言葉の意味や、ストップオーバーの予約方法、ストップオーバーにおすすめの航空会社など関連情報について解説します。
<目次>
ストップオーバーとは?「途中降機」のこと
タイ・バンコクのスワンナプーム空港。欧州や中東アフリカ方面などへ乗り継ぎすることができます
ストップオーバーとは、目的地に向かう途中の乗り継ぎ地で24時間以上滞在すること、を意味します。「途中降機」「レイオーバー」ともいいます。もっと分かりやすく例えれば、鉄道における途中下車のようなものです。
航空券によって、ストップオーバーが行きもしくは帰り、または行き帰りとも無料だったり、追加料金で可能だったりします。乗り継ぎする都市を含めた個人での周遊旅行に向いています。
ストップオーバーとトランジットの違いは「滞在時間」
シンガポールのチャンギ空港にある大型商業施設「ジュエル」
■トランジットの滞在時間は24時間以内
トランジットは“空港での乗り継ぎ”という意味。到着してから24時間以内に、次の目的地に向かう飛行機に必ず搭乗しないといけません。
場所によっては、いったん入国してまた出国すれば1泊することもできます。しかし、ストップオーバーと比べると、現地での滞在時間が非常に限られます。また、空港外へ一切出られない場合、空港外で宿泊する時に一時的な通過査証(トランジットビザ)が発給される国もあります。
■トランジットは追加料金なしが多い
ストップオーバーでは追加料金がかかるけれども、トランジットだとかからないケースがほとんど。追加料金なしにわずかな時間でも乗り継ぎ地の雰囲気を楽しみたい人には、トランジットを有効活用するのがおすすめです。
ストップオーバーできる航空券の予約方法
複数の都市に向かう航空券が検索しやすい「スカイスキャナー」のウェブサイト。運賃比較もできて便利。スマートフォンのアプリもあります
航空券が検索、料金比較もできる便利なWebサイトが「スカイスキャナー」です。
ストップオーバーの航空券を調べる場合、まずは「複数都市」を選びます。そして、出発地とストップオーバーしたい都市、最終目的地、さらに日程を別々に入力すると、対象となるおすすめの航空券が一覧で表示されます。 日系航空会社だと、ANAやJALの公式Webサイトで予約検索する際、複数都市を選んで調べることができます。
例えば、JALでは最大3都市までストップオーバーが可能です。行きに到着した空港と別の空港から戻る「オープンジョー」についての解説もあります。(ストップオーバー等に追加料金が必要だったり、運賃などによってストップオーバー不可の場合があったりもします)
<参考>
JAL国際線 - ストップオーバー・オープンジョー
航空券の「オープンジョー」とは 予約と買い方(All About)
■航空会社によって料金が違うため要注意
注意したいのは、ストップオーバーが無料でできる航空会社もあれば、追加料金が数万円かかる航空会社もあることです。航空券によってもルールが異なり、セールなどで航空券を買った場合、格安だと予約クラス次第で「追加料金」が高額な場合も。さらに国・地域によって、空港からいったん出るのに有料の査証(ビザ)が事前に必要な場合があります。
ただし、航空券をバラバラで購入するよりは、ストップオーバーを利用すると割安になることがほとんどです。旅行中にいくつかの都市を楽しみたい人はぜひ利用しましょう。
ストップオーバーの「日数制限」や「荷物の扱い」は?
トランジットだと、24時間以内の滞在と定められています。では、ストップオーバーの場合、24時間以上に加え、最大どれだけ滞在できるのでしょうか。日本人の乗り継ぎ(トランジット)先として人気の韓国・ソウル、仁川国際空港
ストップオーバーで滞在できる日数は、航空会社ごとに異なります。「滞在する場所が定める期間内ならずっとOK」の場合もあれば、「到着日から〇日以内」と定められていることも。気になる方は、自分が利用する航空会社に事前に問い合わせてみてください。
■荷物の受け取り
荷物に関しては、同じ航空会社もしくは提携航空会社を利用する場合、基本的には最終目的地までは途中で受け取る必要はありません。しかし、ストップオーバーの場合、通常は「途中でいったん受け取り」となります。
荷物の扱いがどちらか心配な場合などは、出発する空港のカウンターでチェックイン時に自ら申告して聞いてみてもいいでしょう。
ANAの特典航空券でのストップオーバーの仕方
飛行機での搭乗や日々の買い物で貯めたマイルで得た「特典航空券」で旅行する場合、例えば、ANAの特典航空券で、ストップオーバーを利用することができます。ANAの特典航空券でもストップオーバーを利用することができます
■日本国内線のみの利用不可
■往路または復路で1回のみ
■エリア制限がある(目的地が欧州なら欧州内など)
■国際線の場合、往路または復路で最低一度同じアライアンスの便に乗る
■ストップオーバー利用の航空券の発券は355日後まで可能
<参考>
ANA 特典航空券
ストップオーバーはANAやJAL以外でも
航空会社によっては、ストップオーバーでの滞在を大きくアピールしているところもあります。■フィンエアー
フィンエアーではヘルシンキでのストップオーバーができるのに加え、ストップオーバー向けの滞在プランなどを公式ウェブサイトで提案しています
また、ストップオーバーの過ごし方などのアドバイスが公式Webサイトでも紹介されています。
<参考>
フィンエアー フィンランドでのストップオーバー(途中降機)
■エティハド航空
エティハド航空は首都アブダビでのストップオーバーを提案。好みのホテルに2泊まで無料宿泊も
<参考>
エティハド航空 アブダビでのストップオーバー(途中降機)
その他の航空会社も、ストップオーバーが無料もしくは格安で可能なところが多々。1回の旅行で、中東とヨーロッパ、アジアとオセアニアといった「一度に二度おいしい旅」、ストップオーバーならではの旅の楽しみ方を満喫してみてはいかがでしょうか。
※記事の情報は2024年9月現在