子育て/子供とテレビやゲーム・アニメの影響

ゲームへの集中力を勉強に活かす3つの秘策!

今回は、ゲームへの集中を勉強の集中力に変える方法をお伝えします。「ゲームは何時間でも集中してやっているのに、勉強で集中できないのは何故?」という親の悩みをよく耳にします。ゲームは食事も忘れるくらい没頭しているのに、なぜ勉強には集中できないのでしょうか?

田宮 由美

執筆者:田宮 由美

子育てガイド

ゲームでの集中力を、勉強に活かしたい!

ゲームへの集中力を勉強に活かす3つの秘策!

時間を忘れて没頭するゲーム「この集中力を勉強に活かせないものかしら……」そう思われる親もいるでしょう

「ゲームだったら何時間でも集中してやっているのに、勉強となれば全く集中しなくて……」 このような悩みを、小学生の子どもを持つ親から、しばしば聞きます。確かに、ゲームだったら食事も忘れるくらい没頭して集中しているのに、勉強だと全く続かない子どもがいます。

勉強への集中力が低い子どもは、机に向かっていても何となく時間を過ごしてしまい、気がつけば夜になっていたということもあるのではないでしょうか?

反対に、勉強への集中力が高い子どもは、同じ宿題でも素早く済ませ、その後も多くの活動に取り組むことができます。日々の積み重ねで、その差は将来大きな違いとなって現れてくるでしょう。

ゲームには集中できるのに、勉強には集中できないのはなぜなのでしょう? その理由と、ゲームへの集中を勉強の集中力に変えていく方法をお伝えします。
 
<目次>
 

ゲームの集中力が勉強に活かせない理由

ゲームと勉強の集中力は異なる?

ゲームと勉強の集中力は異なる?

「ゲームへの集中力を勉強に活かせればいいのに」と思われる親も多いと思いますが、実は残念ながらこれらの集中力は異なる性質のもので、そのまま活かせることはありません。

なぜなら勉強の集中力は、自分の意志を持って自ら進んで行う集中ですが、ゲームの集中力は、コントロールされている集中だからです。

ゲームは指先の少しの動作で、画面が次から次へと刺激的な場面に変化し、考える隙もなく、どんどん熱中するように作られています。ですので中毒性があり、自分の意志では止めることが難しくなる場合も起こり得るでしょう。

勉強は自ら文字を読み、記憶したり、思考しなければなりません。本人が、強い意志のもと、主体性を持って取り組まなければ前には進まず、集中するのにかなりのパワーを要します。

ゲームにコントロールされ集中している子どもは、自分で考えることがどんどん苦手になってきます。そうすると、考えなければできない勉強は余計やる気がせず、集中して取り組むことから更に遠のいてしまうでしょう。
 

「集中して勉強しなさい!」という言葉が集中力を低下させる

親は子どもに集中して勉強できる子になって欲しいと「集中して勉強しなさい!」と言うこともあるかと思います。ですがその言葉は、子どもに勉強をしているふりをさせるだけで、勉強に集中させることはほとんどないでしょう。

子どもは親の叱責から逃れるため、とりあえず命令に従うものの、主体的に行っている訳ではありませんので、勉強に対してうわの空で、注意が散漫になり、集中は続くことはないでしょう。無理強いから集中力を高めることはできません。

ではどのようにすれば、子どもの勉強への集中力は、高められるのでしょうか。 
 

学習への集中力を高めるために親ができること

自らの意志でする集中、コントロールされている集中、その差は、後に大きな違いとなってくるでしょう

自らの意志でする集中、コントロールされている集中、その差は、後に大きな違いとなってくるでしょう

■1 勉強に関係のないモノを整理し、直ぐに勉強に取りかかれる環境を整える
ゲーム機は手軽に手に取れ、スイッチひとつで簡単に開始できます。この手軽さを勉強の環境作りに置き換えてみましょう。

机の上に筆記用具や参考書を並べ、すぐに取りかかれるようにしておく、または居間やキッチンのテーブルで勉強をするなど、各家庭にあった「勉強への手軽なアクセス」を工夫してみてください。

また勉強をしている時、ゲームやおもちゃが目のつく所に置かれていたり、テレビがつけっ放しになっていると気が散ります。周囲で他の人が大きな声で話していると、どうしても会話が気になったりするものです。勉強に関係のないもの、また妨げになりそうなものは整理しておき、勉強に取り組みやすい環境作りを考えましょう。

■2 勉強内容を具体的に細かく分け、達成感を味わう
ゲームは一つの場面をクリアすると、レベルアップした次の場面になります。易しいモノからスタートし、場面ごとに区切られているので、達成感があります。

勉強も簡単な問題を少ない分量から設定しましょう。すべきことを細かく区切り、少しずつ集中してこなせるように訓練していくといいですね。

例えば「計算問題5問」や「漢字10個」と決め、とにかくそれができるまでは、その計算や漢字から、目を離さず取り組む、というようにすべき内容を細かく分けて具体的に決めていくのです。そうすると「達成感」も得られ、集中しやすくなるでしょう。

何より、子ども自身が「これなら集中してできそう」という予感を持って勉強に取り組めます。ゴールが見えていると、勉強も頑張りやすいでしょう。子どもと話し合い、一緒に行動を具体的に区切る作業をし、それを積み重ねていくといいですね。

■3 集中して達成した喜びを味わうと同時に、勉強したことを生活で活かしていく
ゲームでは、場面をクリアすると、新しいアイテムを入手、それを使い更に、難易度の高い場面に挑戦したくなるような設定が多いです。

勉強においても、はじめの間は、一つの区切りが達成できれば、その都度「できたね!」「がんばったね」と声をかけてあげましょう。できた喜びと褒められた嬉しさを味わう事で、また次への集中の励みになり、少しずつステップアップしていくでしょう。

そして習得した勉強を実生活で使うように親は声がけしてあげてください。たとえば箱に並べられたお菓子を数える時、掛け算の九九を使う、リボンを均等の長さに切り分ける時、割り算を使うなどから、乗除の取得により、生活に便利さを得たことを体験させてあげるのです。

果物を購入する時、原産地を参考にする。空気の性質を知れば空気鉄砲が作れるなど、勉強することにより得られる知識が、生活に便利さや楽しさをもたらす事で、レベルアップした勉強への意欲となり、集中力を持って取り組むことにつながるでしょう。
 

子供の「熱中して集中している姿」を見誤らない

集中力を高めるには、「自発的に取り組み、時間を忘れて熱中するモノを見つける」といわれることがあります。確かにその通りなのですが、熱中している子どもの姿を見誤ると、かえって集中力がなくなることがあります。

テレビや動画を繰り返し見ていたり、ゲームを長時間していると、熱中して集中しているように見えるでしょう。ですがそれは集中しているのではなく、させられている状態です。自分が働きかけて行うクリエイティブなことに熱中してる集中力かどうか、そこを親は見誤らないようにしましょう。

そして集中して勉強をするのには、姿勢を保ち座っている筋力や体力も必要です。また睡眠不足も集中力の妨げになります。運動や食事などの生活面も健康を保つよう心がけたいですね。

コントロールされる集中力ではなく、自らの意志で行う集中力を身につけ、これからの子どもの人生がより有意義になるように育ててあげたいですね。


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