「やればできる」という自己信頼感が得られる
アメリカの調査では、高校で課外活動を1年以上続けた生徒たちは、大学の卒業率が高いという結果があるそうです(アメリカでは大学を卒業できる学生の割合が3割程度と低く、社会問題となっています)。さらに加えると、その課外活動を2年以上続けた生徒は、他の生徒より就業率が高く、収入も高いことがわかったそうです。なお、この調査では、活動内容による差はなかったという。
これはつまり、青年期に何らかの活動を情熱を持って、長期間あるいは最後までやり遂げる経験をした人は、その後の仕事や職業においても、粘り強く取り組みやり抜く素地ができるということではないでしょうか。
確かに学校の勉強は楽しくないですが、学校外の活動は楽しいものです。サッカーでもバレエでも、練習がいかに大変であっても、好きなことであれば情熱を注ぐことができます。
新しいことに手を出してはすぐに飽きたり諦めたりを繰り返していると、「やればできる」という自己信頼感が得られません。
しかし、もがきながらも努力を続け、やり遂げるという達成感や成長実感は、今後も同じように粘り強く努力を続ければできるんだという自信につながり、困難な状況を恐れず挑戦しようというマインドが醸成されます。
一方で、そもそも親が子どものそのような活動に関心がない、進学にしか興味がない家庭では、そんな課外活動に子供を参加させる確率は下がります。
あるいはお金がないからと、たとえばユニフォームを買ってもらえない、合宿に行かせてもらえない、遠くにある練習場まで車で送り迎えしてくれない、楽器を買ってもらえない、高額な一流講師のレッスン料を払ってもらえない。……それでは何かに「没頭する」ことには限界が来るでしょう。
私は親の貧困が子どもの貧困につながるという論調には否定的ですが(親の貧乏な思考パターン・行動パターンに影響を受けるのが原因)、課外活動はモロに親の経済格差が出やすいと言えるかもしれません。
もちろん、塾を否定しているのではなく、「できた!」「点数が上がった!」という喜びや達成感を得られることもあるし、学校の教師からは得られないよきアドバイスをもらえることもあります。
学校の勉強はおもしろくないけれど、塾で勉強のおもしろさを知ったという人もいると思います。
しかし、「努力すれば上達する」「やればできる」といった成長実感や、「苦しいけど、試合に勝った時の感動のために練習する」「負けたらくやしい、もっと上を目指したい」といった成長欲求、そしてそんな強い内的動機を持てるのは、やはり課外活動のほうに分配が上がるのではないでしょうか。
そしてその継続によって最後までやり抜く粘り強さや集中力が養われ、その後の職業人生においてもモノを言うとしたら?
ぜひそんな機会を子どもに与えたいものです。
参考)
「年収1億の勉強法 年収300万の勉強法」(学研プラス)