶ厚い肉球がありますが、猫はとても器用に手を使います。猫は手を使い、触って安全なものかどうか確認したり、ものを手元に引き寄せたりします。爪を使い扉や窓を開けたり、手を水に浸して毛についた水を口に運んだり、ドライフードを一粒ずつ自分の口に入れることができる猫もいます。好奇心が旺盛な猫は、いったん興味を覚えると触ったり口で噛んだりして、それがなんなのか確かめたくてたまらなくなります。そんなとき、最初に繰り出すのがジャブに似た猫パンチ。ちょいちょいと軽いジャブを繰り出し、対象物が動かないか、反撃しないか確かめます。
対象物が猫パンチによってあたかも生きているように動き出したら、「偵察モード」から「遊びモード」の猫パンチに移行します。もし、猫を撫でているときにそのスイッチが入ったら、手と自分との距離感、退屈で刺激を求めているなど、猫の気分次第で「遊びモード」や「攻撃モード」を切り替えながら猫パンチを繰り出します。
ちょいちょい。これは遊びモードの猫パンチ
猫パンチの意味2:「気分転換」の猫パンチ
いままで気持ちよさそうにしていた猫が突然猫パンチを繰り出してきたら、「もうこれ以上撫でなくていいよ」「飽きちゃった」など、猫はそこで気分を切り替えたくなっています。そんなときは、さっさと手を引っ込めて退散するか、別のおもちゃに気持ちを切り替えさせて遊ばせる方がよいでしょう。猫パンチしてきた猫の手をつかむなど、同居人が対抗すると、どんどんエスカレートして、猫をもっと興奮させてしまうかもしれないので要注意です。猫パンチの意味3:「不機嫌モード」の猫パンチ
猫は気分屋さんな動物。あまりしつこくされると、いらっと猫パンチで報復されるかも。気持ちのいい場所を撫ででもらうのも、猫の気分次第で、「ここまででOK、これ以上は触って欲しくない」というタイミングがあるようです。それに気づかずに、猫が喜んでいると思い込んで撫で続けていると、「いい加減にして!」と教育的指導的猫パンチが! 気持ちよさそうに喉を鳴らしているうちに、フェイドアウトする方がいいかもしれません。水飲みを回せるほど器用な猫の手
猫パンチの意味4:「八つ当たりモード」の猫パンチ
何かのタイミングで自分の思い通りにできなかったり、お腹が空いていたり、遊びに夢中になりすぎて興奮しすぎたときなど、そばにいた「あなた」やほかの猫にいきなり猫パンチが飛んでくることがあります。これといった理由が思い当たらず、いきなり猫パンチが飛んできたときは、猫の相手をせず、猫をひとりにして、我に返るのを待ちましょう。このときに「どうしたの? 遊びたいの?」などとかまってしまうと、本気モードで攻撃されたり、子猫であれば今後性格的にきつい子に育ってしまう可能性があるので注意しましょう。
猫が落ち着いて冷静になれば、自分がそんなパンチを繰り出したことも忘れてしまっているでしょう。
「威嚇モード」の猫パンチ
何かに恐怖を覚えたり、相手を攻撃するときに繰り出される猫パンチは、いつもと違い爪が出ていて、振りも大きくなります。毛を逆立てて、胴を短く弧を描くように引き寄せて、少しつま先立ちになって自分を大きく見せようとします。うなり声や、シャー! フッ! パッ! など、さまざまな音でも相手を脅かそうとします。猫は、できる限り直接の争いは避けたいので、このような体勢でにらみ合い、何十分も大きなうなり声を上げながら威嚇し合いますが、猫たちの本心は、誰か止めに入ってくれないかな~なのかもしれません。が、その縄張りを死守しなければいけなかったり、女の子にいいところを見せたい場合は、鋭い猫パンチの応酬で、相手がひるむことを期待します。
おもちゃに対して猫パンチ!
猫同士のケンカではなく、これ以上自分に近づくな、かまうなという意味をこもった少し鋭い「威嚇モード」の猫パンチもあります。猫パンチが届く距離は、猫にとっての一番大切なパーソナルスペース。そのとき精神状態が落ち着いていて、気を許している相手であれば、その許容範囲内に近づくことを許しますが、ひとたび気分が変われば、そこは誰ひとり近づいて欲しくないエリアにかわります。
猫の感情表現がわかりやすいしっぽなど動きを見て、これはもしかしたら?と思ったら、猫のパーソナルスペースから少し距離を取ることをお勧めします。
猫の不機嫌モードはここで判断
猫によってわかりやすい不機嫌サインを出す子もいますが、わずかに瞳孔が開いて、いつもよりかわいい顔をしてると感じたら、不機嫌モードに突入していたなんてこともあります。その中でも、わかりやすいサインは、猫のしっぽです。ご機嫌さんサインはしっぽをピンとまっすぐ垂直に立てて、くね~とゆっくり揺らす程度。
しっぽをだらりと下げ、いつも以上に素早く左右にパタパタ揺らしていれば、不機嫌モードです。猫がしっぽをパタンパタンさせはじめたら、いまやっていることに飽きているかも知れないので、いったんやめて猫から離れましょう。
遊びモードの猫パンチ、子猫はこうして社会性を学びます
もし、突然猫パンチをされたら、ちょっと時間を巻き戻して考えてみましょう。その猫パンチは、飽きちゃった、焦れちゃった、イライラしてきちゃったのサインかも知れません。それに気づかず、猫パンチを「もっと遊びたいのね」なんて勘違いすると、次には相手を傷つけてもいいという気持ちが込めた猫パンチが飛んでくるかも!
愛がある猫パンチでも爪が出ることはありますが、基本的にはゆる~いへなちょこパンチです。でも猫パンチは、猫の気分変化を表現するので、猫パンチが出たら、いままでやっていたことをやめて猫と少し距離を取りましょう。
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