メロンは犬に食べさせても大丈夫!
犬にメロンを食べさせても大丈夫!皮と種は取り除いてからあげましょう。
品種や栽培方法によってカロリーや含まれる栄養素に多少の差がありますが、成分の約88%は水分なので水分補給のサポートとしても一役かってくれるでしょう。
山形県のメロン生産農家、小林直太郎農園 代表の小林忍さんにメロンについてお話をお伺いしました。
「表面の模様は網目状・つるつる・ざらざらなど、皮の色は白・黄・薄緑・濃緑など、果肉は緑・橙・黄・白などがあり、ほとんどの品種はこれらの組み合わせでその特徴を表す事ができます。
メロンは収穫した直後に食べることはせず、必ず追熟の期間を設けます。この時に熟れすぎてしまうと、炭酸やアルコールが発生して味が落ちてしまいます。さらには皮やヘタの近く、品種によっては果肉全体に苦味成分であるククルビタシンが発生することがあります。」
炭酸は犬には刺激が強く、アルコールも犬には適しません。苦味成分であるククルビタシンが多く含まれている果実を無理して食べると、嘔吐や下痢といった食中毒の症状が出るおそれもあります。メロンをひと玉で購入した際は追熟期間に注意して、味に違和感がないか確かめてから犬に与える方が安心でしょう。
メロンはどんなふうに犬の体にいいの? 健康のために期待できること。
メロンにを食べると健康にいいことは?
メロンに含まれるククミシンという酵素が、タンパク質(肉、魚、卵、豆など)を分解することで消化吸収されやすくなることが期待できます。ククミシンは比較的、熱に強い性質をしています。ですが、90℃以上でそのはたらきが失われるとの報告もあるので、加熱調理よりも生の状態で食べることがおすすめです。
また、ククミシンの影響で口の中や舌が刺激されることもあります。犬が食べたがらない時は、無理に与えないようにしましょう。
2:犬のエイジングケアに
夕張メロン、クインシーメロンなどの赤い果肉のメロンはβカロテンが豊富に含まれています。抗酸化作用、皮膚や粘膜を健やかに保ちたい犬のおやつにおすすめです。
3:体の熱を取り除く
メロンには体の熱を取り除くはたらきが期待できます。ただし、内臓を必要以上に冷やしてしまうと下痢を引き起こすこともあるので、与えすぎないようにしましょう。
4:リラックス作用
全てのメロンの品種に含まれているという明確な情報はありませんが、温室育ちのマスクメロンには、ストレスを和らげ、神経の興奮を抑えるはたらきのあるGABA(ギャバ)が含まれています。皮の付近よりも中心に近い部位に多く含まれているようです。
また、クエン酸のはたらきによる疲労回復も期待できます。
メロンを食べない方がいい犬は? 薬や病気との食べあわせは?
メロンを避けたほうがいい病気、薬は?
「メロンはカリウムの含有量が多く、その含有量は果物の中でバナナに次ぐ第2位です。カリウムは通常であれば腎臓からナトリウムと共に排泄されますが、腎臓の機能が落ちている犬はカリウムが体に溜まりやすくなり、低血圧や不整脈などの心臓疾患の兆候が出てきます。そのため、腎臓病や心臓病の犬は要注意です。
一部の利尿剤ではカリウムを体内に残す作用があるため、これらの薬とメロンを併用すると高カリウム血症になる可能性があります。
一部のメロンに含まれる苦味成分ククルビタシンは、抗がん作用や認知症予防、リュウマチの進行を抑制するなどの効果があるという研究結果が出ています。
苦すぎるメロンはもちろん与えない方がいいですが、多少の苦みであればこのような働きを期待して与えるのもいいかもしれません。
オナモミ、セイヨウオオバコ、ニワトコ、ブタクサ、ヨモギにアレルギーを持っている犬は交差反応(※)が出る可能性がありますので、注意をして少量ずつから与えましょう。」
(※交差反応:アレルギー反応が出る対象物と分子構造が似ているまたは同じという理由で、別の食材や植物などにもアレルギー反応が出てしまうこと)
犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安
上記の表を参考にして、与えすぎないように注意してください。食物アレルギーはどのような食材でも反応する可能性があります。初めての食材を与える時は必ず少量ずつ与え、体調に変化がないか様子を見てくださいね。
メロンソーダ、メロンゼリーは犬に与えて大丈夫?
人間用に加工されたものは、避けるようにしましょう
・メロンソーダ
メロンエキスが含まれていることもありますが、人工甘味料、香料、着色料といった、健康への期待ができない材料を中心に作られています。炭酸の刺激もあるので犬には適さない飲み物です。
・メロンゼリー
メロン、ゼラチン、水だけで作られた犬のための手作りメロンゼリーであれば、与えても大丈夫です。人間用に作られたメロンゼリーは、人工甘味料、香料、着色料が含まれている商品がほとんどですので、犬に与えることは避けましょう。
犬にメロンを食べさせても大丈夫?まとめ
- メロンは犬に与えても大丈夫
- 消化を助けたり、リラックス作用が期待できる
- 熟れすぎたメロンは炭酸、アルコール、苦味成分が発生するので、確認してから与える
- 腎臓病、心臓病の犬は与えない方が安心
- オナモミ、セイヨウオオバコ、ニワトコ、ブタクサ、ヨモギにアレルギーがある場合は注意して与える
【執筆協力】
丸田香緒里 獣医師
2006年日本大学を卒業後、横浜市内の動物病院に6年間勤務。
飼い主様にもっと近い存在になりたいと思い「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーに、2012年Animal Life Partner設立。
病院での診療や往診のほか、セミナー講師やカウンセリング、企業との製品開発など、活動は多岐に渡る。
ホームページ:http://animallifepartner.com/
小林直太郎農園 小林忍 代表
山形県庄内地方にある、親子3代に渡るメロン農園。
作物や環境に配慮した土や堆肥作り、食味優先の品種選定、収穫量より品質を重視する栽培方法が特徴。
小林直太郎農園のメロンは山形県酒田市での直売所のほか、通信販売でも購入可能。
メロンの追熟方法や食べごろの見分け方、メロン農家さんだからこそ知っている美味しい食べ方などの情報をホームページで発信中。
ホームページ:http://naotaro-farm.jp/
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