ストップオーバーとは「途中降機」のこと
目的地だけでなく、経由地での滞在も楽しめるのがストップオーバーです。写真は香港国際空港。香港は乗り継ぎ時の滞在先としても人気が高い都市です。
ストップオーバーとは、目的地に向かう途中の乗継地で24時間以上滞在すること、を意味します。途中降機、レイオーバーともいいます。分かりやすくいうと、鉄道における途中下車のような感じです。
航空券によって、ストップオーバーが行きもしくは帰り、または行き帰りとも無料だったり、追加料金で可能だったりします。乗り継ぎする都市を含めた個人での周遊旅行に向いています。
<目次>
ストップオーバーとトランジットの違いは"滞在時間"
トランジットは24時間以内の滞在、ストップオーバーは24時間以上の滞在を指します。写真はタイのバンコク・スワンナプーム国際空港。東南アジアやオセアニア方面への乗り継ぎに人気の空港です。
トランジットは“空港での乗り継ぎ”という意味。到着してから24時間以内に、次の目的地に向かう飛行機に必ず搭乗しないといけません。
場所によっては、いったん入国してまた出国すれば1泊することもできますが、ストップオーバーと比べると、現地での滞在時間が非常に限られます。また、空港外へ一切出られない場合、空港外で宿泊する時に一時的な通過査証(トランジットビザ)が発給される国もあります。
ストップオーバーでは追加料金がかかるけれども、トランジットだとかからないケースがほとんど。追加料金なしにわずかな時間でも乗り継ぎ地の雰囲気を楽しみたい人には、トランジットを有効活用するのがおすすめです。
ストップオーバーできる航空券の予約方法
では、ストップオーバーができる航空券を予約するには、どうすればよいのでしょうか。航空券が検索、料金比較もできる便利なウェブサイトが『スカイスキャナー』です。
ストップオーバーの航空券を調べる場合、まずは「複数都市」を選びます。そして、出発地とストップオーバーしたい都市、最終目的地、さらに日程を別々に入力すると、対象となるおすすめの航空券が一覧で表示されます。 日系航空会社だと、ANAやJALの公式ウェブサイトで予約検索する際、複数都市を選んで調べることができます。
例えば、JALでは最大3都市までストップオーバーが可能です。行きに到着した空港と別の空港から戻る「オープンジョー」についての解説もあります。(ストップオーバー等に追加料金が必要だったり、運賃などによってストップオーバー不可の場合があったりもします)
【参考】
JAL国際線 - ストップオーバー・オープンジョー
航空券の「オープンジョー」とは 予約と買い方 (All About)
注意したいのは、ストップオーバーが無料でできる航空会社もあれば、追加料金が数万円かかる航空会社もあることです。航空券によってもルールが異なる、セールなど格安の発券クラスだと追加料金がけっこうかかることも。さらに国によっては、空港からいったん出るのに有料の査証(ビザ)が事前に必要な場合があります。
ただし、航空券をバラバラで購入するよりは、ストップオーバーを利用すると割安になることがほとんどです。旅行中にいくつかの都市を楽しみたい人はぜひ利用しましょう。
ストップオーバーの日数制限や荷物などは航空会社次第
トランジットだと24時間以内の滞在と定められていますが、ストップオーバーの場合は24時間以上に加え、最大どれだけ滞在できるのでしょうか。ストップオーバーで滞在できる日数は、航空会社ごとに異なります。滞在する場所が定める期間内ならずっとOKの場合、また到着日から●日以内と定められいることも。気になる方は、自分が利用する航空会社に事前に問い合わせてみてください。
荷物に関しては、同じ航空会社もしくは提携航空会社を利用する場合など、基本的に最終目的地まで荷物はスルーで途中で受け取る必要はありません。しかし、ストップオーバーの場合、通常は途中でいったん受け取りとなります。どちらか心配な場合など、出発する空港のカウンターでチェックイン時に自ら申告して聞いてみても良いでしょう。
ANAの特典航空券でのストップオーバーの仕方
ANAではマイルを貯めて特典航空券でのストップオーバーも可能です。利用にあたってルールがいくつかあります。
ただし、利用条件があります。「日本発の途中降機は不可」「海外発の途中降機は目的地以外に1回のみ可能」です。ANAが提供する提携航空会社特典航空券の場合、ストップオーバーは「日本発・海外発ともに目的地以外の往路・復路いずれか1回可能」となっています。
また、世界一周の場合、出発地と最終帰着地の間で最大8回のストップオーバーが可能です。ただし、欧州では3回まで、日本国内では4回までと決められています。
【参考】 ANA 特典航空券
ストップオーバーはANAやJAL以外でも
フィンエアーではヘルシンキでのストップオーバーができるのに加え、ストップオーバー向けの滞在プランなどを公式ウェブサイトで提案しています。
例えば、フランスのパリに向かう際、フィンランドを拠点とするフィンエアーを利用すると、日本からの直行便が発着するフィンランドの首都ヘルシンキでストップオーバーすると、パリとヘルシンキが両方楽しめます。フィンエアーではストップオーバー向けの旅パッケージも販売、ストップオーバーの過ごし方のアドバイスも公式ウェブサイトで詳しく紹介しています。
【参考】 フィンエアー フィンランドでのストップオーバー(途中降機)
また、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビを拠点とするエティハド航空は、アブダビでの無料でのストップオーバーが可能です。しかも、アブダビでの2泊目が無料になったり、ゴルフやプールに格安で利用できたりするストップオーバーでの滞在プランなどが、公式ウェブサイトから予約できます。
【参考】 エティハド航空 アブダビでのストップオーバー(途中降機)
その他、エミレーツ航空、シンガポール航空、エールフランス航空、エア・カナダなども、ストップオーバーが無料もしくは格安で可能です。1回の旅行で、中東とヨーロッパ、アジアとオセアニアといったストップオーバーならではの旅の楽しみ方ができます。
※記事の情報は2019年4月現在
【関連記事】