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箱根のお土産に岡田美術館のチョコ『歌麿・深川の雪』

ショコラティエ 三浦直樹シェフの新作ショコラが、2017年夏に新登場です。箱根にある岡田美術館で開催される特別展『歌麿大作「深川の雪」と「吉原の花」』にちなんだ注目のチョコレートを紹介します。

市川 歩美

執筆者:市川 歩美

チョコレートガイド

ショコラティエ 三浦直樹シェフのチョコレートを岡田美術館で

箱根・小涌谷にある岡田美術館は、日本・中国・韓国を中心とする古代から現代までの様々な美術品を常時約450点展示する、自然の中に佇む美術館。私も何度か訪れて、貴重な作品の数々を鑑賞しました。
箱根のお土産に最適!岡田美術館のチョコレート

箱根のお土産に最適!岡田美術館のチョコレート

美術愛好家の方はもちろんですが、岡田美術館はチョコレート愛好家の間でも有名です。その理由はもう、ファンの方ならご存じですね、専属ショコラティエ 三浦直樹シェフによるチョコレートに出会えるからです。

2017年の夏は、7月28日から始まった特別展にあわせて、三浦シェフによる新作が発表され、岡田美術館で限定販売されています。箱根を訪れたらぜひお土産にしましょう。今回は、このチョコレートについてご紹介します。

三浦直樹シェフの新作は歌麿「深川の雪」がモチーフ

これまでにも、【岡田美術館の2015年新作チョコレート「光琳菊図屏風」】でご紹介したとおり、尾形光琳の作品をモチーフにするなど、麗しいチョコレートを発表してきた岡田美術館ですが、今回は、喜多川歌麿によって描かれた「深川の雪」をモチーフにしたチョコレートを発表しました。
Okada Museum Chotolate『歌麿・深川の雪』4800円(税込)

Okada Museum Chocolate『歌麿・深川の雪』4800円(税込)※販売終了予定日未定

岡田美術館のチョコレートとしては、初めてとなる、2段重ねのチョコレートボックス。白にゴールドをあわせたボックスが華やかです。
8粒の美しいボンボンショコラ

8粒の美しいボンボンショコラ

美術館併設のミュージアムショップのショーケースで、初日から注目を集めています。

喜多川歌麿の大作「深川の雪」

このチョコレートは岡田美術館で2017年7月28日(金)から10月29日(日)まで、開催される特別展『歌麿大作 「深川の雪」と「吉原の花」 ―138年ぶりの夢の再会―』の開催を記念して製作されました。
歌麿の大作「深川の雪」 大作「雪月花三部作」のひとつ、
喜多川歌麿の最高傑作として名高い「雪月花」三部作のうち、「深川の雪」と「吉原の花」が、日本で同時に揃って展示されるのは、138年ぶりのこと!
喜多川歌麿「深川の雪」 江戸時代 享和2~文化3年(1802~06)頃

喜多川歌麿「深川の雪」 江戸時代 享和2~文化3年(1802~06)頃 岡田美術館蔵

こちらは、幻の傑作といわれ、長い間行方が知れなかった「深川の雪」です。(実物は198.8×341.1cm、大きいです!)現在は岡田美術館の収蔵品である、この名作の一部をデザインに取り入れたのが、Okada Museum Chocolate『歌麿・深川の雪』。

それにしても、歌麿のデザインを正式に取り入れたチョコレートとは前代未聞ではないでしょうか……!? 私は少なくとも他で観たことも食べたこともありません。

歌麿「深川の雪」のチョコレート

8種類のチョコレートは、三浦シェフらしい、思いがけない素材同士を組み合わせ、上品にまとめたもの。一つずつフレーバーを紹介します。

【上の段】
ボックス上段

ボックス上段

1.(左上)ゴルゴンゾーラチーズとベーコンチップ
一口でベーコンの香りがするのでチョコレート?と意外なインパクトがあります。ゴルゴンゾーラを使ったガナッシュにペッパーがきいています。

2.(右上)紫芋と黒胡麻
黒ごまの風味がしっかりときいたガナッシュに、サツマイモのガナッシュががやさしく調和。和菓子のような余韻のある、チョコレートです。

3.(左下)アーモンドミルクとドライアプリコット
アーモンドエッセンス、アーモンドペーストなどを使用し、杏仁豆腐のようなイメージの味を作り出しています。ドライアプリコットがアクセントに。

4.(右下)クリームチーズとベリーローズ
花の香りが華やかなチョコレート。ラズベリーとローズをあわせたガナッシュと、クリームチーズのガナッシュが花とベリーの香りをまとめています。

【下の段】
下段

下段

5.和栗と松茸(左上)
フリーズドライの松茸をカットして生クリームで煮出してガナッシュを作り、和栗のガナッシュと2層に。僅かに細かい松茸をガナッシュの中に残しています。

6.ピスタチオとシナモン(右上)
ピスタチオのジャンドゥーヤにシリアルやフィアンティーヌを入れることで、サクットした食感に。シチリア産ピスタチオならではの香りが前面に出ています。

7.白トリュフと南瓜 (左下)
白トリュフがしっかり香り立ちます。白トリュフと南瓜、ガナッシュが2層に。コーティングは白トリュフの強さに負けない苦味を持つビターチョコレート。

8.柚子とフレッシュバジル(右下)
フレッシュバジルそのものをガナッシュに混ぜ込み、バジルの存在を強調。柚子の苦味と酸味、ビターチョコレートのコーティング、全てが調和しています。
カットすると美しい層が

カットすると美しい層が

私は岡田美術館のチョコレートをカットせずしていただくことはありません!みなさんも余裕があれば、ナイフでカットして断面をご覧になってくださいね。カットした断面の美しさも魅力があります。

専属ショコラティエ 三浦直樹シェフインタビュー

ドラマ「失恋ショコラティエ」の監修をつとめたことでもお馴染みですね。岡田美術館チョコレートのマスターシェフであり、ショコラティエの三浦直樹シェフにお話を伺いました。
岡田美術館 マスターシェフ 三浦直樹さん

岡田美術館チョコレート マスターシェフ 三浦直樹さん

--チョコレートのデザインについて教えてください。

歌麿の「深川の雪」は観ていただくとわかるとおり、原画にはとても色が多いんです。この原画の中の、松竹梅のモチーフのほか、前掛けの模様などを、転写シートを使って表しました。「白、黒、赤」「白、緑、黒」という3つの色を使った2パターンで、8種類のデザインを作っています。また一部には銀箔を散らして雪を表現しています。作っていて思いましたが、元となる原画が素晴らしいものだと、転写シートを使ったデザインは高級感が出ますね。
デザイン

左二つは銀箔をあしらい、雪を表している

--白いパッケージ、2段重ねのパッケージは初ですね。

「深川の雪」にちなんで雪をイメージして、箱は白にしました。白い箱は岡田美術館のチョコレートでは初めてです。2段の箱も初ですが、これはお客さまから、これまでより少し大きめのサイズのチョコレートボックスを買いたいというご要望が多かったので作りました。

--チョコレートの選び方について教えてください。

他の人があまり使わないような素材も使うことが多いのですが、自分が作りたい味を作るために、チョコレートを選びますので、ある素材に対してホワイトチョコレートがよいと思えばホワイトに、ミルクがベストと思えばミルクを選びます。個性の強い素材にはそれに負けないようなビターチョコレートを外側に使う、というように、素材を引き出すためにと考えていくとおのずとチョコレートの種類は決まります。

--チョコレート作りのインスピレーションの源は?

すでに出来上がっているひとつの料理に対して、これチョコレートで表せないかな、と思うことはよくあります。例えば今回の「白トリュフと南瓜」は、イタリアのミラノの高級ホテルで以前イベントを行った時に提供された、白トリュフをのせたカボチャのパスタがとても美味しくて、それがインスピレーションになっています。あとは「紫芋と黒胡麻」は、実は大学芋の味が頭の中にありました。そういう出来上がったものを発展させてチョコレートにすることを考えたりします。あとは、ゴルゴンゾーラのチョコレートがあったら面白いなと思っていて、同時に、肉や魚を使った何かを、と考えていて、からすみはちょっとなーとか(笑)ベーコンがアクセントになったら形になるな、というように考えて、チョコレートになることもあります。
ミュージアムショップにて

ミュージアムショップにて

ミュージアムショップは、岡田美術館の正面玄関を入って右側にあります。立ち寄って、チョコレートをお土産にするのをお忘れなく。岡田美術館のミュージアムショップ、限定販売です。

手作りのため、1日に販売できる量が限られていますので、何個かまとめて購入したい方や、どうしても購入したい、という方は、予約はできませんが、美術館までお問い合わせしてみてください。

岡田美術館「足湯カフェ」で足湯もどうぞ!

それから、チョコレートの話ではないのですが……、
足湯

岡田美術館の足湯カフェ

私は、ここ、岡田美術館の「足湯カフェ」が大好き!100%源泉かけ流しのお湯に浸かりながら、飲み物を楽しめる「足湯カフェ」は、心も体もあたたまります。一緒に入ってお話をする方とは、よいお話とか楽しいお話にしかならなさそうです(笑)。自然林や滝のある庭園のお散歩も楽しいですよ。

DATA
岡田美術館
■Okada Museum Chocolate『歌麿・深川の雪』
8個入り 4800円(税込)
岡田美術館ミュージアムショップで数量限定販売
※販売終了予定日未定

■歌麿大作 「深川の雪」と「吉原の花」 ―138年ぶりの夢の再会 ―
会期:2017年7月28日(金)~ 10月29日(日)
会期中休館日なし
観覧料:一般・大学生 2,800円、小中高生 1,800円

三部作のうち、「品川の月」はフリーア美術館(ワシントンD.C.)が、「吉原の花」はワズワース・アセーニアム美術館(コネチカット州ハートフォード)所蔵です。「品川の月」は原寸大の高精細複製画を制作しての展示。歌麿の大画面の肉筆画は、実際に見ると迫力満点です。

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